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この不景気で
「ありがとう」は
あまり回ってこないから
大事に大事に抱え込んでいた


街中の
誰もがそうやっていたら
いつしか
「ありがとう」は
街から消えてしまった


 ....
小学生の時
わたしは薄水色だった
黄色のハンカチ
黄色の傘
黄色のお気に入りの服
だけど、わたしは
小学生の時
薄水色だった
黄色の長靴で
水溜まりに入るのが大好きだった


 ....
デジタルの時計を見ている
タイムスリップを繰り返している
1が出て唐突に2が来て
3がその上に重なっていく



分の十の位が一の位に話しかけていて
突然相手が変わったので
びっくり ....
暇つぶしに読んでいた夫の漫画本に
ヒミツが挟まっていた
それはちょうど主人公が
携帯電話のメールを確認している場面で
お札と同じくらいの紙切れだった
(本当のお札だったら良かったのにな)
 ....
車に轢かれた「ただいま」があった
この持ち主はきっと
今頃帰る家がわからなくて
公園のベンチに体育座りしているのだろう


蒸し暑いこの季節になると
「ただいま」がそこいらで車に轢かれて ....
落ちていく夕陽が一段と大きかった
真ん中に「キライ」と書いてあった
濃い橙色で燃え尽きる夕陽の真ん中に
真っ赤な色の浮き彫りで
真ん中に「キライ」と書いてあった
なんだか悲しいので目をそらし ....
夢の中に落とし物をした日の朝
猫になっていた
仕方がないので
夫を会社に送り出してから
家事は明日にしようと決め
日向ぼっこをして過ごし
夜になったので眠った
明日はせめて、猿になりたい ....
液晶の画面の中では
愛と恋とが
消費されて擦り減って
それでも笑顔を忘れずに
人間の傍にぴたり、と
まるで一人では生きられない
飼い馴らされた犬みたい


マニュアルなんて
何も知 ....
シロとクロは
相反する色をして
だけど、寄り添い
補っているようで


二匹はいつも
空き地の隅に
重なるように眠っている
実際は交ざることなく


無造作に生えた緑から
シ ....
窓の外を見ると
宇宙だった

宇宙船に乗った船員が
私の姿をして
窓ガラスに映っていた



どうしようもなく
地球が恋しくなった



この景色を君に見せたくて
写真付きメールを
ここから送るよ
夕暮れに
打ち水をした小雨
気が付いたら
夏の涼しさが
玄関に居座っていた

そんなことが
嬉しく思える
わたしは
人に生まれてきて
良かった、と


意味もなく
悶々とし ....
玄関のチャイムが鳴ったので
仕方なく立ち上がろうとしたら
背中の上に
重たい鳥が
止まっていた

「どいてくれますか?」
黄色の羽根を
ぱたり、と閉じて
ずん、と居座る
「私は止ま ....
おもてに映るのは
笑って
泣いて
嘘を吐いて

うらでは何を
映しているの?
遠い空しか
見てないの、ね



仰向けに眠る癖は
やっぱり
私なんか
あなたのどこにも
 ....
飛んでいる、みたいに
自転車を漕ぐ
坂道を下って
手を広げて
風の翼が
背中に生える

目を瞑れば
何もなく
自分の宇宙が
自分の未来が
見える

飛んでいる、みたいに
自 ....
淡い空に
洗いたての
真っ白な
服を干したら
羨ましくなりました

わけもなく
ただ

地球の純粋が
強さの羽根が一本、二本
折れては生えてを繰り返し
今もまだ輝いている

弱さの羽根は思いのほか丈夫で
だけど君には見せられない
わたしは強い女でありたい



もし、本当に
本物 ....
空気で身体を洗って
空を仰いで
膨大な宇宙に
飛んでいく




あのころの
空は
青く澄んでいて

忘れられない横顔
長い睫毛が
煌めいていた

そのすべてが愛しくて ....
地球が背伸びをした
夢の中から目覚めて

(いつになったら
孤独は消えるのだろう)

そんなことを考えていた

夢で見た
木星との
失恋を思い出していた

悲しかった
こんな ....
青空が映った瞳は
力強い光の匂いがする
その目が捕らえるものは
枯れた幹でさえも
息吹きが聞こえてきそうで

夕焼けが映った瞳は
哀愁が漂い
声をかけることすらも
ためらいがちにさせ ....
“赤ん坊のように
手をグーにしたら
幸せはやってくるの?”

なんて考えてみたけれど
実は
わたしたちは
まだ、赤ん坊にも
満たない

無垢な気持ちは
いつでも忘れない
死ぬこ ....
おばあちゃんが
はにかんだら
とても可愛い

面映ゆいは
顔映ゆいで
可愛いって
そこからきてるんだって

恥ずかしそうにする姿は
いつになっても
乙女の輝き

(キラリン、 ....
白詰草の花冠
年上のお姉さんに教わった
作り方
今でも覚えている

手に草の露を付けながら
夢中で編む
その姿は
小さな花嫁のようで

強く生きるその花は
だけど、優しく微笑みか ....
五月晴れの匂う
青い空の下
潤いの粒がキラキラ光る
生き生きとした緑の葉っぱたちが
風に揺られて
カサカサと何かお喋りをしていた
何だろうと聞き耳を立てても
わたしは人間なので
うまく ....
ぱらぱらと降っていた雨の間に
少しだけ見えた
澄んだあおいろ

絵の具屋さんには売っていませんでした

とぼとぼと帰る道
水たまりの中に
もう一度そのあおいろを
見つけました
ルナクさんの小原あきさんおすすめリスト(24)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨なんて降らないから- 小原あき自由詩7*09-7-1
- 小原あき自由詩23*08-11-7
デジタル時計- 小原あき自由詩19*08-10-16
ヒミツ- 小原あき自由詩20+*08-7-30
「ただいま」- 小原あき自由詩22*08-7-25
キライ- 小原あき自由詩14*08-6-13
夢の中に落とし物をした日- 小原あき自由詩31*08-2-29
出会い- 小原あき自由詩24*08-2-13
シロとクロ- 小原あき自由詩18*07-9-17
宇宙船- 小原あき携帯写真+ ...17*07-8-23
rain- 小原あき自由詩10*07-7-25
ペズゥ- 小原あき自由詩32*07-7-17
嫉妬- 小原あき自由詩18*07-6-29
自転車- 小原あき自由詩16*07-6-22
洗濯物- 小原あき自由詩12*07-6-21
空を飛べたら- 小原あき自由詩23*07-6-20
初恋- 小原あき自由詩18*07-6-17
恋しくて- 小原あき自由詩16*07-6-15
瞳の中の空- 小原あき自由詩28*07-6-12
赤ん坊- 小原あき自由詩21*07-5-26
面映ゆい- 小原あき自由詩16*07-5-25
花冠- 小原あき自由詩19*07-5-24
五月晴れの日に- 小原あき自由詩19*07-5-23
捜し物- 小原あき自由詩19*07-5-18

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