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何度目かの夏が来て
また僕はさよならをしなきゃならない
こんにちはもしなきゃならない
どこかから来た夏に
どこかへ行ってしまう夏に

僕たちは
誰かの終わりから始まった
ということは続 ....
あぁ、マリー
君は覚えているだろうか
あの丘で、あの木の下で、僕は
白い、{ルビ花冠=はなかんむり}を

あぁ、マリー 君は
少し頬を、赤く染めて
そのリンゴを、僕は
優しく、ついばん ....
しとしとと
{ルビ煙=けぶ}るように春雨が充満して
気付いたら季節は僕らの目の前を
風のように通り過ぎて行ってしまう

消えてしまいたいなぁ
雨に濡れながら彼女はそうやって言う
まるで磨 ....
初めに知ったのは母親の体温だった
温かな羊水に浮かんでいた記憶はないけれど
むすんで、ひらいて、して
あれからいくつの温度が僕を通り過ぎたのだろう

居心地の良い夢を見て
蝶々を追いかけて ....
歪んで、軋んで
そして破れた
音を立てて
後悔は、ないわけではなくて

でも意地
それが邪魔をする
つまりプライド
それは可愛い

温かいカプチーノを淹れたら
心は ほぐれたかな ....
{ルビ彷徨=さまよ}っている
ひたひたと
出会うことがある
唐突に街中で

それは重い…重い
黒い真綿のような雪がそこに
影に見えて、やはりそこにある
ありとあらゆるものに、背を向けて ....
この足が踏みしめているものを
確かめようと視線を落とせば
いつもの国道の歩道
そんな当たり前の、日常という名前だった

小さな石ころ、蹴飛ばしてさ
歩いた幼い帰り道
今も時々思い出しては ....
ひとくくりの名で
呼び習わされた私たちという存在
名前ごと踏み潰されて
それでも再び季節は巡って

そう、思えば芽生えから危機
タイミングよく行事が狙う
競争とは名ばかりで
それでも私 ....
真綿で体中を縛られて
それで私たちは生きている
あえいで あえいで
そう酸素だって 私たちにとって毒になりうるのだ

それが無ければ無いで
私たちは絶えてしまう
世界と私たちの境界は常に ....
星の営みとしてそれは
いつからなされていたのか…
終焉と誕生の
繰り返し、そうそれは繰り返し

灰の中から
もう一度炎が上がるような
終わりながらそれは
終わらない永遠のループ

 ....
{ルビ私=わたくし}は一日の終わりに
あるいは毎食後に
または休日の安らぎに、人待ち時に
いつかどこかで、あなたに出会うだろう

砂糖も入れていいよ
ミルクだってお手の物さ
閉じ込められ ....
或る 陽射しが穏やかな午後
風はゆるやかに 丘を流れる
窓枠に切り取られたその風景の
ずっと彼方を 少年は見ていた

鳥かごの中
「日常」は夢のまた夢
その身には 穢れなき白と
何もの ....
目の前にするとき
まるで舞台上で スポットライトで
照らされているように 私たちは
鍵なんて探して ポケットをまさぐって

見上げれば月が明るくって
まるで孤独で 砂漠のただ中にいるみたい ....
広がりを天に
透明な輝き 陽光を受けて
例えば台所、テーブルの上
飽きもしないで 口をあけて

満たされるのを待つ
透明感をまとって
海の青 空の青も
細長く切り取って、私は立つ

 ....
鮮やかな原色が
夜の暗闇に明るく浮かんで
いざない続ける営みの明るさが
原始の本能を、ふと思い出させて

{ルビ集=つど}っている
人はその下へ
夜に生きる種族は
愛を、切り売りしてで ....
深い谷に橋を架けよう
向こう側へ行く 旅人のため
大きな川に橋を架けよう
渡し守が 今以上傷付かないように

こちら側と向こう側があって
渡るための橋が架かる
どこにも属さないそこは
 ....
人差し指を天に
ナンバーワンは指差して
「1」と書かれた旗の下
笑顔で 列を作っている

みんな なりたくて
ナンバーワンになりたくて
血眼に走って 転んで
膝をすりむいたら オンリー ....
音を立てて 虹は崩れる
思い描いた理想が
心の弱さで 淡く消える
十字架は、貴方には背負えなかった

