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君の夏の中に
向日葵は咲いた
去年よりも太い茎で
大きな花を咲かせて

はっきりとした向日葵は
これからしおれてゆくだろう
けれども君はそれを
悲しんではいけない
それが自然なのだか ....
空が滲んでいる
夏の午後の昼下がり
遠くからだんだんと自分の方へ
その暗闇が近づいてくる
あっという間に
滲んだのは空だけではなくなった
明確だった単語や熟語の中を
その雲は浸透してくる ....
自然の中を吹き抜けてゆく風は
循環している
その中で生き物は同じ場所で
絶えず同じ命を繰り返す

街の中を通り抜けてゆく風は
まっすぐに流れている
その中で生活する人々は
絶えず便利さ ....
気づいたら
自分の後ろに
千の詩がこぼれていた
足跡とともに
時には運命に悲しみ
時には人に喜び
生きてきたことを
生きていることを
感謝する
まだ前に道は続いている
そう
まだ ....
風が立ち止まった
蚊取り線香の煙が
まっすぐに天井へと昇ってゆく
一匹のハエが
ぼくの前を通り過ぎる
振り払おうとしても
もう飛べない
風は今も立ち止まっている
夏の夜が固まってゆく
 ....
立っているだけで
汗が落ちてくる夏の
その夜
星が飛んでいた
短い夜の間だけ
羽ばたいていた
月へ向かおうとする星
大地へ降りようとする星
それぞれの運命に従って
音もなく
飛んで ....
夜の夏がほのかに飛んで
闇の中に夢を描く
この世界に音は必要としない
ただわずかばかりの光だけが
飛びさえするだけで
夜の夏は十分なのだから

夜の夏が静かに飛んで
闇の中に夢を灯す
 ....
夜明けとともに
目的もなくふらふらと
外を歩いてみる
そこの夏は冷たかった

葉の上の雫に触れ
その一瞬にしかない冷たさは
手のひらの中で
やがて消えてゆく

川のせせらぎの音も
 ....
今まで見えなかったものが
見えるようになった
自分が生きている今の世界が
迷路になっている
高い壁と細い道しかない
何も拠りどころもなく彷徨い続けると
展望台と書かれた案内板があった
そ ....
大人になんてなりたくないと
思った時から
ずっと星を探していた
将来への自信と
可能性への期待に満ち溢れて
星は必ず見つかるものと
全ての人に全ての星があると
それが当然だと思っていた
 ....
夏が黄色くなってゆく
太陽の色に近づいている
夏をぎっしりとつめて
鮮やかな黄色になってゆく

黄色くなってゆく夏は
水に中に落ち
ぷかぷかと気持ちよさそうに
泳いでいる

近くで ....
森の中で
がばっと大きな口が開いていた
大きな口は
緑色の歯をいつも見せていた
晴れた青い空の中で
流れてきた白い雲を
一気に飲み込んだ
歯が揺れている
近くまで寄ってゆくと
自分が ....
鉄は錆びていた
光沢は外に発しない
錆びきっていた

鉄は昔を思い出した
あの銀色に輝いていた自分を
当然だと信じていた
今はぼろぼろな茶色の体が
悲しかった
雨に濡れて
少しずつ ....
そこに風があった
葉を揺らし
湖を渡っていた
やがて街へ
そして自分へ

そこに風があった
花に触れて
川を横切った
やがて海へ
そして彼方へ

一瞬の風は
また一瞬の風へと ....
雨が止んだ
そして他の誰よりも
最初に光を見たのは
ぼくだった

光は止まっていた
その光をくぐるようにして
白い蝶が飛んでいる
風も止まっている

雨が止んだ
閉じていたものが ....
ある日
耳を失った少年は
歩いている道で翼を拾った
少年はその翼を背中につけて
ふわふわと自由に飛んだ
何も聞こえるものはなかったけれど
少年は音を取り戻した

ある日
目を失った少 ....
朝のバス停に
雨が降っていた
傘一本だけで
自分の身を守っていた

バスは来ない
時折り
普通自動車が勢いよく走りぬけ
傘を前にして道路の水を避ける

気づけば
髪の毛が濡れてい ....
ぼくたちの先生はいつも
ぼくたちにはできないことばかり
言っていて
ぼくたちができないと
何をしてんだと
いつも怒ってた

隣のクラスは
優しくて人気のある先生
楽しそうに過ごしてる ....
遠い昔の夏の夜
通りすがりに見た花火
ちりちりと音を立てながら花が咲く
光を見つめているうちに
いつしか音が消えてゆく
赤や緑の光だけが
思い出になってゆく

