うすい水の膜を通して
いちにちの過ぎるのを待つ
泳ぐに泳げない、
不器用な蜥蜴の成れの果ては
にんげんに良く似ているらしい


わたしは髪を切る
意地の悪い快感をもって
不運の絡 ....
僕が本を閉じたときに
誰かが新しい頁をめくるでしょう

僕がまぶたを伏せるときに
目覚める朝もあるでしょう

僕がこぶしを握るときに
手のひらを開いて母を求める
新しい命がきっとあるの ....
アスファルトの照り返しは穏やかではない
24号線沿いのひび割れた歩道を蹴って
いつまでも変わらない信号を見上げる
太陽がもうひとつ増えた気がした

雨と晴れの境目を見つけた少年時代の君を
 ....
夢が 微睡んでいる
緑の葉陰ものうく揺れる
やわらかな午後を

その瞼を 胸もとを つまさきを
うすい風が吹きすぎる

夢は そうして 自らを
夢みている あえかに甘やかに
その夢の ....
ねぇ、知ってる?
あの空も
この言葉も
本当は何もかもパプリカなのよ
私の創り出した世界

(レプリカ、と言いたい?
な、なに言ってんのよっ
パプリカよ
決まってるぢゃないっ

 ....
旅するひとよ、空は
くるくる重低音を行き来して
雨の匂いさえも はなうたの
材料にしながら

「これからの僕を分けよう」
粒は汚れのない アリスの涙
少女は聞きわけよく
旅するひとに付 ....
燃えながら灰のなかから生まれる鳥
    その目にうつる火祭りの夜


名前なき舟ならばただ漂うか
    海に溺れて星があかるい


不確かさそれのみ満ちる雨のごと
    うすい ....
白い壁に掛けられた 
金の額縁には 
名も知らぬ画家の描いた 
淡い水彩画の少女 

朝の光に透けながら 
すきま風に膨らむ
カーテンの窓辺に佇む
黒い瞳の少女 

日々多くの人と ....
そうかこれからはもう
小さな公園で手をつなぐこともなく
いつまでも手を振って明日また会うことを
誓わなくなるんだ

僕らの道は花
風にゆれておぼつかない
緑に光る茎や葉っぱ
時々は誰か ....
骨のような夏が街におりてくる
空はまぶしすぎて暗示しない
目を細めて輪郭や影を
確かな物にしようとしているだけで

湿った風は川からあがってくる潮の香りがする
どこか遠いところまでいつ ....
愛も
そこにあるうちに
当たり前になっていく
わかるかい

勇猛な
ペリカンの後ろ 少し離れて
ぞろぞろ歩く人の群れ
小魚が
落ちていればいただきます

世界は
どこまでプラス ....
夏がとうとう力尽きた日
あおぞら渦巻いてぐるぐる
しおれた向日葵うずくまる
落とした蜜に蟻がたかる
タイのお面をつけてみる
ストレンジ・デイ、今日はストレンジ・デイ
七ツ頭のハイドラも今日 ....
雨の匂いがする
埃っぽい陽射しの名残りを弔って
闇に隠れ
秘密裏に行われる洗礼は
いつしか
もっと内側まで注がれるはず、
そんなことを
どこか信じている
陰音階の音だけ降らせ
目に見 ....
六月の招待状にマルをつけ刈られて強く匂いたつ緑



噛みついた腕から甘い草いきれ雨も恵みにちがいなかった



二人だけの秘密だよってからまった翌朝 夏草ぐんぐん伸びる



 ....

水溶性の喧騒に混じり入る
マーブル状の
夜の鳴き声

脈が終わって、それでもなお
時は余る




疎林のまばらを
記憶で埋める
蔓はどこまでも
遠く伸び

驟雨 ....
くちばしで穴をあけ幹に棲みます私そのように君に棲みます



熱病に抗えぬまま君に手をのばす殉職への序章(プレリュード)



