僕の部屋の窓から焼却炉が見える
団地住宅に併設された
小さな灰色の炉は
押しつぶされたたまねぎみたいに見える
僕の部屋の窓には
すこし不恰好な焼却炉がいる

ひび割れそうにか ....
春風よわたしは山に籠もります春の匂いを極めてきます


砂塵舞ふ 濡れし視界をみぎひだり桜ぞ桜のままに毀るる


月面を宙返りせしあの影は二月生まれのナルシストなり


 ....
ふと机に落ちてきた虫の
羽が綺麗に光っていた
いつもは黒く見えていた羽は
さわやかに透明だった
何の因果があって
ここに落ちてきたのか
少なくとも自分に
わずかな命の存在を
教えてくれ ....
さよならは青い背もたれ始発にて四月の夢を温めにいく



アンニュイな晴間が秘める春雷に片目をとじて君を待つ午後



ないしょです。星くず燃える屋根裏で子猫と愛し合った日々など

 ....
大切なもの 見えなくなること ときどきあって

失ってから 気づいてしまって 泣くこともある


  悲しい想いは したくないの

  寂しい瞳は 見せたくないの


どこまでも空 ....
正午から午後二時頃にかけて
北部を中心に雹が降った
農作物が被害を受けた
傷口から病害感染の恐れがあるので
薬剤が散布された
長い坂道の途中
幼い男の子が線を引いていた
線を引くと
線 ....
今日はもう眠たいんだと思ってた耳をやさしく齧られている
 

灼熱のキスも荒地の抱き方もじゅっと言ったら終わりなんでしょ
 

喧嘩してキスして抱っこして仲直り小憎らしいとはお前のことか
 ....
80と書かれた小さなギザギザの紙を
昨日拾ったんだけど用途がわからない
お母さんに聞いたら
あんたそんなもの何処で拾ってきたの!!?
と剣幕を立てられた
その後辞書で調べると
これは郵便物 ....
肌が、
ぶつぶつとつぶやき始めたので
泳ぎに行った海で

クラゲに刺された、
心臓は一言も発しなかったので
メッセージボトルを拾って帰った

家で、
妻は小学生になったばかりの子供た ....
まっすぐにそそり立った夜から
はねあがるようにおきた明け方
まだ覚めきっていない体の白身を残して
黄身だけが流れだし
キッチンの冷蔵庫におさまってしまう

白身は悠長に時間をかけ ....
はつ夏は今年も空から降りてきた
すこし遅参だった
寄り迎える雨と

春の安らぎは訣せられ
季節の溜りから
そっとこぼたれ

そぼ濡れる外火のふるえながら吐息する
犬も女もさみだれ ....
長い列車に乗る
弟が先に座って待ってる
向かい合わせになり
二人でハムを食べる
好きだったケチャップ味が
どこまでも続く
入浴もあったが
傷が目立つので
やはり列車でよかった
せめて ....
瑠璃色や萌黄出す緑色と原色の花々が
ゆらゆら揺れている中
灰や雪を見いだすのは容易くはない
家中が電化されていくと
囲炉裏も暖炉も滅多に見つけられず
たまにあったと思って覗くと
金魚や ....
誰にもおそわらないのに
赤を「あか」と感じたり
風を「かぜ」と感じたり

誰も教えてくれないことが多すぎる
生まれてきたのだ、ということも
きっとそうだ

記憶を移しただけで
生まれ ....
部屋ごと寝入りかけた夜中に
開いた窓から鉄の鳥がはいってきたことがある
鳥は遅刻ぎりぎりの
学生みたいに飛び込んできて
その暴力的な勢いと対照的な声で鳴いた
鳥はアルミホイルを
 ....
遠雷が止み
雨の最初の一滴が落ちるまでの
僅かな静寂に
こころ、ふと無になり
空の灰色を吸い込む

程なく落ち始めた雨粒に
再びこころには
水の班模様が出来て
潤う、のでなく
惑う ....
どこかに逃すために 
ついた
ため息が

横隔膜の辺り
胸の底で跳ね返ってきて

鼻の奥で膨れ上がる

   ぼわん

   ぼわん

膨れ上がって
こみあげる

涙の ....
爆音で

歌詞もわからない曲を聴く


触れるものすべてから遮断され

脳みそだけがただよう

圧倒的な浮上

大気と私がかきまじる

地球の自転を体感する


羊水の ....
最後に降った
雪の日のことを
思い出そうとして
思い出せなくて

そこからようやく
なつかしさが
訪れました


うしなったわけではなく
戻りたいわけでもない

いつだっ ....
高校時代に覚えたはずのプリントを、全部捨てることにした。
色褪せすぎた高校一年生のプリント。黄ばんだ。
そこからのフラッシュバック。剛球が、脳に。
もう二度と触れられないものたち。
高校の思い ....
桃太郎の話をしてくれた両親も
物語のおじいさんやおばあさんと
同じくらいの歳になった
今の時代、洗濯は機械がしてくれるけれど
腰が痛いと言うので
今日は妻が洗濯物を干してる
僕はいつものと ....
さかずきが、
まわる


 ひとづてに咲く
 ゆめまぼろし
 を
 
 裂いては遠のく
 かなしげな、
 さめ


ゆびさきに乗る
花びらが、
よる

わから ....
咳が止まらない
名前を呼ぼうとしても
むせてしまう
怪訝な顔をする

胸の真ん中にたまっている
科学雑誌でみた
火山の断面図のように
あかい、あかい

咳をするときは
いつも ....
虹色の服を着た少年が 
壁をよじ登る 

若い母は 
きゅっ と眉をしかめ 
平手で幼い尻を 
幾度も叩く 

( 次男坊は、黙って菓子を、食べていた ) 

母の隣に座らされた少 ....
 日曜の午後 
 鎌倉の喫茶店で 
 「 詩人の肖像 」 
 という本を読んでいた 

 店内の天井から 
 ぴったりと静止した 
 サーカスのブランコのように 
 ぶら下がる 
  ....
吹きぬける冷たい風の空高く
ひかりの鼓動は
静かにそそぐ



雪解けをあつめて川は哭いている
生まれたばかりのわたしの春に


ひとひらの可憐な花は弓使い
瞳砕けて曇りをうるむ ....
胸の中の灰色の重たるい空に
気怠く浮かぶとりどりの飴玉のような
飛行船の数を数える
数えたそばから何度でも忘れるために
門限を破って忍び足で帰った玄関先に
どっしりと仁王立ちしていた母も

どんないたずらをしたのか
子供をガミガミ叱っていた怒り肩も

男の不実の証拠を
ポケットから見つけちゃった隣のお ....
南風に乗って、夏が
駆け込んできた

いつだったか あなたは
疑いなく寄せるそれを
レモンの光、と呼んで
指先で掬い上げて口付けをした

透明な時軸につかまって、僕は
ひとま ....
さあ 遠い 遠いだろう
線路がどこまでも広がってる 遥か
矛盾の地平線を越えて

此処にはもう何も走らない
ただどこかの荒れ狂った国の
少女の吐いた溜息が風葬されるだけ

視点が届かな ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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