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訳もなく
わきあがりうきたつ
午前のこの時間、この一時

わたしはひたすら
しずかなよろこびに貫かれ
無言でひろがる青空をみる

いつか、
この空の青みに
雷鳴が轟き
亀裂が走る ....
土手の
草木が揺れている
熱い風が吹き
彼岸花はまだ咲かない

夏の後ろ背を追いやったはずの
秋が
今日一日、夏の再来に追いやられ
せめぎあい渦を巻く
木霊が
生来の不安と恐怖と孤 ....
埃臭い上着を着込んでは
空の力におちていく
少しずつ
少しずつここへ
どうしてもぼくは

火が両拳をつつみこむ

確かなものだけが
確かに応えようとする


くるくるま ....
躍動するこの魂は
年若くして老いた魂を後にし
悦楽に浸った青い春を
遥か飛び越え
美しさと残酷のセカイの深みへと
闇に包まれ入っていく

とおい、とおい
遠いよ
澄んで湧き出る泉の底 ....
○「家庭菜園」
種をまくと
芽が出る
そして
ぐんぐんのびてくる
誠に不思議だ!

○「秋」
日陰の涼風と日向の強い日差し
朝夕の冷え込みと日中の残暑
秋は
極端から極端へ変化す ....
美しい巻物をゆっくり
開くように
声の響きに
耳を澄ます

この肉身を揺らしながら
この肉身を溶かしながら

  *

ジョンレノンのロックンロール

ジョンの声が、魂が、直観 ....
奇形の、巨大な水晶の中で、自分同士の殺戮劇を見てる夜、それぞれの雄叫びと断末魔は奇妙なほどに歪んでいて、けれど要因がどこにあるのかということは理解していた、だから地縛霊のように部屋の隅に沈殿してい .... ぽつりぽつりと
雨のふる
道の両側には
花が咲き
鮮やかなその色彩が
浮き立つように躍っいる
自転車で街道を過ぎる
女子高生の
肩口の黒髪が艶やかに揺れ

涼やかな空気に包まれて
 ....
エリザベス女王の葬送を報道するニュースで
ス────ッと流星がひとつ流れたのをみた
それまでなんの想い入れもなかったけれど
きっとあの方は正しい嘘も
いっぱいついてこられた ....
茜色の煉瓦の校舎のドアが開く

貴女がその向こうにいるのが分かる

貴女もドアを透かして認知してる

「ああ、いるね」「久しぶり」

何も謂わなくとも全てを理解している


世界 ....
キラキラおもちゃの順番が空いて
変わった模様のペットたち
中にはウィンク不可のもあって
作りかけの名もない道に
横断歩道と外国風のシンガー
今日は伴奏無しで歌うね、と
メロロンロン
 ....
君は座っている
石畳の上、足を投げ出して
急な階段、手摺りに凭れるようにして
座っている
座って、僕を見ている
真っ直ぐに
作りかけの猛獣のような目で
悟り切った爬虫類のような息をし ....
雨 雨 孕む雨
雨 雨 流す雨
水がしばらく水でなくなり
再び水に戻る時
雨粒の間を 越えてくる声


真夜中の光が隔てる心を
多くの花が見つめている
誰 ....
岩の集落に刺さる虹
色を失い降りる鳥
横倒しの如雨露から流れる曇
ゆうるりとゆうるりと線路を覆う


家の何処かで
茎が動いている
片方だけ 葉が幾重にも重なり ....
咲かない花もあるんだそれは知っていた


目のまえに君がいる夢、跳び起きるあつい夏の夜


向日葵が「寂しい」と首を垂れる、茜に染まり


名前を ....
手を握って
抱きしめて
温めて、温めて

でも、
それだけじゃ足りないんだ

  *

岩肌が凍り付いて銀に光輝く
あの雪峰の頂を目指そうよ
うねる青い海原に
我を忘れてジャン ....
馬鹿な真似はやめよう
きみの真似してのびてよう
いつ見ても酔ってる
どこで見ても酒飲んでる

あんな酒のんで
あんた長生きしねーよ
ニヤニヤ笑いながら聞いてる
喉の奥で凍りついてい ....
俳優というものは

化粧はするし
豪華な衣装も身に着けて

いつも演技という
仮面をかぶっている

観客はもちろん
俳優自身でさえ
それに気づかない事がある

そんな
仮面を ....
星の異なる空の下で

君の義理は通じぬだろう

潔癖さに救われる人もいる

けれど君はどうだろう


その夜の街は薄幸を灯して

優しい諦めが人を包んだ

誰も悪くないなんて ....
深紅の、極細の線が無数に、ありとあらゆる方向に投げ出された髪の毛のように散らばりながら作り上げた景色だった、びっしりと重ねられたその隙間を縫うように、白く、心許ない、かろうじて人のかたちであるかも .... 昨日を呼び 今日を帰すもの
砂上に残そうとした つま先が
後進する遠ざかりに沈む
星に飲まれる度に 新鮮な貝になる

奪われるものと 逃れるもの
空を螺旋に墜ちるもの
狙われていることに ....
もしももしも
月面に立てるなら
青く美しい地球が
みえるのでしょう

もしももしも
風になれるなら
遠くの無人島まで流れ着きます
そこで人目を気にせず
バカみたい ....
眩しい光が
僕の頬に
線を引いて
傷だらけの朝

痛くもないのに
責めたくなるのは
まだ少しだけ
眠いからだ

今起きたら
きっと醜い顔で
光の中に
隠れてしまう

化粧 ....
(流れ落ちたのは、七つの流星)

その唇に、触れて知る温かいぬめりまた甘い香り

抱きしめたかった流星の、冷たい悲しみたちすべて

すこし、甘めに味つけしている想い出補 ....
地面に落ちた配電盤は鈍器で何度も殴られたかのように、陥没の挙句にあちこちが断ち切られていた、俺はそれを見下ろしていた、もう何時間も…夏だったが湖に近いその場所は薄ら寒く、薄っすらと霧に包まれていた .... あれからもう泣かないと
決めたのが冬の夜の風が強く吹く公園で
決めたのにもう一度だけ泣きそうで
君のことなんか知らないままで
生きていきたかったと云ったりして

初めての悲し ....
暑いのか寒いのか
分からない
さっきから
エアコンをつけたり消したり
肉体が勝手に冷えたり火照ったり
荒い呼吸と激しい耳鳴りと
床から起き上がれば
肉体は痺れ振動する

夜を迎えてい ....
ミューズとミミズが離れた後に
歌はまだ残されているだろうか

似て非なるものだったのだ
というより
非なるも似たものだったのだ

それゆえに光があった

高い塔に登り
場合によって ....
愛は
返すというエネルギーの道筋が認められて初めて
愛となる
それがなければただの営みだ

見返りのないものが愛ではない
見返りの消滅したものが愛なのだ

道筋は葬り去られた
轍とな ....
胸が痛んで眠れずに
窓を開けて星をみる
横で寝ているこの人の
明るい寝言に救われた

月が朧に虹を架け
見知った罪が夜駆ける
黙っていたけどあの罪は
きっと死ぬまで夜を往く ....
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