いつかの嘘は晒され
最後まで 隠せたなら、あるいは?
しかし背負えなかった十字架は
 ....
都市
その足元は黒に染まる
灼けては、また凍える
現代の 大地とでも呼べるだろう

黒くなった三億の悠久
忘れられて
尊くも足下 誰も
誰も、考えはしないで

あんまり痛くて、裸足 ....
お気に入りのスニーカーと
私たちのDNA
それらは、歩くようにできている
足裏から伝わる感触に、踊るようにできている

森の腐葉土、落ち葉
そして草原の土だったそれは
いつかアスファルト ....
その言葉は 曲がり角の向こうで
待ちわびている
貴方が そうやって話す
その 頭か何かの中で

今か 今かと
あの角の向こうから
今 来るかと
その言葉は 焦がれている

腰掛けた ....
息を切らして
汗を流して
漕ぎだす足 右、左
急な坂道、狭い路地裏 朝夕に

駆ける、駆ける
風になって
走る、走る
廃線の 鉄道の{ルビ跡道=あとみち}

青い背中に
いったい ....
水面に 乱反射
オレンジと 銀色と
さらさらと風
きらきらと揺れ
浮かび上がる
水鳥のシルエット

夕景が
夜の闇に溶ける前に
浮かんだ小船の 孤独を思う

風に吹かれた
さざ ....
ゆらり 細く立ち昇る
{ルビ煤=すす}けた灰色の煙突から
青い空へ溶けていく
風向きは 西から東

よく わからないものへ
もう 手の届かないところへ
貴方のカタチが なくなって
粉だ ....
なんだか、さ
時々ね、息苦しさ
感じるんだ
生きにくいのかな

何が悪かったかな
この手じゃ、上手く
人に触れられない
差し出した手が、すれ違って

この手は何のためにあるのか?
 ....
薄い{ルビ翅=はね}
はばたいて
数日の 玉の緒
切れた先に 何が見える

揺らめいて 嗚呼
{ルビ水面=みなも}を舞う だが
{ルビ羽音=はおと}は聞こえない
その かすかな存在のゆ ....
LEOさんの雨宮 之人さんおすすめリスト(26)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏風- 雨宮 之 ...自由詩2*07-7-13
96、クローバー_【くろーばー】- 雨宮 之 ...自由詩6*07-4-17
90、スロウモード_【すろうもーど】- 雨宮 之 ...自由詩1*07-3-11
88、手探り_【てさぐり】- 雨宮 之 ...自由詩4*07-3-9
83、仲直り_【なかなおり】- 雨宮 之 ...自由詩3*07-2-20
82、暗闇_【くらやみ】- 雨宮 之 ...自由詩2*07-2-19
81、足下_【あしもと】- 雨宮 之 ...自由詩4*07-2-16
80、雑草_【ざっそう】- 雨宮 之 ...自由詩6*07-2-12
77、ストレス_【すとれす】- 雨宮 之 ...自由詩3*07-2-6
76、再生_【さいせい】- 雨宮 之 ...自由詩4*07-2-3
70、コーヒー_【こーひー】- 雨宮 之 ...自由詩9*07-1-22
68、天使と悪魔_【てんしとあくま】- 雨宮 之 ...自由詩6*07-1-17
67、扉_【とびら】- 雨宮 之 ...自由詩5*07-1-12
66、グラス_【ぐらす】- 雨宮 之 ...自由詩4*07-1-9
65、ネオン_【ねおん】- 雨宮 之 ...自由詩6*07-1-7
64、橋_【はし】- 雨宮 之 ...自由詩8*06-12-28
63、No.1_【なんばーわん】- 雨宮 之 ...自由詩4*06-12-20
62、嘘_【うそ】- 雨宮 之 ...自由詩7*06-12-10
60、アスファルト_【あすふぁると】- 雨宮 之 ...自由詩8*06-11-26
58、散歩_【さんぽ】- 雨宮 之 ...自由詩5*06-11-18
56、待ち伏せ_【まちぶせ】- 雨宮 之 ...自由詩6*06-11-11
55、自転車_【じてんしゃ】- 雨宮 之 ...自由詩9*06-11-8
52、さざなみ- 雨宮 之 ...自由詩5*06-10-29
50、煙_【けむり】- 雨宮 之 ...自由詩4*06-10-27
47、左利き_【ひだりきき】- 雨宮 之 ...自由詩5*06-10-21
25、蜻蛉_【かげろう】- 雨宮 之 ...自由詩4*06-8-29

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