遠い昔の夏の夜
二人で ....
梅雨の合い間に晴れた空
光が大地に降り注ぎ
静かな時の始まりか
風も涼しく穏やかに

白雲浮かぶ青い空
豊かな緑浮き立たせ
夢見る時の始まりか
心鎮まる和やかに

畑の作物採りに行 ....
インターネットは平面ではなく
地球と同じように
丸いものかもしれない

地図で見る地球は
右端と左端が遠く感じるけれど
実際はつながっていて
ものすごく近くにある
カナダとロシアは
 ....
少年は靴を履いていなかった
ぼんやりとした瞳で
橋の上から
流れゆく川を見ているだけだった

少年に親はいなかった
預けられる場所はあるものの
そこは少年のいる場所ではなかった
少年は ....
幻想をリアルにするために
リアル以上にリアルを表現すると
それは異常なのかもしれない

恐怖は見れないところにあり
見えるのは醜さだけなのかもしれない
よく見てごらん
雨がまっすぐに降ってくるだろ
時折り銀色に光るのが
あれが雨の涙さ
空の悲しみが見えるだろ

よく聞いてごらん
雨が小さく跳ねるだろ
時折り痛そうな音がするのが
あれ ....
夏の氷は透き通っていた
四角いその宝石を
水の中へと入れると
しゅわぁという音が聞こえた
それをじっと見つめる
自分の中に固まっていた何かと
同じようだった

さようなら
この氷の最 ....
夏の朝
とうもろこし畑の中に溶けてみた
一直線に並んだ黄緑の
甘い匂いが夏だった
気づけば夏の中に溶けていた
黄色の穂先から見上げる青空は
水を見ているようだった
土から湧き出る水蒸気が ....
言葉に挑んでみる
言葉の世界は広くて深いので
何もしなければ
言葉に溺れてしまう
バタバタするのではなく
全身を使ってバランスよく
綺麗な姿勢で泳ぐのがいい

言葉に向かってみる
言 ....
朝起きたら
机の上にメガネが置いてあった
昨日の夜
酔って歩いていたら
呼び止められて
「透視メガネを買わないか」
と言われた
ほろ酔い気分だった自分は
うっかり買ってしまったのだ
 ....
探し物をしていたら
押入れの奥から出てきた
学生時代のルーズリーフ
こんなものがこんなところに
物理のノートだろうか
数式やらグラフやら
長々とした漢字による専門用語やら
今では何が書か ....
隣の席で
難解な数学の問題を
すらすらと解く彼が嫌いだった
無能な自分を見ていた
何でこんな複雑なものを
考え込むことなしに
さばいて見せるのだろう
その姿勢がどこか傲慢で
さらに彼を ....
小原あきさんのぽえむ君さんおすすめリスト(93)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
君の夏の中に- ぽえむ君自由詩13*07-8-29
空が滲んでいる- ぽえむ君自由詩19*07-7-30
循環する風- ぽえむ君自由詩14*07-7-29
千の詩- ぽえむ君自由詩20*07-7-27
風が立ち止まっている- ぽえむ君自由詩7*07-7-26
星が飛んでいる夏- ぽえむ君自由詩11*07-7-25
夏の夜- ぽえむ君自由詩10*07-7-24
冷たい夏- ぽえむ君自由詩23*07-7-24
迷路- ぽえむ君自由詩11*07-7-23
星を探していた- ぽえむ君自由詩20*07-7-20
黄色い夏- ぽえむ君自由詩15*07-7-20
森の中の口- ぽえむ君自由詩9*07-7-19
錆びた鉄- ぽえむ君自由詩11*07-7-17
そこに風があった- ぽえむ君自由詩10*07-7-16
雨の後に- ぽえむ君自由詩14*07-7-15
ある日の拾い物- ぽえむ君自由詩11*07-7-14
雨の日のバス停- ぽえむ君自由詩11*07-7-14
ぼくたちの先生は- ぽえむ君自由詩8*07-7-10
遠い昔の夏の夜- ぽえむ君自由詩15*07-7-8
夏の光が浮いている- ぽえむ君自由詩13*07-7-8
インターネットは丸い- ぽえむ君自由詩4*07-7-7
靴を履けない少年- ぽえむ君自由詩15*07-7-6
リアル- ぽえむ君自由詩7*07-7-4
雨の涙- ぽえむ君自由詩22*07-7-3
夏の氷- ぽえむ君自由詩12*07-7-2
とうもろこし畑- ぽえむ君自由詩22*07-7-1
言葉への挑戦- ぽえむ君自由詩8*07-6-28
透視メガネ- ぽえむ君自由詩10*07-6-27
思い出ルーズリーフ- ぽえむ君自由詩11*07-6-25
無能な自分- ぽえむ君自由詩16*07-6-24

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