なにひとつ約束はない 安定の利いたシャツを剥ぎからまる逢 ....
「 トキニハアメニモマケル 」


とうめいなせいじゃくにつつまれたひかりよ

くいしばるほどひたむきないのちよ

そらをうつすあさつゆにぬれたわかばよ

なぜに

そこ ....
≪〜春〜≫


◇パンジーに雪降り積もる寒い朝けなげに小首かしげて笑う


◇待ちきれず眠い眼こすり顔を出し辺り見廻すチューリップ


◇れんげそう髪にかざして春の野を駆けてみたいな ....
夕月は君が
先に見つけた

でも

明日雪が降ることは
きっと教えてあげない

   *

君のいちばんのねがいを
たぶん私は知っている

でも

君のいちばんの ....
アンダンテ追いかけて追いかけていても君が見えない陽射しの中で


抱きしめる速度ですれ違う風はセルリアン、君の瞳に映る


炭酸の雨///下弦の月をマドラーで浸しても味なんてないまま
 ....
いまもなお ビッグバンより続いてる
連鎖する水 連鎖する青


ナース服
肌から消えるアルコール
採血針を通過する赤


引っ越しを繰り返すたび立つ鳥の姿に自分重ねて変わる


 ....
シャボン玉のなかの、人気の無いシャッター通りを
くぐりながら、眠れない半分の顔は暗闇の書架を見上げた。
玩具の戦争が終わったら、地平線のうしろに隠してある
重油の山を売り払って、腹が裂け ....
幻聴が聴こえる視界がゆがむ・・ガガ・・・剃髪されて気付くナンバー



数世紀後に発掘されてああ、これは何だと問われるミシン



にんにくは嫌いだってさ人とゆう文字を憎むと呼ぶような ....
バス停をさかさまに読む
君のくちびるに冬がくる
片方の手袋を
置き忘れた日曜日
ぼくはこの交差点で
ちいさな水たまりを跳ねた


さよ、な ら


たりない空白は
君 ....
君のことを描くたびに
ひとつずつ言葉を失っていった
すっかり軽くなった水彩箱には
たったひとつの「ありがとう」が
隅にこびりついて震えている

―――ありがとう。

それだけで ....
「ナオトいる?昨日もらったシャンプーさ、髪合わなくて剃髪したの」



血塗れになっても奏で続けるのファしか出せないピンクのミシン



にんにくを割ってでてきたひよこたち ....
剃髪に立ち会った日の陽の光 淡く結んだらせんのつづき



葉脈にミシンをかける神様は季節のすきまは縫い合わせない



にんにくで追い払うんだ君のこと季節外れの桜の匂い



 ....
真冬にもアイスティーを頼める店 焼かれた石の事情を知ってる


十一時から十四時は禁煙です やさしいふりで傷つけ合って


プレートの絡めとれないパンチェッタ欲しいものだけ手に入らな ....
早朝に剃刀を買うコンビニで 剃髪用です 袋いいです


昼下がり主婦がミシンを踏む音は 人を撃ち抜く練習に似て


夕暮れが鼻血のような色してた 鉄のにおいが漂って、冬


 ....
ひらひらときいろいイチョウが日を反射いねむりできない{ルビ理由=わけ}がわかった


言葉なく歩き続けるふたりにはたかーい空に消える足音


くしゃくしゃと音をならしてできあがる風がつくっ ....
ルナクさんのおすすめリスト(4684)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
とかげ- 銀猫自由詩13*09-6-22
僕が本を閉じたときに- たりぽん ...自由詩1009-6-22
24号線/快晴アオゾラ- Rin.自由詩28*09-6-19
夏に至る- 塔野夏子自由詩4*09-6-19
ぱぷりか/ぱぷりこ- 佐野権太自由詩12*09-6-19
頬に旅- 唐草フウ自由詩6*09-6-19
夏至祭- 石瀬琳々短歌4*09-6-18
窓辺の少女_- 服部 剛自由詩16*09-6-17
ワンピースがゆれる時- ふるる自由詩8*09-6-17
残照- たりぽん ...自由詩1309-6-15
ペリカン・ボード- umineko自由詩7*09-6-14
ストレンジ・デイ- 大村 浩 ...自由詩6*09-5-31
雨音- 銀猫自由詩23*09-5-28
セクレット- 石畑由紀 ...短歌9*09-5-6
輪廻する、夏- 望月 ゆ ...自由詩12*09-4-3
ヒート- 石畑由紀 ...短歌5*09-4-2
トキニハアメニモマケル- ae96自由詩3*09-3-15
草花短歌【春夏秋冬】- ゆりえ短歌3*09-2-22
paLadox- Rin.自由詩19*09-2-11
さよならのためのリダイアル- Rin.短歌18+*09-2-8
「清」- 北大路京 ...短歌16*09-2-4
白いみずおと______- 前田ふむ ...自由詩18*09-1-28
【短歌祭参加作品】空気の底- 本木はじ ...短歌508-12-19
林檎- アイバ  ...自由詩508-12-10
セルリアン- Rin K自由詩2708-12-10
【短歌祭参加作品】マシュマリズム- ピッピ短歌508-12-8
【短歌祭参加作品】らせんの向うの昨日- はな 短歌18*08-12-8
カフェ・ロゼッタ- 石畑由紀 ...短歌6*08-12-7
【短歌祭参加作品】アラウンド・ザ・ワールド- 吉田ぐん ...短歌3608-12-5
あきの午後に- うみとゆ ...短歌4*08-12-4

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