身辺雑記より(二)
たもつ
物を収集するという行為は
生存競争という過酷な環境に無い者にこそ許される
嗜好性の強さはその個体の死を意味すると言っても過言ではないだろう
生きていくためには他にすべきことが山ほどあるのだから
コレクション、と言っても僕のそれは
ほとんどが父から受け継いだものだ
良いものか悪いものかもわからない
試しにすべて売り払ってみると
幾ばくのお金にはなった
そのお金で僕は詩集を作ろうと思うのだけど
君は詩なんて嫌い
バカタレ!世の中金で買えないものなどないのだ!
僕は高らかに言い放ち
それからしばらく口を利いていただいてない