先日、祖母の誕生日でした。
80歳になりました。
「傘寿」というらしいです。
「傘」の略字が縦書きの「八十」に見えることから、そう呼ぶのだとか。
来年は「盤寿」だそうで、その後も「卒寿」「白寿 ....
花弁を剥きだしの裸にして、白い水仙が咲いている、
その陽光で汗ばむ平らな道を這うように、
父を背負って歩く。

父はわたしのなかで、好物の東京庵の手打ち蕎麦が、
食べたい、食べたいと、まどろ ....
ほこりせしゴムの鉢をば雨に打たせ
ついでに心もなどと思えり

梅雨明けの豊かになりし賀茂川の
水しわに照る夏陽が眩し

云ひわけの言葉聞くとき掌に
猫のまばたく感触も知る

忘れたき ....
朝日影にふくまれた わたくしの陰影が
ありのままの白い骨格で
よるべなく
この家に嫁いで来たのです。

その
わたくしが、
わたくしであるが故に、
わたくしを焼べねばなりません。
そ ....
人ごみの平日はどこにも排気口がなくて
呼び捨ての間柄がどれくらい大切なことかを知った
ひとりで歩く 眩しさが送っている

啓蒙とかスピリチュアルとか癒しとか
生き方の模索
悲しみの何割かは ....
「もしもしかいちゃんいますか?」

かいちゃんは今日も
おもちゃの受話器を耳に押し当て
どこかへ電話をする


「もしもし もしもし」

まだ言葉にならない言葉で
一生懸命お話をす ....
黄色のチョークが
規則正しく
ステップを踏む間
 
私は目をふせて
逃避行を開始する
 
 
説明を模したような
子守唄が
耳に語りかけて
 
私の身体は空へと
浮かび上がっ ....
餓えているのではなく
影を落とす孤独が
乾いていくということ
砂漠
その影に
息づくものがある
星は照らしているけれど
遠い過去が
輝いているだけで

君が乾くとき
僕は海を ....
カーテンと
鉄骨の隙間から覗いた
スカートを捲る
そこに、秘密はない
 
白く染まった床と
天井の間で眠る
ストッキングを破る
そこにも、秘密は見当たらない
 
 
ステンレスの ....
            2007/06/05

かりんとうを
長万部で買う
駅の待合室には
仕事にあぶれた人たちが
冷えた弁当をストーブに載せて
暖めている
ヤカンから湯気が出てい ....
夜空を剥ぎ取って
この心を包むことができたなら
あなたの宇宙(そら)を飛べたでしょうか

星をつかまえて
髪に飾ることができたなら
果てしない大海原を
あなたまで導いてくれたのでしょうか ....
それはいつまで経っても明日にならない
俺は始まりからずっと遠くてもっとぶ厚くて
お前の衰弱しきった太陽が忘れられない
明ける夜に挿された首のひやっとした
どの空も拒んで傾いた
それは動く ....
夜の飛行場には
サヨナラが点在する
携帯電話のキーのような
小さな光の形をして

滑走路を疾走するもの
引き離されるもの
雲に呑まれるもの
星になるもの
僕らの住む街 ....
ぼくの頭の修理を頼んだ 
大工のたけさんが通った 


「 ぼくの頭はやかんなので 
  やっぱり治さないでだいじょうぶ 」 


「 あぁそう ならば
  ちょっと不思議な部品を ....
カラヤンのレコード買いきて おもむろに
娘灯を消して聞くがよしと言う

萬緑を濡らして夕立過ぎゆくに
近江の里の深き静もり

緑濃き萩の道もいく曲りか
蓮の花咲く池に出にけり
     ....
舟を流す
船という形を流す
手紙は乗せない
自分の名前も土地の名前も書かない
からっぽの方舟
形だけが少しずつ違ううつろ船

