月隠れからかう如く蛙鳴く

遠く鳴く蛙の声と麦酒の夜

妻の手が肩を叩きて夏の夜

終日を妻と働きあせを拭く
{引用=ばたん――
ドアがしまるような
収穫の音がして、巻きあがる
走り去ったランナーの
一陣の風

よみがえる
まなざしの白さ、
青い息
ゆらぐ光彩に
ぼっ
と一点とどまる
 ....
昨日喧嘩した彼女と小川へ
蒸し暑い中で何時間
喧嘩したっけ
汗をかきながら

小川は澄んでいて
透明な絹が川底の小石をなでているみたい
彼女の足の指はまるで
ボタンに見える
きれいに ....
{画像=080713215510.jpg}


街角に子供が一人


地に染みる影を従え


かくれんぼする
乱暴に呼び鈴鳴らすその指のリズムに乗ってやってくる夏



目薬のほうも緊張していると今知りました、テーブル越しに



交通事故ゼロの記録が途切れたから明日あたらしい香水を買う
 ....
青空高くリンリリン
田んぼは緑のハンカチ
アイロンかけたて

自転車のペダルを踏みふみ
これから告白しに行く
100%駄目って知ってるし
すごい迷惑だろうけど
アイスだってイチゴだって ....
重なって 1つの曲に なっていく
   僕の口笛 君の足音
グレープフルーツの中に
何かがあるんだと思う

沖に出たときの風
外国へ行く船
大切に持ったままの手紙
何度読んでも分からないところがあって
おたがい誤解しているんだと思うけれど
説明 ....
桃色のカップケーキに銀のフォーク
ファミリーレストランで夜を明かして
秘密を二つ三つ忘れた
四つ五つもらった

窓のむこうには朝焼けの街
そのむこうに小さな山
あの山には小川があるかしら ....
自分から 崩れていった さらさらと
灯なんて どうでもいいの

最初から 分かっていたわ 結末は
だから知らない 何も言わない

何度でも 生まれ変われば いいじゃない?
風がそよそよ  ....
身体の中で潮騒を飼っている
辞書はそれを焦燥や憂鬱や歓喜などというが
潮騒はそんなにもシュハリ、と
姿を変えるものだろうか。

生まれて初めての始発に乗った。
どうしてだろうかとは考え ....
わたくしはきくのはなびらをかおっているのだった
霊園を照らす光に透けて
ただよう無修正の遠声はいつまでも増幅し
ゆくえ不明の足許を念じる
目的地はとうに過ぎた視線
まなざ ....
静脈を流れていった
幾度かの夏がありまして
網膜に棲みついた
((ただそれだけの))海があります

無人の駅舎―――ああ、思い返せば
入り口でした この仕掛け絵本の


 ....
舌先の恋の匂ひや夏の夢

病み猫の腫れたる乳の暑さかな

天翔ける十九の夢やみなみかぜ

紅薔薇は何億年の恨みかな



なつの恋はかなしき純白

夕立や街は恋なき人ばかり
 ....
そう 光の紋、水の模様が
見たかった

ゆらぐ 光の縞に 体を潜めて
水の色 雲の陰

私のゆがみ
私のまるみ
私のいびつさ

けれど、実は 私も水
息を呑んで光を泳ぐと
実は ....
こんなことを言おうとしたら
あなたはどんな顔をするだろう?
目を落とし、少し淋しそうに
僕のことを抱きしめるかな?

別に悲しませたりしたい訳じゃないんだ。
ただ単純に知っておいて欲しいか ....
かくれたり
ゆっくりゆっくり
すすんだり
あなたになりたい
かたつむりさん



「きのうより
きょうはきれい?」
葉の上の
かたつむりに聴く
紫陽花のはな



泣き ....
真っ青な血脈の層が 極限のうすさではりつめ
未到の境地が 静脈を経過しながら
うつらうつらと沈静していき やがてそらへと
暗く澄んでゆくのです。

架空層の仄暗いうちがわにある
華の蒼 ....
べろんべろんに酔っ払い 
狸のつらでゆれる地面を千鳥足 

今夜の{ルビ塒=ねぐら}のねっとかふぇの 
個室のドアを開く 

うつむいたスタンドの頭に 
貼られたシールに書かれた
「  ....
蝉の抜け殻を
村で一番集めていた村長が死んだ
彼の亡骸は
蝉の抜け殻に埋められるようにして
荼毘に付された

