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回る風車を 川面に浮かべよ
風車は川面を渡る 風に吹かれていっそう
それを浮かべた 二人を向いて回る
汚れた手のひらを 水中に差し入れよ
手のひらは川の下の 流れに押されて
....
蔓長い水草の絡まりついた 手を叩き
水をたらふく吸って膨れ上がった 足を踏み鳴らす
「丘の裾野に咲き誇る
キンポウゲの群生から
花房一本嘴にくわえ
夜露の空を飛び渡り
あなたの ....
首を左に小さくかしげ 閉じた瞼の毛細血管に透かして
− あなたはいつも気まぐれに人を愛したり、出て行ってしまったり
− あなたが受けた傷の分だけ、貴方も誰かを傷つけたのよと
− いくら ....
軽蔑の笑いとひそひそ話とが四方を取り囲んでいる
白目を剥き出しにした形相が唾を飛ばしながら迫ってくる
一切は耳を塞がれ受け容れられずに拒絶される
正面背後上下左右に立ち塞がり穴が開く ....
おみなごは 瞼を伏せて
差し出した 手の先の
細く長く しかし
硬く乾いた 指の淵 私を 呼び止めないで
縦に小さく 裂けて たとえ 私の
深い紅 滲む ....
後ろを振り向いたなら
雪が降ってくる 腫れ物を引掻いて
little 雪が吹かれている
....