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六月の招待状にマルをつけ刈られて強く匂いたつ緑



噛みついた腕から甘い草いきれ雨も恵みにちがいなかった



二人だけの秘密だよってからまった翌朝 夏草ぐんぐん伸びる



 ....
 
 
遊歩道 風化の隅にももいろの雨が逝く午後 そっと手つなぐ




触れられるそばから羽化をした 二度と同じではない スプリング・イズ・ヒア
目覚めると輪郭だけが残っていた はまって遊んだあとで、笑った


ソファの上に速度の違う一日あり胸とくとく打つ猫と私と


いまはもう見えなくなった補助輪のかろかろ我の胸に鳴り在る

 ....
あんなに荒れ狂っていた
場所
砂が乾いてゆく

反転し
苦しく水を蹴った足の記憶のまま、踏みしめる
砂にはわたしの
しずかな歩みだけが続いてゆく

高鳴り
呑みこむ夜が病いなら
 ....
奪われないので
今日もひとり分を生きた
果てのない風船の暗闇で
惑星の君が手をふっている
伸びる道は無限に存在し
いつでも繋がっていると同時に
いつでも一定の隔たりがあり
謎 ....
 
その首を朱に染めたのはこの腕の両刃だった、気づく抱擁後



祈り、というダガーナイフで斬りつけた罪で私を処刑せよ、君、
 
非常ベルなんども押した 標識のない建物とわかっていても




「もう誰も信用するな」と声がして 拒むまぶたに緑、明滅




ほら、もうすぐ出口だよって歓喜して振り向いたと ....
君の眼は使いの音色 首筋に放たれたままの蛇が目覚める



洞窟をつなぐ吊り橋キラキラと泣いてふたつの{ルビ水底=みなそこ}に消え



銀色の軌跡を描く{ルビ蝸牛=かたつむり} その ....
乱暴に呼び鈴鳴らすその指のリズムに乗ってやってくる夏



目薬のほうも緊張していると今知りました、テーブル越しに



交通事故ゼロの記録が途切れたから明日あたらしい香水を買う
 ....
十年前、通っていた英会話学校のパーティで彼は気さくに声をかけてきた。とあるミャンマー人との出会いであった。三十代半ば、日本人よりもやや健康的に焼けた肌をし、そのぶん白い歯が印象に残るその紳士は、人懐っ ....  
闇のなか駆けゆく闇の静寂にもうひとすじの闇が寄り添う




戦友よ焼けつく火花の森を越え君とたどり着きたい場所がある
   書いては消し、
   書いては、
   消し、


   夜 、
   に書いた手紙は朝にもういちど読みかえしてみよといいます、
   雪は残らずとけてしまった、私は雑 ....
 
 
見えない先から
ひさしぶりに糸を引かれ
私も
糸を引いて応える
紅い汗を流して彫刻のように削りだした核から伸びている、それは
時にたわみながらも千切れずに今も

在る、確かめ ....
{ルビ後=ご}にまわり我の影、という君がいて 君に見えざる影 我にあり


『君がため』 粘土で出来た{ルビ人形=ひとがた}は受け入れがたき奇形児となる





夕焼けに踏みだす我 ....
 
はねた、石は、
水のなかを、水を
大きく、全身でえぐり、ゆれて、水は
痛みで満ちた、が、血は、
流れずに、水のなかを、水の
深いところ、へ、


着席する、石は、
水、ではなか ....
熱海といわれても
有名な温泉地という以外
実はなにも知らないのだった
このお題、絶対残るよなと思いつつ   (※)
毎週書きつぶしていったけれどやはり残りつつあって
途方にくれながら飛行機で ....
るかさんの石畑由紀子さんおすすめリスト(16)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
セクレット- 石畑由紀 ...短歌9*09-5-6
_________- 石畑由紀 ...短歌6*09-4-2
独りごとにすら、できない- 石畑由紀 ...短歌12*09-3-7
- 石畑由紀 ...自由詩12*08-12-8
サン/アローン- 石畑由紀 ...自由詩36*08-10-4
ダガー- 石畑由紀 ...短歌4*08-8-3
EXIT- 石畑由紀 ...短歌7*08-8-2
我は慟哭- 石畑由紀 ...短歌708-7-18
シャイン- 石畑由紀 ...短歌608-7-11
コイン/ゾウさんのこと- 石畑由紀 ...散文(批評 ...8*08-6-29
_______- 石畑由紀 ...短歌508-6-24
ひかり- 石畑由紀 ...自由詩22*08-4-21
オレンジ- 石畑由紀 ...自由詩13*08-4-11
マグマ- 石畑由紀 ...短歌507-12-14
- 石畑由紀 ...自由詩13*07-12-9
熱海- 石畑由紀 ...自由詩16*04-1-23

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