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雪平鍋に鍛金職人の金づちの跡、沢山。
雪平鍋という雪原に彼らの足跡、沢山。
忘れるという草を踏みながら
掻き分けていく貧しかった頃へ
新聞配達のアルバイトで
何日目か分からないセーターを
夜空の色と比べて笑った
同じ青だからまだ大丈夫
空に抱いた憧れや ....
もし
地球が半分腐っていたとしても
残り半分まともなら
それはそれなりに
バランスは保たれて
朝はやってくるし
日は暮れるだろう
何の根拠もなしに
そう思ってしまう私は
心が千 ....
煌めく石ころを右のポッケに
大切にしまいこんで
輝くお星さまの残像を左のポッケに
もっと大切にしまいこんで
両の手は空けたまま
どこまでも追いかけていく
それは未知 ....
――雀をね 嫌ったカナリヤがいました
何故ってね 君に値段は無いだろう
僕には 値段があるからね
僕には お金を払ってくれるし
僕には 暖かな部屋もあるし
――雀 ....
秋の山中に巨大なプレーンオムレツあらわる。
黄金のイチョウの木々、楓はケチャップソースなり。
リボンを結べる
相手がいなくて
透き通るだけの
水は混ざらない
遠くに見えてる
夜景の真ん中は
光をくれたのに
返すものがなく
ホットミルクの
柔らかい湯気で
あなたを丸ご ....
鹿
という字に
お湯をかけるとあらわれる鹿に
みつめられながらカップヌードルをすすっている
いつまでこうしていられるだろう
これからの時代は
もっとたくさん間違ってしまうことも
ある ....
僕は、君が喜ぶような冗談をずっと考えている。
冗談を君と言いあう時間が、冗談みたいに楽しいから。
笑いながら楽しそうに話をする君が冗談みたいに大好きで、
その気持ちは、冗談にしたくないなと思う。
こころの本当を覗いている
そこに何が存在しているのか
ただ飽和している
そんな感覚
それも定かではない
大切なものは命であり
これからどこまで生きるのか
わからない
何故だ ....
重ね重ねも雨に濡れ
あらゆる色彩、
交わり合い
響く響く樹幹に響く
)回転し続ける万華鏡
未定形な熱の力の流出から
記憶の底を割り空無に至り
鏡となって貴女を映し出す
透明 ....
朝の頭痛が
深海を泳ぐ
今日生まれてきたこと
精一杯謳歌したいのに
重い荷物ばかり背負って
へこたれている
涙の代りの汗が光っても
ちっとも綺麗に見えなかった
私はいつからこの ....
思いでの切れはし集めて並べたよ
ボロボロになった古い写真みたいに
今朝は青い空に白い雲が散らばっていて
実に清々しい気分なんだ
仕事中なんだけどさ
爽やかすぎて
仕事に身が入らない ....
もこもこセーター
包まれて
見上げた空は
透明と青
伸ばした手のひらの中
走り回る赤色は
わたしのあかし
断崖絶壁に追いつめられて
片方の足を踏み外した
寝床の中で右側の足を蹴ってしまった
それで夢だったと気が付いた
それはきっと誰でも見るに違いない
断崖絶壁から落ちる夢
フロイト ....
アルペジオの
階段を探して
一本のギターが
僕を立たせる
ざわめくノイズが
傷口を開けて
剥き出しの肌に
残響を乗せた
空気が割れて
破片を集める
この世界で
光を放 ....
お陽さまに手をかざしてみたい
生きているってわかるから
お月さまに挨拶したい
今日は充実していましたって
瞬く星々 ひとつひとつに
流れてもらって 願い事したい
明 ....
舞い降りてきた粉雪が
トーキョーには珍しくて
傘を持たない人々は
慌ててカフェに避難する
舞い降りてきた静けさが
トーキョーには珍しくて
ポケットの無い ....
或る奈良の公園で
わたし見てしまったんです
箱の中から出られない
まだ小さな小さな
小さな子猫4匹
ドロドロに ドロドロに
溶けていました
瞳の痕跡
顔 ....
大切にしていた、
とてもお気に入りだった、
食器が割れました
パリンと音を立てて
それっきり何の役にも
立たなくなりました
そればかりか
その破片たちは、
わたしの手に傷をつけ ....
大河ドラマ「花神」の中で
『人の一生には命の長短に関わらず
必ず人生の春夏秋冬がある』
と吉田松陰に言わせる場面があった
確かに松陰や高杉晋作は
三十歳を前に亡くなっているが
激動の人 ....
遅い初雪が降った朝
地面は乾き
空は薄雲に覆われて
空気は張り詰めている
刈り残された秋明菊の平たい葉が
上を向いて受け止めている
クリスマスローズの広い葉も
とける事を忘れた雪 ....
朝目覚めて何もせず
ベッドからソファへと身を移す
時計は6時を指している
街はまだ微睡の中
幹線道路から離れた住宅地のせいか
車の音も人の声も聴こえてはこない
漸く鳥たちが目を覚まし囀 ....
海は大きな口を開けてるけど
吐き出せずにいる心を見せて
行ったり来たりする波のように
永遠の中をこだまするもの
近づいて見えすぎる現実や
遠去かり見えにくくなる未来を
真ん中で教える距 ....
お陽さまの彼方に また
お陽さま
何処かの星のお陽さま
そのまた彼方に
お陽さま
照らしている 何処かの
水の星を
土の星を
岩の星を
ガスの ....
雲の切れ間から
青が光って覗いている
俺はくたびれ脱力して
道端に腰掛けている
)わけの分からない宣伝カーが
)ゆっくりと通り過ぎて行く
ひんやりとうねる空気
傾きかけた太陽
....
夜 窓に至る暗がりに
幾つかの鉄柱が立っていて
ここからは月の檻です
と言う
長い長い髪の毛が四本
自分が髪の毛だと知らぬまま
夜に絡み
そよいでいた
....
書き損じた天気図の余白に
僕らは昨夜見た偽物の夢を書き続ける
筆圧があまりに強いものだから
明日見る予定の夢まで記してしまう
つけ放したラジオから聞こえる
ネジが酸化していく音
そ ....
この凛とした 、夜の大気に
夕暮れ斜光の余韻 未だ響き
寂寥空洞のその彼方 、遠い畏怖が蘇る
君の豊かな白い乳房に
西陽のなか幾筋も浮いていた、
蒼い血管の生々しさを
ちいさい秋みぃつけた、と
歌う、子らがいなくなって
久しい庭で百歳近い老木が
風にひどく咳をする
また長く延びる影を
煩わしく思った人が
老木を切り倒して
春には明るい庭で
....
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