すべてのおすすめ
小雨つづく六月、小さな
悲しみが路傍に立っている
嘘をつかれて、嘘を信じたのは
あなたの涙があまりに寂しげで
それが一番うそっぽいから
しずかに自死しようと歌った
私は私の ....
あじさい柄の、
日傘が咲いています。
梅雨の間の、
晴れの日の、
左目が痛みます。
ピアスを開けた時に
世界が見えると思った
痛くて痒くて重たいのに
僅かな可能性が揺れていた
誰かの真似をして来ただけで
変われるような気がしたから
歴史や運命を投げた穴に
光を通して明る ....
あくび一つしてみては
生の実感とやらを
噛み締める
この明るい昼日中、
ひっきりなしに白雲流れ
外気は熱波、うねりにうねり
私は不安と恐怖を抱え
青い空を眺めている
歪んだ視界に映 ....
誰かと誰かが出会う場所
誰かと誰かが別れる場所
騒めきが空気に混ざると
手を振る仕草が綺麗に見える
旅立つ人も見送る人も
特別な気持ちを切符に挟んで
鞄にしまいたくはないから
同じ地図の ....
婉曲な月が浮かんでいる
高橋留美子とつげよしはるが好きで
藤原新也と東京漂流する夢をみる
彼女の方程式は誰も試さないほうがよい
ゆれうごく等記号の
ちっちゃな解決なんてほっとけばよいのだ ....
斜光射し込む裏庭で
子供が一人うずくまり
紫に色づく紫陽花を
両手で触れながら
眺めている
うねる夏の夕暮れ
深まる闇
子供はやがて居なくなり
闇に包まれた裏庭に
紫陽花だけ ....
緑に鼓動をぶつけて
甘い炭酸でドキドキを割る
夏休みがロマンを抱くと
少し言葉が追い付けなくて
心だけが先に走っていく
僕は緑に倒されながら
短い文庫本の真似をする
次の季節が来るま ....
無音の現に
頭突っ込む
頭呑まれて
言葉を捨てる
要らないんだ
要らないんだ
伝達言語、要りません
白壁囲う白い部屋に
伝達言語、要りません
*
壁を叩く
沈黙の壁叩く ....
最近は毎日が
元気出したり
落ち込んだり
嬉々としたり
鬱々としたり
したりしたりの
繰り返しだ
それでも今日は
緑照り映え、陽光に
貴女の顔は、明るんで
悪くない、悪くな ....
覆い被さるように
緑は濃く
樹間から
漏れる光は白々と
揺れる木葉と踊っている
久々に開設されたイートインで
私はアイスコーヒーを啜っていた
季節は新緑を通りすぎ
梅雨入り間近な曇 ....
男娼としてメキシコで生きる嘗ての学友に、昨夜、ふと逢いたくなった。
若き夏にピアッサーで開け合った左耳の孔が、昨夜、微かに痛んだせいか。
その堤防は黄昏に
染まる海の静かな波の音に
つつまれていた
おだやかな心象風景のなか
ふたりだけが
迷っていた
それは
爽やかな夏の音楽が
昼間は鳴り響いていたから?
....
無音の夜
また到来し
月はない
月明かりだけある
白々と
辺り、白々と
浮き上がり
寸断された記憶の
恐怖、また襲い来る
私は私の実感を保てず
意識の外郭だけが生き残り
やが ....
降り続ける雨は永遠の化身
わたしたちは閉じ込められている
どこかで花の匂いがするけれど
確かめに行くことはできない
濁った窓の外から聞こえてくる
心を削り取る無数のノイズたち
に耳を傾 ....
雨が降る
漆黒のタール、銀に輝かせ
雨が降る
懐かしい匂い、散布しながら
雨が降る
遠い記憶の感触、浮き上がらせ
今宵すべてすべて静まり返り
わたしは独り寝の床を整える
未知の予感 ....
わたしの潮位はあたたかいですか
あの肌のぬくもりよりも
潮汐ふたつ
重ねたりして
潮騒も遠く
弔意をしるべ
さすれば息が上がっても
さすれば息が絶えても
....
いつでも蛇口を捻れば水は出るのに、スーパーマーケットにミネラルウォーターを買いにいく人たち。ちまたにあふれている。
私は含まれない。
非常事態になるほど売れるのはなぜだ?
いつでもLIN ....
小雨は
薄日を乗せて
銀の色
濡れて
照り映える
ふくらはぎ
白く優しく季節に溶け
小雨は
薄日を乗せて
銀の色
遠く
夏の予感を
膨らませ
....
天変でも地異でもなかった
なのに
突然変異の如くあらわれて
人間の社会を襲ってきた
闇雲に
人身に侵入して
その組織を壊すから
人心を恐怖と不安に陥れた
テレビをつけたら
感 ....
ええ、いいわ。
ええ、もう、わたし、死にましょうか?
なぜ、悲しいうたばかり
流れるこの街で
くっだらない日常に
悩まされなければならない?
いつかみた、あの子の詩は
....
半日授業を終えた土曜日の少年ら、帰路の細道にて行方知れず。
彼らが次に姿をあらわす頃、彼らは首筋からムスクの香を漂わせ。
サイダーあめより、
冷やっこいサイダーがほしいのです。
ふきだす汗のように、
瓶肌から冷たい清涼感が染み出す。
つつじの香りもたのしいです。
紅の波打つ
ツツジの原に
揚羽舞い舞い
光の海
広がり流れて
透き通り
両手を大きく
広げてみれば
遠く花野が
開けていく
*
鈍色空は私の心
鈍色 ....
水曜日の水面に笹舟が浮かんでいるのを見ました。
それは来週の水曜日に僕が折った笹舟なのでした。
あそこで泣いているのはちいさな風の音
あそこで笑っているのもちいさな風の音
草の根分けて風の根わけてくる 風の音
風の子らが草の根わけていく
茂みや屋根を踏み鳴らしていく
坊やの手に ....
君は長らく歩いて来た
独りぼっちでこの長い旅路を
天辺に着いては転げ落ち
また振り出しから天辺目指し
繰り返し繰り返し歩いて来た
今終焉を迎えるに当たって
君はまだ旅の途中
もう放棄 ....
いくら人が絶望しようが
系統進化の囲いの呪縛から人は
逃れ去るこはできない
他のオブジェクトに侵入し
自己増殖する魅惑
おお
これこそ始原の嗤いなのである
....
今宵、
白い部屋に
在るもの在るもの
自らの輪郭を鮮明にして
回流する澄み切った夜の空気に
すっかり馴染んで留まっている
横たわっている私もまた寛ぎ
在るものたちと繋がり合う、
揺るぎ ....
雛鳥の
巣を抱くような
恋をして
心臓を
貪るように
交わって
雪の降る
街で
そっとお別れを
そんな
お伽噺のような
時を過ごし
漆黒と
戯れる今は
孤独 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126