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あの女が高速脇の電波塔のそばで折れるほどに自らの首を切り裂いたのは、フェデリコ・フェリーニが運命の脚本を閉じた日だった、抗鬱剤を浴びるほど飲んだ上での行為だったと聞いた、くだらない真似をしたものだ ....
父は沈黙を支配し
静謐は直観に従う
深夜に一日は生動し
わたしの思考は
宇宙へひろがる
この戦慄を貫く混沌、
この旋律を貫く企図、
躍る世界は荒野の声を響かせ
雪に ....
これは 糸ね
舌で あまくて
しっとり綯われて
ひらく 香り
お日さまに運ばれ
音符とたわむれ
すこしだけ
空で散るわ あとすこし
たぶんそのまま
空のまま 枯れるから
....
たまに孤独を感じることはあるが、しかし、そんなときには砂漠の写真を眺める。空が闇に侵された下で、砂漠は、月明かりに銀色に興奮している。僕は、そうすれば、孤独から逃げられる気がする。理由は分からない。も ....
この疼痛
なんぼのもんじゃい
と、
髪
掻き乱す
肩までも
降りてきた
この痛み
布団、はねのけ
肉は震える
ハッキリと
苦なら苦と
言い、
切る
勇気
明日 ....
おい
いったい
いつまで居座っているんだ
と
怒った冬の兄貴が
10月になっても
しつこく居座りつづけた
夏の姉貴を
冷たい木枯らしで
追い出した
ここ数年
....
眠たげな空、
わたしは滑り落ちて
ひかりの大洋へ
雨降り
ひたすら泳ぐ
ひかりの大洋へ
大空、裂ける
青空、割れる
遥か臨む、
谺のウチュウ
熱い魂と熱い魂のぶつかり合い
....
自転車置き場に届く光が
まだ短くて生まれたばかりで
真っ直ぐに
息をしている
僕も光も
躊躇いながら
前へと進み
その眩しさで
顔を塗られたら
心が解れて
ひとりでも笑 ....
近藤さんちの広い庭の半分は
辺り一面緑の草原だった
君には僕がみえないの?
綺麗な君、
僕には君が見える、
僕には君が視える、
近藤さんちは鍛冶屋だった
溶けて黒ずんだ坪 ....
風船
見上げる
あれは月か風船か
オリーブ色に染まった空に
浮かんている丸いあれは何か
風船ならば風に乗って
旅をしている最中だろう
月ならばこの星を見下ろし
憂いている最中だ ....
へんてこりんへんてこりん
きづけばそとはザンザンあめふり
なんて望みのない夜だろう
)夜底では
)悪魔がほくそ笑み踊っている
)真っ赤なリンゴを食べろよと
)悪魔がたましいに取り憑いて ....
白い部屋で
死にたい
何となく
綺麗に見えるから
誰も会いに来ない
最果ては
孤独になっても
溢れる言葉の点滴で
まだ生きたいと
願っていた
ジップロックの中で
....
とおりすぎていった
幸せを想いかえして
その美しいときに嘘はなかったと
ときがただしずかに
過ぎていっただけなんだと
抛り棄てられた
虹の夢の残骸が転がる
廃墟をさ ....
くちびるが薄い人は
冷たい心の持ち主だと
かつて好きだった人に云われたことがある
むろん私のくちびるは
薄い
でもそのくちびるから漏れる声は
好きだと云ってくれた
光り輝 ....
あらゆる全部に値札がついて
かんたんに花をつむこともできない
ぴかぴかの看板を背負ってあるき
いちにち集めた小銭とひきかえに
やさしい、こまかい花を持ちかえる
世界はわたしを許したこ ....
起床時間を間違える
トーストも焦がしてしまった
通勤路を間違える
いつも通っている道なのに
タイムカードを押し間違え
朝礼中にコーヒーをこぼす
当然のことながら
仕事でも間違いばかり
....
世界が暗くなっている
車が通る、人が過ぎる
どんより曇った空模様、
細かい雨が降り始め
道にてアパートの隣人と出会います
彼女は親しげな笑顔浮かべ
手と手を宙で打ち合わせ
互いに挨拶 ....
なにを泣けばいいのだろう
この空虚(うつろ)な悲しみには
なんの意味もないと
知らされて
白い麦わら帽子をかぶり
あの
マチュピチュとは似ても似つかない
....
俺たちが激しくアクセルを踏みすぎる頃
季節はまた新たにはじまった
ブレーキからすばやく
パーキングにいれてキーを抜き取り
わたしたちは
どうしようすきとかたぶん無理とかについて
普段の日常 ....
僕が吐く息は
寒くて白い
大抵が
空を見上げて
消えてしまう
時々、色を貰って
シャボンのように
君を透かしている
また会えたら良いね
夢みたいな現実で
林檎は赤くて
....
いきなり
雨にたたられ
いきなり
太陽に眼差され
いつものこと
痛む脳髄を携え
痛む目を抱え
花が庭に開くその瞬間を
間違いなく捉える
*
私たち人間は大自然か ....
顔の無い自分の顔の部分について考えている
なぜか?
非常識だからだ
洋服を着た
からだだけが
ぺたんこになって地上に映し出されていた
これからもわたしたちは
なんとかマップにマッピングさ ....
ナマコのお化けが
くらやみからやって来るとき
人はただ、その場に立ち尽くすのみ
ばくはつするたいようにとけて
ばくはつするたいようにひざまづき
暗黒の窪みに安らいで
すべてを放擲し ....
夕闇、迫るなか
戯れる
子供たちは
歓声の余韻に
時を味方につけ
突き抜けてゆく
大人たちの影を
遥か超え
開かれていくこの世界へ
その輝きに震える心で
* ....
もう目覚めた気がするから、余計なものは捨てちまって構わないんじゃないか?集積場に投げ込んで、火がついて燃えていくさまを燃え尽きるまで眺めて、あとはなにもなかったみたいに生きることだってアリじゃない ....
貴方に参ったと言わせたいが
荒れ地に種も蒔きたい
二重の線で消したいが
全部薬だと知った
名前を与えてしまったら
その瞬間から傷口が広がる
紙の埃を吸い込んで
苦しいから文字は踊る
....
夏休み、小学生の兄と僕、二人きり
瀬戸号は待っていた
東京駅、夜八時
宇野へ向かい出発する
夜闇をひた走る寝台列車
車窓の外に規則的に現れる
闇に明滅する踏切の赤い光
限りなく底 ....
焼け焦げた女性器から
こぼれる白とか赤を
胸いっぱいに吸い込み、
私の人を愛する心とか
浅はかな打算とか、
全部見透かされた気がして
とても嬉しかった。
打ち続ける斧の
肉 ....
蒲団のうえ 擲たれた
かたちのパジャマ
空腹が現在形のように
堰きとめられてある
くらやみの土管
出口を探して
歩いてた
抱えた問題を
何かにぶつけて
小さくしようとした
それなのに空は
痛みも見せないで
全てを受け止めた
さっきよりも
赤くなって
僕は晴れたけ ....
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