笹舟にさえひとは何か
思いを浮かべずにはいられないけれど
 ....
ぎらぎらとした太陽の光を
何も遮るものもなく
そのまま受けながら
アスファルトの道を
ひたすらと歩き続ける
たらたらと頭から汗が落ち
体がべとべとする
道からはむらむらとした熱が
浮き ....
ゆるすことにつかれてしまった
ひとりのせいめいたいは
とけいのはりをおって
じかんをとめて、しまった
 
はりとはりのあいだで
だれかをまちわびている
そのまま
うずくまっている
  ....
シャープペンが紙を滑る音で
断ち切られる記憶が鼓動になる
遠い日、焦がれた痛みを愛しく思い

  あなたの体は柔らかいという方法
  私の融点を
  花の名前を当てるように
  ほほえみ ....
バニラシェイクが
白く、あぶくを吐き出して
私の頬を
愛撫している
 
フルリレロと銘打った
ソフトクリイム
(キットカットフレイバア)
の、カップは
見て見ぬふりをして
壁の反対 ....
君を想うと
子供の頃つくった秘密基地を
思い出すんだ
草と土のあの中を

しなくちゃいけないことや
しちゃいけないこと
全部忘れて
いつまでもいつまでも
遊んでいた
暗くなったのに ....
涙のかわりに詩を書く
泣きたいなら泣けばいいと
言ってくれた人の前で
泣く事ができなかった

感情だけが
私の取り柄です
おとなしいと言われる
雰囲気などは全く
この胸の深層とは
 ....
ある日の夏
空にできた波紋は
地上のあらゆるものを揺らした
緑豊かな森も
氷で覆われている山頂も
果てしなく続く海も
一日を必死で生き抜く動物も
せわしく生きる人間も
その波紋に包まれ ....
  
   「いつか奇跡」

霧雨の向こうに遠い日の日記 差し出した手が迷い濡れてく

影送り透けて遠のく僕たちの眩ばゆいほどにピュアな夏の日

吹くはずのない甘い ....
一期一会
だなんて、ことばでは語りきれない

こんなデジタルの時代だからこそ
0と1の狭間にあるものを
あなたに伝えたい

それは
感動に震える心臓の鼓動であり
汗ばんでしまった掌の ....
雨の中 傘もささずに浮遊する 地下駐車場の黒猫の目

ストレスが主食なんだと君は言う ツナ缶なんか合うかもしれない

感情のはけ口さえも見付からず「フルリレロ」と闇に唱えた

アリゾナの砂 ....
初めて通る道なのに
なぜだかどこか知っている

誰が通るか知らないけれど
笑顔はどこか懐かしい

ここはもしかすると
故郷なのかもしれない

ほんの短い道だけど
本当はものすごく長 ....
「 この世の外なら何処へでも ! 」 
という最後の詩句を読んだわたしは 
「 転居先 」について考えていたが 
そんな場所は、何処にも無かった。 

日常から逃れるほどに 
毎夜訪れ 
 ....
世の中にはいつも恋が溢れている
そこかしこ失恋も含めれば
見渡す限り恋が溢れる

若きものは知らぬ間に恋に墜ち
老いたものは過去のシグナルを見つめる
一方的に見つめるだけのものだから
き ....
ほんとうのことをあなたに
たくさん
贈りたいのだけど

なぜだか

きっとあなたは私のこと
誤解している
きっと

私のほんとうは
もっと
臆病で調子よくて
よわよわで意地っ ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
祖母のこと_2007年6月- 北大路京 ...散文(批評 ...22*07-6-7
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7P_「短歌2」より_〜_昭和四十年頃- むさこ短歌13*07-6-4
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しおりの_わけ- たりぽん ...自由詩16*07-6-4
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自覚- ポッケ自由詩6*07-6-3
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空の波紋- ぽえむ君自由詩11*07-6-3
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こぼれおちるもの(其の四)- 快晴短歌5*07-6-2
懐かしい道- ぽえむ君自由詩15*07-6-2
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捨てるぐらいの愛でいいから- アマル・ ...自由詩5*07-6-2
ほんとうのこと- umineko自由詩8*07-6-2

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