戦争の前夜
挑む者はどのような心境だったか

逆行の世
傷みを知った者極楽へ行けば
そこは癒しの都
しかし教訓を地獄へ葬る

子が親を殺し
親が子を殺す
向こう三軒両隣互いに挨拶も ....
ふわふわのシャボン玉の中では
ふわふわの魚が泳いでいる

しゅわんとはじけると
魚は空にかえっていく

私もかえりたい
空じゃなくていいから
ふわふわじゃなくてもいいから

 ....
ひどく壊れた
{ルビ短笛=ピッコロ}の夜
胸の隙間にしみこんで
かたく凍った涙が
この身を裂く音

修行者のように
振り仰いだまま
静寂に刻む
生きたまま
この身を裂く音

  ....
ふたりは出会う
雛連れの野鴨憩う山郷の水面は茜に染まり
 

  ほら手をつなご
  これから暫くふたりして
  同じ水脈を流れ行くのだから


ふたりのささ舟は
透き通る冬の気象 ....
林檎を見ています。

一つの瑞々しさをはらんだ林檎、それは歌います。
その歌は軽快なリズムでもって林檎の命、林檎がかつて実っていた木、沢山の仲間たち、
花であった時代、訪れた虫たち、そのきらめ ....
凍えの夜に
面相筆で刷いた薄雲が
星座に風を満たし

十字に居並ぶ太古の紋様は
くっきりと現在を刻印し
ありふれた永遠を
わたしに見せつける


生は
背中の痛みで
諦めは
 ....
{ルビ烏=からす}と{ルビ鳩=はと}は向き合い
静止したまま じっと {ルビ睨=にら}み合っていた

空から舞い降りた一羽の白鳥
両者の間に立ち{ルビ嘴=くちばし}を天に向け
広げた翼はそれ ....
なっちゃんだって
辛いこと、悲しいことあると思うよ
みんなが寝静まった頃
こっそり泣いてるのかもしれないな

それでも朝には
こんなに笑顔


自分も頑張ろうと思う
きらびやかな服を着て
きらびやかな街に出て
たまごの美味しいお店で
美味しいたまごを食べ
たまごが美味しかったと
あなたに電話をした
何て答えたのか覚えてないけど
あの日はあなた ....
月の滴り糧にして、
傾くが儘に流れ征く。

果ての浄夜は音も亡く、
地を這う我影、
唯ひとつ。
人肌が恋しいなら
僕の懐で温めてあげよう

涙が止まらないのなら
いっそ
新しい海でも作ろう

人生に疲れたら
額に手を当てて囁いてあげよう

君の寂しさで
僕のポッケが破れても ....
チェジはかわいい
あたしたちの街の中では世界一の女ということになっている
かわいいの次元を越えた、とマイカは言い
スヌーピーの鼻をへし折るかわいさ、とハイリは言った


チェジの腕はいつも ....
たとえば
カーテン越しの陽だまりに
できるだけぽつんと
たよりなく座ってみる

時計の針の
こちこちという音だけが
胸にひびくように
明るみの中で目をとじる

いつの日かお ....
あなたは 土にならず
離れず 月に なった

継がないはずの 木々の名も
つなげぬからだ わたる鳥も

襖に 閉ざされた 小雪冷え
焚きつけたストーブ その奥

影に ....
絶望さえ透けていく
初夏の陽射しのもと
雲へ手をふり
永遠する未完の涙

生れ立ての傷が
{ルビ鎖状=さじょう}に結晶し
{ルビ手鞠唄=てまりうた}に弾む午後
幼き声の純粋にひそむ響き ....
見たことのある大人の
さらりとしたもうお帰りなさいの言葉が
肌の羞恥で
ぽた、
と、密かに融けた夕方5時


ええ
子供はわざと赤
のち、黒でした、その速度を把握でき ....
仕事帰りにくたびれて
重い足どりで歩いていると
駅ビル内のケーキ屋に
女がひとり
微笑みを浮かべて立っていた 

ガラスケース越しに
ふと{ルビ眺=なが}めるささやかな幸福

その{ ....
{ルビ穏=おだや}かな初春の陽射しを{ルビ額=ひたい}にあびて
目を細め のんびりと自転車をこいでいた

狭い歩道の向こうから
杖をついたお{ルビ爺=じい}さんがびっこをひいて
ゆっくり ゆ ....
何故降り積もったのか
僕らを組成する因子は
間違えることなく
ある日僕らを僕らにした

悲しみは毎日のように語られけれど
掌には幾ばくかの幸せが残されている
まだ誰も本当の悲しみ ....
歩道の残雪を
踏みしめる律動
声でもなく
音でもなく
歌でもなく

  白い吐息に飽きて
  見上げる
  大気の天蓋
  一弦の
  その楽器

  透明におびえ
   ....
詐称猫は今日も星の名を騙る

彼女はあの有名な

『賭博猫』とも友達だったが

いつも騙されてはひどい目にあっている。

彼女は僕と話すときは

不思議なものを見るような目で
 ....
発売まで指折り数えたCDを
ようやく手にして
するするセロファンを
むいているときのときめきは
リンゴを倍速でむいているみたいで

ポンと
再生ボタンを押すと
さらに加速度を増して
 ....
無垢ということばをきみはエンジェルの首とたとへる一月も冬


戦場に突如飛来す少女その名前を問わばサイレンが鳴る


ラララララきみが歌えばきみの歌、土足でだれのメロディー奪う?

 ....
あの暗闇は
くらやみではなくて
照らされていない
本当の姿

あの光は
まばゆいのではなくて
その向こうが見えない
闇の別名

くぐり抜けて
会いに行く
降る雨も、雪も
肌で ....
自分が火であることを知らない火が
午後を 夜を さまよっている
持ち上げることのできないものを持ち上げようとして
燃える腕を宙空で
ただぶるぶると震わせている

 ....
時の泉に 群れ飛ぶ月の 彼方
のべる腕 さしだす酷に くれて

守る いわれのない 裸の花
晒し 望む 天の 枕木

はしり 散らす 吐息の杖
くぐり 舞い戻る 夜明け
目蓋に浮かぶのは 淡い光
脳裏に浮かぶのは パソコンの残照

会社から帰ると
バスタブよりもベッドよりも
まずはソファに沈みこんでしまう

ストッキングを脱ぐと
両脚が渇きを満たすよう ....
理科教室のカーテンの陰
ビーカーに入れられた
子供の悪戯とクロッカスの球根
こっそりと 育つ日々



昼の太陽 夜の月
揺れる隙間から漏れる
光りの栄養を貪りながら
薄情な薄明か ....
そうです
世界から隠れて
潜って居られる場所が要るのです

まじりけない初期衝動とだけ
ひたすらに戯れて居られる
そんなパラダイスを
とめどなく夢見てしまいます

子どもじみているの ....
驚くほどのことはない
わたしは、空中に髪をほどき
視線を結着させている
あこがれは、あこがれ

先天的な太陽は、この時
肺の浮沈までも漂白して
果ての分裂を結晶化している
わたしは、今 ....
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