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白い駅のベンチに
坐っていると
うつろな心臓を
ひとつの喪が
列車のように通過してゆく
それとは関わりのない
やわらかな事象として
少し離れたところに
色とりどりのチュ ....
気づくと
背中に窓があった
木の枠の 両開きの窓だ
閉じられているその窓を
覗き込んでいる自分がいた
中には 止まった時計と
傾いだ天秤が見えた
やがてその窓の中にも
自分があ ....
中空の細い運河を
小さな郵便船が遡ってゆきます
あれには僕の手紙も乗っている筈です
誰に書いたのか 何を書いたのか
とうに忘れてしまいましたけれど
ひんやりとした透明な砂漠を
彷徨って ....