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人体模型を誘拐した時
何か 黒いものがその筋肉に付着しているように見えた
今となっては少しだけ思い当たる
下着を見られた 夜だ
あれは





そんなに見られて 恥ずか ....
  緑のべ
  胸の静かな鳥、飛んでる  嘴鳴子 (呼びやる、手がさざなみだ)
  ぜんぶがぜんぶ静止画のようにただの一片を切り取った
  狭いから 気をつける  体を食べる線に 付き合う
  ....
よく見知った鳥たちの
生まれる音が遠くから
ここまで
骨がぶつかり合っているようにも思える
低い腰つきと
正確な手さばきで
つぎつぎと収穫されていった
ばんざい 収穫だ
ばんざい 越冬 ....
 
何かにすがりたいし
君に逢いに行きたい
これ以上ないくらい丸まって眠って
透き通ったものと
いい匂いのするものと
温かいものを少しずつくっつけたりして
昏鐘が呪文のように聞こ ....
 

純然たる君の回り続けるスカートに
くるまって君にしかわからない合図を送るから
光のつぶてで冠を編んで
この世界が、目まぐるしいこの世界が
つくづく目まぐるしいので振り返れば泥土でしか ....
 
軽やかな装いの男が
日がな一日長椅子に座っている
うららかに、年老いた象の目回りに皺が刻まれ
陽気に溶ける大袈裟な風船どもを
バービーたちが追いかける
とりわけ足の速いバービーが
長 ....
もう、ずっと、葬列のターンだ
山裾から行儀よく
山頂までの道のりを進む
お前たちの名前は
アダルベロ
だったり
クロデガンク
だったり
ジグラム
だったりする
高貴な熊や
有名な ....
  夜の頃
  いよいよ視力を盗まれて 往生する そう幾つもない階段を
  丁寧に降りていく 16,17,18,19,と数えていった
  山の神様が 遠い方からしょっぱい種を飛ばし
  加 ....
きみと
きみときみを囲む白い壁と
きみの大層な毛皮がよく見える
首が痛くなるまで星を観測し
今はまだ冬至、これからこうなって
ああなって
こういう風に動いたらあたたかくなるのさ ....
ちいさな姉さんたちが
あぜ道を鮮やかに歩いていく
カモミールとか
ベルガモットだとか
とても香りの良い会話をしながら
ちいさな光る粒を落とし
それを知らずに踏んでしまうと
しばらくの間、 ....
それから僕は、冷たい生き物に触れるために
僅かな夜を過ごす
山間の人々は自分達の歌を愛している
その歌を聞きながら一枚の毛布に包まって
パンを小さく千切って食べる
滲む群青に少しずつ泣きなが ....
身近なものに世界という名前を与える
だから私たちは世界を知っている
世界という名前を与えた私たちは
神である







おのおのが良いと思う形で祈り
 ....
{引用=
鱗はがし


   ぐったりとした坂の両脇

   片付けられたばっかりの ここは小さな店屋さん

   向かいではやけくそなハンマーが突き出た骨を打っていて

    ....
お三時に彼はハンドルを回し
胸の部分の扉をパカリとひらいて
よい風を招くために
陶器のオルゴールを鳴らした
それは凛とした音色なのだけれど
彼はハンドルを回すことに執心していたの ....
それはかすかに透きとおっているので
向こうの景色がいつも滲んでいるのでした

朝霧を 食み食み
押し殺されたような時間を過ごし
まれに降る雨のために山裾で低い警笛を鳴らしたり
青い ....
エゲレスで
イエローファット病が流行ってからは
刺繍入りのコルセットなんて、とか
上等の砂糖菓子なんて、とか
囁かれてしまって
女たちはとても恐れた

個体によって差はあるけれども
た ....
 

刈り入れ時もよくわからないまま
彼女は優しい鎌をかける
遠雷
そのテンの首巻きはいい具合に違いなくて
ここいらは雪が笠のように積もるから
いつだって粗食で
ネジをまかれている
 ....
「 ツァオベラ  あの  真っ白い世界 」





 わたしはその日も一斤のパンと砂糖水を摂った
 目の前で食卓の隅が何枚もめくれているのを見ながら
 なにかを話そうとすると、その度 ....
ダヒテ。



ダヒテの発音は砂のようで
ダヒテの腕はいつもきみどりいろな気がする。
 僕の魂は重みにつぶされたりはしない
 青梅線を走る送電線に巻き込まれたりしない
 そうなったら
 ....
■宮澤賢治

 さて、先日図書館で宮沢賢治を借りてきたのです。ネットで詩をはじめた自分にとってあんまし本てのは食指が動かんかったわけです!!!!(ダメすぎ)面白いくらい詩を読んでないわけなのですが ....
1.

シナ子

今、列車に乗っている
田舎に帰る
トンネルに入るとヒューィって音がこだまするの
それは列車の車輪の音
昔よく吹いていた草笛にも
車掌さんが切符を切る音にも似てる
 ....
るかさんの嘉村奈緒さんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
裾をめくった- 嘉村奈緒自由詩6*10-8-10
打ちつけられて- 嘉村奈緒自由詩1510-8-5
一つは行き、一つは絶えた- 嘉村奈緒自由詩1309-9-18
黎明- 嘉村奈緒自由詩1509-5-30
光のつぶてとパッセ- 嘉村奈緒自由詩1409-4-7
春、摘まれたとして- 嘉村奈緒自由詩809-3-23
グランツ- 嘉村奈緒自由詩708-9-24
夜、視力- 嘉村奈緒自由詩908-8-28
夜夜中- 嘉村奈緒自由詩908-6-27
ポルカドット- 嘉村奈緒自由詩1408-3-13
小詩集_朝と夜- 嘉村奈緒自由詩708-3-4
世界と名前とカミナリ- 嘉村奈緒自由詩12*07-7-2
星を千切る- 嘉村奈緒自由詩15*07-4-23
小丘- 嘉村奈緒自由詩1307-2-7
まぼろしのけもの- 嘉村奈緒自由詩12*06-12-27
イエローファット病- 嘉村奈緒自由詩806-12-12
遠雷- 嘉村奈緒自由詩1306-9-21
ツァオベライ- 嘉村奈緒自由詩11*06-2-16
ダヒテと世界- 嘉村奈緒自由詩2005-2-3
宮澤賢治に寄せて- 嘉村奈緒散文(批評 ...53*05-1-21
シナ子- 嘉村奈緒自由詩37*04-10-8

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