君思ふわが名流るる滝つ瀬の
   はやき心をたれか止むらむ

紅の色に夏の葉かくす{ルビ山躑躅=やまつつじ}
   いでやかなしき人をぞみゆる

こころありや宵待草にあさつゆを
   ....
体温は
ひとつになるアルビレオ
今日からは
遠心力で結ばれる

意志が
それを果てるまでと誓うだろう
ある時は照らされる者の影であり
そしてお互いだけが
救える日々の

満ち ....
いちたすいちは
にじゃないと答えたら
みんなに笑われた
でも
美術の先生だけは頷いてくれて
スケッチに出かけた
あの丘の上から
故郷の青空をいつまでも眺めていた

ずっと憧れていたこ ....
  夕暮れ色の飛行船、
  たくさん空に浮かんでいたけれど
  空と一緒の色だったので
  誰にも気付かれないままでした。

  *

  毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
   ....
木曜日の朝の雫が絶叫をあげている。
尖った街頭の佇まい。
通勤の熱気をはおったDNAのひかる螺旋の群は、
わたしの散漫な視覚のなかに、
同じ足音、同じ顔を描いていく。

振子のようなまなざ ....
夕陽の堕つる彼方に昨日問ふわれと埃かぶりし母のオルガン

澄み渡る空に浮かびし虹を見る子らの顔には虹の跡なし

われ乗せて北へ走らむ夜汽車にて車窓に顔つけ頬を冷さむ
 まだ熱の残る砂浜を歩けば
 私の中の?海?が呼応し始める。

  感情の波に流されないためには?
  自分の願いを叶えようとして
  自分の過去を認められないほど
  私達は幼かった
 ....
“赤ん坊のように
手をグーにしたら
幸せはやってくるの?”

なんて考えてみたけれど
実は
わたしたちは
まだ、赤ん坊にも
満たない

無垢な気持ちは
いつでも忘れない
死ぬこ ....
ふいに 
{ルビ痒=かゆ}くなった腕をかいたら 
思いのほか 
しろい爪は伸びていた 

( 窓の外には風が吹き 
( 緑の木々が  
( 夢を{ルビ囁=ささや}く声がする 

はた ....
愛するということに
答えはない
愛したということにも

そしてきっと

という言葉の中にすらも

かつて死神がこう言った
神様は信心深い人にしか現れねえっていうだろ?
それに引き ....
一。



どんな関係なのと、
訊かれたことがある。
からだの関係です。
そう答えると、
相手は押し黙ったっきり、
何も言わず、
泣いてしまった。
 ....
裁くことは可能だ
だが公平ではない

愛することは可能だ
だが公平ではない

博愛主義とは何だ
ひたすらに
わけあうことか

私の精神は
無限ではない
私は
命のベクトルを
 ....
角を曲がる
過度に曲がる
曲がりすぎて
大破する
大破した木造船の
欠片を集めて
人の形にしていく
そうしているうちに
祭りは終わる
消灯時間になる
何が耳かわからなくなる
誰か ....
ああ、今日も雲が浮んでいる。
青青と吟する空の重さに酷く狼狽し、暮れへ連ねてあるく。
おまえは「きょうもええ天気やったね」と暢気に
両手をうえに、背を反らせて伸びをする。
 ....
夏の野は沈黙の果てみつめあう
    だけのくちづけ唇に蝶


じっとして壊れないよう忍び寄る
    白い羽には光だけ射し


言葉などもはやいらない君をつれ
    夏の丘へと逃 ....
おばあちゃんが
はにかんだら
とても可愛い

面映ゆいは
顔映ゆいで
可愛いって
そこからきてるんだって

恥ずかしそうにする姿は
いつになっても
乙女の輝き

(キラリン、 ....
{引用=
きみがとなりにいて、まつげの
触れるくらいとなりにいて それは
おどろくほど退屈で いとおしい
午後で}




きのう、オジギソウが発芽して
日記にそのことは書かなかっ ....
大好きな果物の
味でもしたのだろうか
モノレールの銀色の車体に
君の歯型がついてる

先ほどまでは
玄関の無い所
スリッパと同じ格好をして
スリッパを並べていた
今は肩を丸出しにしな ....
壊れた蛇口から君の悲しみは流れ消えてゆく
もう輝かない電灯は心の闇を照らして
一人残された君に
世界は崩れ落ちながら優しく思い出させる 
愛する人がいたことを