それがみんな燃え終わる前に
新しい村長がやって来た
新しい村長は口ひげを生 ....
枕木の間に蒔かれた砕石
それぞれの名前は知らない
久しぶりに訪れた東京のそれ
が、今日の、そしていつもの。

「思い出せない」ということを「忘れてしまう」と言うらしい
だから「知らないまま ....
朝起きたら父親の車に青いペンキで落書きがしてあった。
ちょっと肌寒い風に吹かれながら
「仕方ないさ」と言う父親の横顔は悲しいという一言では表現できない。

明日の朝にこやかに59歳を迎えるはず ....
あのとき、偶然
だれにも声をかけられていなかったなら

ぼくは今ごろ
ここにはいなかったのだ


偶然、生きているぼくは

今日も、また改札口をぬけ

ケータイを開き

牛丼 ....
ひかちゃんが
幸せになるか、不幸になるかわからないけど

きっと

自分にとっての幸せってなんだろう

って考えて
探求できる子にはなると思う。


って今日着た手紙には書いてあ ....
観測所には誰が居るんだ?
あの夜に僕らがはじめて気づいた
色とりどりの破綻は
今もまだつづいているんだ
君のあるいは君たちのともした火
砂漠の向こうから送られるシグナル
忘れられた庭園の扉 ....
落ちていく夕陽が一段と大きかった
真ん中に「キライ」と書いてあった
濃い橙色で燃え尽きる夕陽の真ん中に
真っ赤な色の浮き彫りで
真ん中に「キライ」と書いてあった
なんだか悲しいので目をそらし ....
じめじめと

こころ繕う駐車場


「会いたかった」は妙に乾いて
雨に浸されて
ぼくのジーンズは裾から濡れだす
(ねぇ 君のカーテン
  いつかすはだにまとうはずの、
   快晴のあお・・・・・)
ぼくは今日も雨だったんだよ


軽く頭をこづかれ
 ....
海へ行った
病気の母を連れて
もう一年も前
秋の始まり
懐かしい
海岸線
生まれた町
揺れないゆりかご
籐の編み目の
飴色の海
その色を
ずっとみていた
ゆっくりと歩いて
波 ....
身動きを許してください水底は26時のネオンさえ青


息継ぎを忘れた彼女が電池式だったと知った火曜のメトロ


遺失物届けの欄に書くべきはリセットキーか押す指なのか


「き ....
ルナクさんのおすすめリスト(4684)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かわず- 生田 稔俳句208-7-16
レタス- norif自由詩3208-7-15
小川- ふるる自由詩9*08-7-14
かくれんぼ- beebee短歌1108-7-13
シャイン- 石畑由紀 ...短歌608-7-11
初夏の告白- ふるる自由詩9*08-7-10
帰り道- ユメサキ ...短歌1*08-7-10
グレープフルーツ- ふるる自由詩9*08-7-8
秘密- ふるる自由詩6*08-7-8
血迷う人の- 西日 茜短歌8*08-7-3
潮騒が撃つ- Rin.自由詩36*08-7-3
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夏の夢- 三州生桑俳句208-6-17
ゆくえしらず- るるりら自由詩9*08-6-17
家族- 山田隆自由詩208-6-17
曇り空- ユメサキ ...短歌1*08-6-16
時の青玉- こしごえ自由詩3*08-6-16
「_ふれてください_」_- 服部 剛自由詩708-6-16
村長- 吉田ぐん ...自由詩1208-6-15
駅・品川にて- たりぽん ...自由詩6*08-6-15
晴れときどき曇り- 山田隆自由詩408-6-14
Re:- わら自由詩25*08-6-14
未来- モリマサ ...自由詩3308-6-13
きらびやかな兆候- 塔野夏子自由詩8*08-6-13
キライ- 小原あき自由詩14*08-6-13
後ろ手に隠した- 桜瀬ろろ短歌1*08-6-12
ジーンズの裾- 唐草フウ自由詩7*08-6-11
青色- 水町綜助自由詩1908-6-11
「トーキョーアクアリウム」- Rin.短歌22*08-6-10

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