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ひとりでいるのに
寂しそうに見えない

それは真っ直ぐに
歩いて行くから

派手な看板の下で
待ち合わせたりしない

ただ生きるために
必要なものを探して

好きとか嫌いとか
 ....
ひとり山道を歩いていると大蛞蝓に遭った
私は呼吸も荒い中、足を止め
元気ですか――と、声掛けした
彼は特に気にするでもなく、じっとしていて
じっとしていることが最大の防御ですと言わんばかりに
 ....
ポツポツと降る哀しみに
今夜も心に穴が空く

ホロホロと鳴る哀しみに
胸の奥までビショビショだ

帰って来ないあの方の
綺麗な小指を想い出す

夜道にゴロンと棄てられ ....
君は慣れたかな?
僕はもう慣れた
毎日人が死んでゆく
医療崩壊
救急車は来ない
搬送先もない
その数は明らかで
理解もしている
でもそれは
僕の近くじゃない

君は慣れたかな?
 ....
朝に、

流動する微細に
粘りつく
巨大な
極彩色の
おもちゃ箱

ひっくり返す

アパートの部屋、外に出れば

無意味の大河流れ
時間を引き裂き響かせ

そらはあいかわ ....
揺れる三角
貫入する線

ねりあげくずれ
のびゆくむげん
色のひびきに
うらがえり

懐かし
すきとおる
揺れる三角
陥入する線

私は知らない
未知の意味

増殖する ....
細い角があった
磨かれたひろい螺旋
立つ者の額にも尖る

薄い翼があった
連続する空間への
感情の無理解を愧じる

持ちあがった身が
鳥の群れとなり羽ばたく
指をおった乾いた窓が
 ....
冬の太陽は 孤独だ
冷え澄み渡る蒼天に
ただ一点、燃え盛る

雪 降り積もる北の国から
届いた手紙
毛筆で書かれた文字は黒々、
その実在感に
しばし目を見張り 私は
ゆっくり立ち上が ....
 空がおわる

 その日きみと鳥になり
 おわった空をわたる

 海がおわる

 その日きみと貝になり
 おわった海をすう

 嘘がないことば
 或いは
 研ぎすまされた嘘か
 ....
流れる 大白雲
ゆっくりのっそり
奇異なこと
動きそのもの
意志を観る

消えてしまう
流れ白雲、忽然と
ひっそりひろがる
青空に 地球廻る
音すら 聴こえ

空、あかね
日 ....
いのると
いきるは
似ている

とどくとか
とどかないとか
そういうことで
なく

しあわせでも
ふしあわせでも
ないものが

心にあたる
ことがある
凍った湖面が反射する太陽のような兆し、隙間だらけの部屋の中で俺は、雪崩のように落ちていく古い数々の感情を見ていた、時間の仕切りというものが皆無で、そこは過去でもあり、現在でも未来でもあった、真理と .... この夜、この時

鮮明、際立ち
あるもの
ひびくもの
それぞれ
そこここに
在る

名指される以前、

それぞれの位置に
落ち着き静まり
それぞれの
在るという
意味なき ....
たましいの
まえをよこぎる
くろいかげ
こしょうした
にくたい
はやくも
とこにつき
こおり
ぎりぎり
かみくだく

ひとのたましい
いろんないろいろ
それぞれのときを
い ....
あぁ勝手に
うごめく思考の内
痛む眼 硬直する脳髄

ひたすら氷噛み砕き

溢れ出す
言葉、表し

耐える
今宵この時、

熱 呼び戻せ
熱という実体

固体液体気体の
 ....
叫びながら舞う女
光の庭に
ひとり居て
ことば
渦巻き喘ぎながら

喉を震わせ吐き出される声に
意味はたじろぎ光に呑まれ
舞い狂う女の
光の庭
時 失う

感覚の光
思い出の ....
暗闇のなか
戸棚上の天井傍、
わずかに開いた扉から
のぞく闇の奥、
蠢いて蠢いて蠢いて

なんだろう?

暴力的な亀裂、入っていく
白壁は躍り呻き毒を吐き出し
どよめくような粘着質 ....
90代の独り暮らしの伯母さんの
ワクチン接種のために
県庁所在都市に住む息子夫婦が帰ってきて
伯母さんを車で医者に乗せていったら
コロナ感染が判明した
同時に息子夫婦は濃厚接触者になった
 ....
ひーこら、ひーこら
引いていく
この痛む肉、硬直する肉
千の耳鳴り
あえぎながら嘆息の声漏らしながら

  *

「この病気、眼瞼けいれんですか?神経障害性疼痛ですか?それとも薬の副作 ....
こころの奥底、
眠るふるさとは
誰もがやって来た処
記憶という不思議なもの、
どんどん遡ってふっと浮かぶ
ぼぅとひろがる子宮の向こう
言葉の以前、言葉の以降

緑の草原に赤い花、ぽっと ....
誰もいない
海なら
押し寄せる波で
君を抱きたい

激しくて
離れられない
そんな運命を
信じながら

忍者のように
足音を消して

昼の真ん中で
鏡を見よう

寒そう ....
何も始まったりしない
何も終わったりしない
俺たちがその時々で
都合のいいものを拾っているだけなのさ

凍てついた街路
野良猫の悲しみが
センターラインの上で真っ二つに裂ける深夜
 ....
終電間際の乗り物が、並走する瞬間を待っている
これからの私は人質なのだと ぼんやりと思ったそれです
ナナイロの心身と募る、雪が、いつまでたっても滲み
正解を崩す楽園を片隅に あとすこしばかりの背 ....
思考せよ、と
言えば
空は思考する

空は私の鏡だ
私は空の鏡だ

心は平穏、
肉は硬直、

今宵、空は濃く青く
木星、揺れかがやき

わたしの思考を紡ぐ なにものか

 ....
転んで妖精になったので七日間の愛のない逃
飛行へとしけこんだ。電話口の看護師さんの
声には多少なりとも愛があったし上司からの
メッセージにだって愛はあったと思う。でも
どれも  一人で逃げてよ ....
かっぱかっぱらった
ふたりかっぱらった
ふたりであいあった
ふたりろまんちっく

夜空、
見上げ
河童
ふたり、
止まった時に
言葉散らし
響き合い
通じ合い
交わり合い
 ....
好かれたいなら
好きになりなさい
愛されたいなら
愛しなさい

そんな理屈
わかっているわ
返す言葉もない!
ない!

最初から
譲れる男と
付きあっている
わけじゃない ....
あわく 枯れた 冬にあって
膨らみはじめる 谷間よ
人をあらう 瞳
透りすぎて 朱い

馬を抱える
少年たちが はだかの背中
食め、春を跳ね
耳と耳とが 内緒する

冬は 響きあえ ....
降り積もる雪が
脂肪のように
纏わりついて
うまく歩けない

傷だらけの体は
その痛みを
忘れたいのに
思い出してしまう

幸せだった日の事も
闇の中に消えて
帰れなくなる
 ....
「だれか、」――前置きして。

残したスタート地点だったのかもしれないけれど。と、
オモチャのピストルは万国旗と情死し、ワームホールを創りました

幕引きにつまづいたその栞の住処は
恋文で ....
おぼろんさんの自由詩おすすめリスト(3258)
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