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(1)

明日と言う日の訪れを恐れるときがある
気を紛らわすことさえままならず
早々に床についたとしても
考えるのは埒のあかないことばかりで
苦し紛れの寝返りを打てば
人の気も知らず目覚 ....
細長い一日の側面には
たくさんの出窓が一列に並んでいた
窓枠には下手な絵が嵌め込まれていたから
僕は脇目もふらず
いったりきたりするしかなかった

細長い一日の両端には
それぞれにひ ....
きょう手紙が届いた
とおい山のホテルの便せんと封筒
差出人はぼく
自分から発ち自分へ帰ってゆく旅人の
孤独な手紙だ

恵那山トンネルという
中央自動車道の長いトンネルを抜けた
恵那山の ....
透明水晶の信号柱から
七つ先の林道をかけあがると

ずいぶんと見晴らしの良い高台に
ブナの木が一本立っている
木の実を転がしながら

その細い林道をしばらく行くと
もう帰ってはこれない ....
屋台の行列と祭囃子
利根川の水面が映し出す宵闇

藍色の浴衣と広島風お好み焼き
袋の中で呼吸する金魚


やがて遠くの方から花火が上がると
人々は一斉に夜空を見上げる
不意に懐かしく ....
日曜日の午後は
ここからはじまる
たくさんの
命の庭

話したり
話しかけられたり
平日とは違う
あんパンを
ほおばってみたりした

午前中
僕は眠っていたので
午後は
知 ....
この夜を沈めて
蛍光灯の明かりが漏れる部屋は
心音で満たされて

夜の淵をたどり
深い海の底へ降りて

眠りの宮の前で
今日の夢を乞う

海ほどの
心の深さを
今日の眠りは約束 ....
行き先も知らない船から
紙テープを投げて
わたしは今日、生まれよう
別れを告げるために投げるのではなく
離れるために切れるのでもない
風に大きなループを描き
旅立つために

    ....
こえられるか
それを

はるかな緑の稜線を
過ぎ去った時の豊かな過去の記憶をかかえ
こえられるか

熱いまなざしのさき
あふれる想いのながれる河を
こえられるか

たちすくむ身を ....
交尾したいわけではないんだ
そんなドキドキすること言わないでくれ
あのこの
すらりとした尻尾
ときどき試験管ブラシみたいになる
あの尻尾に
ただじゃれついていたいんだ
いつまでも
ぼく ....
境界の打ち水、
風が死んだ下町の昼下がり
狭い裏路地を通りすぎる
黒い日傘を差した女

夜に咲く花が匂う、
鉢植えの月下美人が
錆びた郵便受けの真下に
只ひとつ置かれていた

よう ....
* 1

愛無しには生きられない
わたしは本気でそう思っていた


* 2

あの水着もそうなんだけど
これもなんだよね

目新しさは常に外側からやってくる
そんな時代になった ....
道なりに歩くのが苦手
遠回りに意味がないって
大人は口癖みたいに言う

立ち止まって考える
誰にも追いつかないスピードで
回転する思考を留めて

こんな風に泣きそうな僕を
君は見止め ....
***

樹の緑から飛び立った鳥の黒い羽の音を
夕立のたびごとに絵日記に貼り付ける
それが毎日の日課になったころ
子供たちの影だけがきれいにアスファルトの上に焼き付けられている
 ....
コップの中に
朝が残った
醒めきらないままの
水を分けあって
ぼくらはターンする

魚のかたちをして
水がうごく
きらめき降りそそぐ
夏のはじまり

ゆっくり水際を
泳いでゆく ....
風はそよいでいる
海を山を野原を高原を

そして丘の大きな木の下で
鍵盤にしがみつく青年をみつける

ピアノを奏でようと必死だが
しばらくみつめても音は出ない

風は額の汗を拭い
 ....
{引用=ばたん――
ドアがしまるような
収穫の音がして、巻きあがる
走り去ったランナーの
一陣の風

よみがえる
まなざしの白さ、
青い息
ゆらぐ光彩に
ぼっ
と一点とどまる
 ....
枯れた葉っぱと
緑の葉っぱ
白い蝶が
おぼつかなげに
境界線をひいていく
タンゴの旋律に
呼吸を合わせるように
茜色のロウソクの火が
ゆらめいている


凪だった{ルビ水面=みなも}を掻き立て
眠っていた感情に爪を立て
ゆさぶりながら


身体の中を貫 ....
 *灯台

   かすかにまだ
   光っている
   間違えたままの、
   やさしい思い出
   わたしの幸福な思い違いを
   あなたは
   そのままにしてしまったから
 ....
熱い帯にタイダイの笑い声が響く
電気工事のおじさん
駐輪場のおじさん
建設現場のおじさん
交通整備のおじさん
ペンキ塗りのおじさん
たくさんのおじさん
設備工事の父さんも
あんな風にタ ....
仲の良い姉妹がいた
双子みたいだったけど
双子じゃなかった
同じ髪型をし同じ目をし
同じ口もとで笑った


寝る時も食べる時も一緒だった
片時もはなれた事がなかった
花が咲く時も
 ....
ぼくはほとんど水だ
と彼は言いました
手の水をひろげ足の水をのばす
水は水として生きて
水として果てる
そのとき大気の端とつながり
水からいちばん遠い水と出会う
そこで彼は
はじめて彼 ....
出張帰りのいつもの近道
車を走らせると道は
その先で
星空に切り取られる
そこが星越峠
たどるたびに
僕は宇宙から帰還する

    会えない夜は輪郭を想う
    あなたのかたちが ....
リセット





寝坊しないように目覚ましを三つ用意して
約束の時間に間に合うように
彼女の家まで車を走らせた
「あれ?もしかしてピアス代えた?」
「そうだよ!よく気付いたね!」 ....
おおきな背の
豊かな毛に
埋もれて
星が旅をしている
ゆっくりとした足取りで
海の方角へ向かって
草海原にて獣とむかいあう。
草色の肌の若者、弓を手にして。
大いなる探索の途上、
もうひとりの自分を見る。

若者は行く、
草海原より、かなたへ。

若者は草海原に
戻ってくるのだろ ....
突然放りこまれてしまった


病院の待合室にすわらされ
時計の針が無表情にすすむのを
昼メロのデジャ・ヴのようにながめる


「ママ ごめんね」
かすれた声の一言で
キミは幕開けを ....
幼い頃は
兄と妹と三人で
床を並べて寝ていた

がっしりした骨格の子供だったが
神経質で泣き虫なわたしの為
寝室はいつも完全な暗闇にならないよう
蛍光灯の一番小さな橙の光がともされ
両 ....
ある日家に帰ると
コインロッカーがあった
お父さんも使っていいのよ
妻が言うけれど
いったい何のために使うのか
僕にはわからなかった

それでも
次々とうまっていく
コインロッカー ....
未有花さんの自由詩おすすめリスト(5455)
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