大地は裂け地鳴りが歌う 
 ....
誰にもわからないまま
どこか遠い場所で
ほどけていく

支点を定めると
不安定になるので
そのまま

確かでないものは
確かなものより
永遠に近いので

ひとつになりたいという ....
窓辺の{ルビ日向=ひなた}に置かれた{ルビ壺=つぼ}は 
ざらつく{ルビ表面=おもて}を 
降りそそぐ日にあたためて 
まあるい影を地に伸ばす 

窓辺の日向に置かれた壺は
「何者か」の手 ....
白詰草の花冠
年上のお姉さんに教わった
作り方
今でも覚えている

手に草の露を付けながら
夢中で編む
その姿は
小さな花嫁のようで

強く生きるその花は
だけど、優しく微笑みか ....
窓辺には 
ガラスケースにしまわれた 
誰かの心臓が置かれている 

真夜中の無人の部屋に現れる 
今は亡きピアニストの面影 

奏でられる旋律に 
永い眠りから覚めた心臓は 
脈を ....
まぼろしか白夜の夢に君を抱く 鼓動ひととき重なりて、泣く

時を打つ鐘の音色も{ルビ夜=よ}の色も白くまどろみ繰り返す「恋」

白夜なら大地もぬくもり忘れずにいるから今宵は許しあお ....
ブラウン管に浮かんだ偽物の海を見ていたら
涙が出てきた
涙も海に帰りたくなったのだろう
あれは偽物なんだよと教えてあげたけれど
あとからあとから
俺も私もと押し合いながら零れてくる
それを ....
空高く猫背を気にして君を待つ約束の無い公園通り

枕抱き眠りにつく初夏の宵 夢に見るのは君の曲線

色男ため息ついて開かせる女の心と財布の紐を

カラオケで悲しい曲を歌ってはそれよりマシと ....
背中が守られている
抱擁でなく
囁きでなく
いつも見えない後ろが
守られて温かい
そんな気がしている

口元が護られている
くちづけでなく
言い付けでなく
冷たい言葉が洩れない ....
五月晴れの匂う
青い空の下
潤いの粒がキラキラ光る
生き生きとした緑の葉っぱたちが
風に揺られて
カサカサと何かお喋りをしていた
何だろうと聞き耳を立てても
わたしは人間なので
うまく ....
月光をすくい、すくって
髪を洗い
ほっそり
とうめいな櫛を曳く

鎮まってゆく肌、肌に
しみこんでゆく
流麗な調べ

{引用=
呑まれても
ひとひら
抱きしめても
ひとひら
 ....
ドラムカンの 外にはみだしてくる
火の勢いに のまれてく

窓から見下ろした 交差点
流し込んだ 健康飲料水
一回 千円のカットだけの看板

マラソンの金メダルのテレビ放送
セルフサー ....
ルナクさんのおすすめリスト(4684)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
恋夏草(れんげそう)_______■古語の宴参加作品■- Rin K短歌28*07-5-28
アルビレオの誕生- たりぽん ...自由詩10*07-5-28
いちたすいち- 恋月 ぴ ...自由詩42*07-5-27
幻視顕微鏡- 嘉野千尋自由詩61*07-5-27
五月の街- 前田ふむ ...自由詩31*07-5-26
母のオルガン- 村木正成短歌707-5-26
海という名の、- 灯和自由詩7*07-5-26
赤ん坊- 小原あき自由詩21*07-5-26
爪切り_- 服部 剛自由詩9*07-5-26
パッション- アマル・ ...自由詩307-5-26
「_人魚の涙。_」- PULL.自由詩13+*07-5-26
紫陽花- umineko自由詩17*07-5-26
祭り- たもつ自由詩1107-5-26
醜い雲- はらだま ...自由詩27*07-5-25
沈黙と蝶- 石瀬琳々短歌14*07-5-25
面映ゆい- 小原あき自由詩16*07-5-25
そんなふうにして過ぎていく- 望月 ゆ ...自由詩56*07-5-25
戯曲- たもつ自由詩1207-5-25
世界の終わりに流れる詩(うた)- アマル・ ...自由詩4*07-5-25
指先プラネタリウム- たりぽん ...自由詩1207-5-25
日向の壺_- 服部 剛自由詩10*07-5-24
花冠- 小原あき自由詩19*07-5-24
窓辺の心臓_- 服部 剛自由詩12*07-5-24
白夜- Rin K短歌22*07-5-24
渚にて水の者ゆえ- アマル・ ...自由詩4*07-5-24
こぼれおちるもの(其の一)- 快晴短歌4*07-5-23
初夏の背中- 銀猫自由詩19*07-5-23
五月晴れの日に- 小原あき自由詩19*07-5-23
月下夜想- 佐野権太自由詩15*07-5-23
火鏡- 砂木自由詩13*07-5-23

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