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どの君も覚えていよう桟橋にやけに激しい風が吹いてる
僕だけを乗せぬ列車のわすれものやけに激しい風が吹いてる
無名指で前髪を除けきみは言う「やけに激しい風が吹いてる」 ....
血潮、とノートに書いて貝殻のなかにたしかに海があったと
隣席のヘッドフォンから砂の音が聴き分けられる夏の江ノ電
ふたりで海を見たのは一度 いつまで、と互いに決められないままいた ....
駆け抜けてしまえないのがもどかしい屋上だった8号館は
まばたきをするたび更新されている影あり春の日は万華鏡
「ガイブセイ?」「うん、外部生。」
かんたんに友がつくれてし ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=259343
ゆうるりとただゆうるりとそそがれる刃から青とどろく夕べ
五の橋も四の橋もまた傾きぬ異なる生の軋みあう街
壁ひとつ扉のひとつも越えられぬこ ....
淡雪は炎のように降りつもりきみの素肌の灼熱を知る
凍蝶の滑り落ちゆく黒髪にかかる吐息は結晶化して
性愛の天を凌いで伸びる蔓 凌霄花は空にまみれ ....
汗ばんでためらう肌の距離をよみ 計らうようにつよい夕立
ため息を晴天に変え 風鈴のちらりと鳴れば緑濃く揺れ
ひと筋の汗がもたらす扇動に僕の背中は夏より暑く
アジサイは盛りを過ぎて残影をあでやかならずや花の生涯
赤い花ガルシンの書を思いいず夕暮の庭妻の花壇に
色彩と吹きわたる風雀きて心なぐさむ夕暮の家
産まれ生き苦しみそして死んでゆく
たった一行闘病短歌
日赤の病棟入り口掲示板
嘆歌とあって朝顔も書く
これからは口語短歌の詩人です
出来損ないの痛みを堪え
銀色に輝け外科 ....
今日もまたキミとつなぐ手 昨日とは違ううるおい指のからまり
森の奥 お月さまだけ聴いている 貝をあわせるキミとの唄を
忘れたよ 花を散らせたその罪も キミの瞳の星が許した
「お腹の中 ....
吹く風よ微笑む人の面影よネム絶え間なく船出の風情
朝ごとにアサガオその名に天国を青さに空を映して地上に
花、柘榴。タコさんウィンナ血の味を実に成す前に朱色地に散る
鬼の木は{ルビ ....
みず玉の瓶のむこうの夕立と 風をとおした君の目元と
君は右僕は左を濡らしつつ ちいさな傘をでようとはせず
ためいきを午睡の風に結び付け生温いまま季節交わる
水溜りにかがんだ君のう ....
夕方の水が巡って夜前につぼみのたががひとひら外れた
ひとつふたつ互いに互いの花びらが外れてそしてそりかえって咲く
カサブランカ自分で咲いたね信じてはいたけどつぼみに手が出そうだった
....
手のひらも夜もはざまも降りそそぐ漂う紙の大陸を踏む
わたしゆえ突き放された時の色たとえようとし止めた日のこと
たくさんの懐かしき文たなびいて涙な ....
{引用=
窓の向こう止まない雨の薄曇りへばりつく虫の四肢はばらけて
傘を差す人の姿が点になるわたしも誰かの点になれたら
息を吐くわたしが写る化粧台午前零時に紅を手に持ち
....
食卓の
醤油のように
泣いていた
女が一人
わたしの部屋で
醤油には
白いお塩が
入ってる 黄色い豆も
言い訳しないで
美しく
一升瓶を
抱えてた
彼女はお酒
....
泥棒はダメよとママは言うけれど 盗みたくなる あの子の小鳥
十六夜にはじめて咲いた花一輪 露光るうちひといきに盗る
盗まれたのはその唇か さびしげな目に誘われた俺のハートか
身代を盗 ....
とまどったかたつむりたち目の前に信号がまだ青にならない
くちびるの荒れぐあいさえ忘れてる降り叩く雨呼吸の中に
いたむのは見とれすぎた胃ぶくろで蒼ざめるのはあなたの番だ
以上を持ち ....
ささやきが文字の痛みを取り去ると言葉は胸に目に突き刺さる
燃やしてもいいかおまえに尋ねてもおまえは黙る布の目をして
欠けながらまぶたに沈む光より ....
コスモスといえば秋風を思うだろう?初夏には咲いて揺れ始めている
ワスレグサ忘れていたい思い出があること思い出させないでよ
昨日見た四つ葉は今日はもう虫に喰われてとうに虫のものでした
....
肩書きは「青い新宿回遊魚」まだあのひとはいますかここに
膝を抱き「東京事変」聴いていた人恋しくてベゴニアを買う
束縛を嫌いみずから糸切れば動けなくな ....
北山通の並木かなしむ夕暮れの色はほんのり青さをもって
少年が息をひそめていたわけは蛍でしょうか哲学のみち
宇治川を背に立つ君の少しだけ歴史を知っていることが ....
横断歩道の黒白正しく踏み分けていくように押す部屋番号「206」
無機質なふりして並ぶ玄関のドアは夜まで熱が抜けない
ココナツの洒落た香りが悔しくて窓に3ミリ隙間を作る
....
{引用=昨日の空と、今日のわたしと、明日の凪と、そこに存在しない隙間、}
窓際のプリズム きみと共有し 虹のない冬に射しこむキセキ
近づいてなお遠ざかる逃げ水にかざす指 ....
(足のとれたピーターパンの人形が積もった埃の下で見る夢)
途切れがちな点字ブロック跨ぐ夏 雲の向こうに打ち寄せる青
内側にはびこる針の芽を撫ぜて微かな痛みが ....
森色の匂いがついてる木漏れ日に「ぐっぴい」と娘名前をつける
由々しきは森を這い出て森に似た住居をあがなう罪の深奥
常しえに遊ぶ子らの基地宿す森あざやかに日々よ集え息して ....
燃えながら灰のなかから生まれる鳥
その目にうつる火祭りの夜
名前なき舟ならばただ漂うか
海に溺れて星があかるい
不確かさそれのみ満ちる雨のごと
うすい ....
六月の招待状にマルをつけ刈られて強く匂いたつ緑
噛みついた腕から甘い草いきれ雨も恵みにちがいなかった
二人だけの秘密だよってからまった翌朝 夏草ぐんぐん伸びる
....
くちばしで穴をあけ幹に棲みます私そのように君に棲みます
熱病に抗えぬまま君に手をのばす殉職への序章(プレリュード)
なにひとつ約束はない 安定の利いたシャツを剥ぎからまる逢 ....
≪〜春〜≫
◇パンジーに雪降り積もる寒い朝けなげに小首かしげて笑う
◇待ちきれず眠い眼こすり顔を出し辺り見廻すチューリップ
◇れんげそう髪にかざして春の野を駆けてみたいな ....
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