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  風船

見上げる
あれは月か風船か
オリーブ色に染まった空に
浮かんている丸いあれは何か
風船ならば風に乗って
旅をしている最中だろう
月ならばこの星を見下ろし
憂いている最中だ ....
へんてこりんへんてこりん
きづけばそとはザンザンあめふり
なんて望みのない夜だろう

)夜底では
)悪魔がほくそ笑み踊っている
)真っ赤なリンゴを食べろよと
)悪魔がたましいに取り憑いて ....
白い部屋で
死にたい

何となく
綺麗に見えるから

誰も会いに来ない
最果ては

孤独になっても
溢れる言葉の点滴で
まだ生きたいと
願っていた

ジップロックの中で
 ....
とおりすぎていった
幸せを想いかえして
その美しいときに嘘はなかったと

ときがただしずかに
過ぎていっただけなんだと


抛り棄てられた
虹の夢の残骸が転がる
廃墟をさ ....
くちびるが薄い人は
冷たい心の持ち主だと
かつて好きだった人に云われたことがある

むろん私のくちびるは
薄い

でもそのくちびるから漏れる声は
好きだと云ってくれた
光り輝 ....
あらゆる全部に値札がついて
かんたんに花をつむこともできない
ぴかぴかの看板を背負ってあるき
いちにち集めた小銭とひきかえに
やさしい、こまかい花を持ちかえる
世界はわたしを許したこ ....
起床時間を間違える
トーストも焦がしてしまった
通勤路を間違える
いつも通っている道なのに
タイムカードを押し間違え
朝礼中にコーヒーをこぼす
当然のことながら
仕事でも間違いばかり
 ....
世界が暗くなっている
車が通る、人が過ぎる
どんより曇った空模様、
細かい雨が降り始め

道にてアパートの隣人と出会います
彼女は親しげな笑顔浮かべ
手と手を宙で打ち合わせ
互いに挨拶 ....
なにを泣けばいいのだろう

この空虚(うつろ)な悲しみには
なんの意味もないと
知らされて

白い麦わら帽子をかぶり
あの
マチュピチュとは似ても似つかない
 ....
俺たちが激しくアクセルを踏みすぎる頃
季節はまた新たにはじまった
ブレーキからすばやく
パーキングにいれてキーを抜き取り
わたしたちは
どうしようすきとかたぶん無理とかについて
普段の日常 ....
僕が吐く息は
寒くて白い

大抵が
空を見上げて
消えてしまう

時々、色を貰って
シャボンのように
君を透かしている

また会えたら良いね
夢みたいな現実で
林檎は赤くて
 ....
いきなり
雨にたたられ
いきなり
太陽に眼差され

いつものこと

痛む脳髄を携え
痛む目を抱え
花が庭に開くその瞬間を
間違いなく捉える

  *

私たち人間は大自然か ....
顔の無い自分の顔の部分について考えている
なぜか?
非常識だからだ
洋服を着た
からだだけが
ぺたんこになって地上に映し出されていた
これからもわたしたちは
なんとかマップにマッピングさ ....
ナマコのお化けが
くらやみからやって来るとき
人はただ、その場に立ち尽くすのみ

ばくはつするたいようにとけて
ばくはつするたいようにひざまづき

暗黒の窪みに安らいで
すべてを放擲し ....
夕闇、迫るなか
戯れる

子供たちは
歓声の余韻に

時を味方につけ
突き抜けてゆく

大人たちの影を
遥か超え

開かれていくこの世界へ
その輝きに震える心で

  * ....
もう目覚めた気がするから、余計なものは捨てちまって構わないんじゃないか?集積場に投げ込んで、火がついて燃えていくさまを燃え尽きるまで眺めて、あとはなにもなかったみたいに生きることだってアリじゃない .... 貴方に参ったと言わせたいが
荒れ地に種も蒔きたい
二重の線で消したいが
全部薬だと知った

名前を与えてしまったら
その瞬間から傷口が広がる
紙の埃を吸い込んで
苦しいから文字は踊る
 ....
夏休み、小学生の兄と僕、二人きり

瀬戸号は待っていた
東京駅、夜八時
宇野へ向かい出発する
夜闇をひた走る寝台列車

車窓の外に規則的に現れる
闇に明滅する踏切の赤い光
限りなく底 ....
焼け焦げた女性器から
こぼれる白とか赤を
胸いっぱいに吸い込み、
私の人を愛する心とか
浅はかな打算とか、
全部見透かされた気がして
とても嬉しかった。

打ち続ける斧の
肉 ....
  蒲団のうえ 擲たれた
  かたちのパジャマ
  空腹が現在形のように
  堰きとめられてある
  くらやみの土管
出口を探して
歩いてた

抱えた問題を
何かにぶつけて
小さくしようとした

それなのに空は
痛みも見せないで
全てを受け止めた

さっきよりも
赤くなって

僕は晴れたけ ....
洋服は
長袖を着たけど
心はどこにも仕舞えない

光に晒されて
その瞬間は
頬が緩んだ

綺麗なものの側にいたい
例えば金木犀

むせ返るような甘い香りが
降り注いで

立 ....
傷だらけの時に
優しさを貰った
僕の尻尾は
鎖を生やした

君と繋がるために
走り回って
見つけたものを
教え合った

幸せそうな
メロディは
ひとり分しかなくて
ふたりで口 ....
濃密な青を流し込み
暮れゆく空を
眼差し見つめながら
僕は想う

この夕べに舞う天使たちを
この世界の奥深く躍動する神々を

でも、僕は
貴女たちに達していない
未だ全く
ただそ ....
夜の街には、風が吹き
不幸な人を選びます。

不幸な人の吐く息は
切ないほどの甘さです。

その唇はやわらかく
そっと触れたらぷにぷにで
どんな小さな喜びも
そっと ....
靴紐くらいしか
結べなかったあの頃

君と出会えて
絡み合ったり

僕の両手に
花束が届くような
日々だった

嬉しい顔が
出来なくても
そのリボンで
君と繋がっていると思っ ....
この秋晴れに、階段を
一段飛びで
上る

ぐんぐんぐんぐん登る
どこまでもどこまでも昇る

すると、

涼やかな風に舞い
白々と透明な綿毛が
無数、数知れず
飛び交って来る
 ....
紅葉は暁の棘を落し偽装される
共感覚を奔らせた 多くの人々の間で、
牡丹――哀愁は暗褐色の

その鍵と旋盤を前奏曲と外壁に配したように見える
河原での吹き溜まりでの、〈塒〉

――冗談で ....
すべてから
解放され
すべてを
開放し
広大な大地に
遊ぶ

  *

気分は沈み
気分は盛り上がり
まるで大海原のうねり

自我は佇みひたすら静観し

天空に銀河の帯、 ....
唇を飾りたいなんて
子どもの頃から鏡の前で
幾つ思い数えたでしょうか
星に願われた膜があって
それも人の愛し方のひとつと
知るはるかむかし

考えなかったのでしょう?
また会いたいなん ....
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