一。


バットマンの乳首は黒い。

そんなことを考えていると、
玄関のチャイムが鳴った。
テレビを消し、
けだるく返事をして立ち上がる。
足下がふら ....
休憩室の扉を開くと 
左右の靴のつま先が
{ルビ逆=さか}さに置かれていた 

ほんのささいなことで 
誰かとすれ違ってしまいそうで 

思わず僕は身をかがめ 
左右の靴を手にとって  ....
一弦にふれる
あのひとの
小指をもいで
私の部屋に置いて
爪の先まで
かわいいよ と
褒めてあげたい

私のほっぺの
いちばん柔らかいところに
指の腹をぺたん
くっつけて
好き ....
ときには
顔を真っ赤にしながら
たくさんの風船を膨らませてきました

割れたものも
木の枝から離れなかったものも
見知らぬ空や海の彼方へと流れたままの
ものもあります

それは ....
最初に

小麦畑の8等星のわたしを
見つけてくれたのは
”k"さん と言う方でした。

わたしは 最初
”k"さんは
その作品から
15歳の 少女だと 思って い ....
はじまりは
突然ではなくて
地面に染み込んでいく
雨の速さに似ている

背後に潜む
稲妻と雷鳴の予感
と、その準備に追われる頃
夏の気配はすでに
私の踵を浮かせ始めていた

色濃 ....
レモングラスの川べりから
青い星座を辿ってきたのですね

稲妻をたたえた雲は
あと少しで追いつくでしょう

細いボトルには少しのお酒が残っていて

薔薇の庭にぐるりと張り巡らされた柵
 ....
彼がいる。
此処彼処に彼がいるので、
落ち着いて眠れない。

彼は日暮れになると満ち満ちてくる。
丑の刻を迎える頃には、
遙か彼方まで彼で満たされる。
此 ....
おのれの呼吸が
一つの音であるということ
それは
あまりにも気づき難くて
ともすれば
日々の暮らしの意味さえも忘れてしまう


月の満ち欠けは
暦の通りに
全く正しく空に映るの ....
ああ旅はわれと列車の脈拍をクレシェンドして空へみちびく


山走る車窓をよぎる飛魚のキラリ跳ねるような木漏れ日


つり革のとなりでうかぶたんぽぽの綿毛もうみをめざしているの?


 ....
机の上に三冊の本を並べる。 

一冊目を開くとそこは、
林の中の結核療養所。 
若いふたりは窓辺に佇み、 
夜闇に舞う粉雪をみつめていた。 

二冊目の本を開くとそこは、
森の中のらい ....
その{ルビ女=ひと}とは、ついに重なることはなかった。 
どんなに重なっても、何かが{ルビ逸=はぐ}れていた。 

( 左手の薬指に、指輪が光っていた 

求めるものは、柔らかきぬくもりであ ....
日常の軌道を{ルビ反=そ}れて、
行く当ての無いバスに乗る。 

車窓に薄く映るもう一つの世界の中で、
駅周辺を流れる人々の葬列。 

葬列の流れる行き先に、渦巻いている濁った泥沼。 
 ....
夏子お〜
なに〜い
kiss されたあ

秋男にかあ
うん。
ディープ

よかったやん

よくないわあ
ファースト kiss やたのに〜い

それだけ
想いが 深いって こ ....
セミよ
そんなに急ぐな

さっきから
空を見上げてばかりじゃないか
お前の
自慢のその羽は
ただ
アスファルトを掻くばかり

セミよ
今なら見えるだろう
あれが星座だ
私も昔 ....
あの人に愛された
私の体のパーツ
ひとつずつ
指でなぞっていく

マッチのように
こすったら
残り火は
燃えるだろうか

まだ
私のために
空が大きいこの町で
小さな命が生きている
一つ一つは小さいけれど
空に負けないくらい純粋で
大きな意味を持っている

空が大きいこの町で
小さな命が笑っている
一つ一つは小さいけれど
 ....
うつむいて着替える、
きみの後ろ姿。
どろどろに熔けて、
あいすくりーむが見てた。












           ....
空を行く
風ほどに軽く満ちていたい
鳥の翼を
ささえ得るほどに

空に吹く
風ほどに軽く満ちていたい
様々な音を
伝え得るほどに

何かあるように見えなくて
それでいい
雲はた ....
生まれながらにして入れられた
透明な箱
透明なので見えない
けれど箱
外には出られない

不思議なことに
透明な箱は手の中にあると錯覚される
錯覚されたまま
自在に扱っていると思われ ....
教えてほしい 
あの空の青みの 
ほんの隙間の翳りの中に 
何を見いだし詠うというのか 

たおやかに流れる川の
水底に沈む
ひとかけらの悪意を
掬って頬張った 
その後の嗚 ....
黄昏が
哀しみの手をひいて
波打ち際へと運ぶ

きらきらと
波間に揺れるものを
幾度つかまえようと
泡と消えていくそれは
知るはずのない「永遠」

時計の針を止めても
季節は巡り ....
夜になってから急に 
庭の倉庫に首を突っ込み 
懐かしい教科書を次から次へと処分して 
家の中に戻ったら 
腕中足中蚊に刺されていた 

それを見た母ちゃんは、言った。 
「あんたはつよ ....
愛は、{ルビ脆=もろ}い砂の{ルビ塊=かたまり} 
この手に掴もうとすれば
指のすき間から零れ落ち
{ルビ一時=ひととき}で姿を消す 

優しい陽射しのこぼれる 
窓辺の下にそっと置かれた ....
どこに居ても君が見つけられる様に
僕は世界の中に居続けるよ
負けない様に
空を見上げる様に
手を伸ばすよ

嘘だ
そんな綺麗事じゃない
僕は
忘れられるのが怖いんだ
ただ
一人に ....
ありふれた背中には
きっとそれぞれの想いがある
流れ出した世界の中で
あの頃の事を考える

夏のラジオを聴いて
気が狂いそうに
泣いて叫んだその後に
山の葉が赤くなる頃

何を求め ....
君は控えめに微笑む

今僕がここで笑ってもいいのかなって

君はそぉっと思いやる

おせっかいにはならないかなって

まだ

子どもの大きさしかない君は

その内側で

広 ....
私 帰るから

駐車場で 車に荷物を入れている 夫に
私は 口走っていた

何か言ったか とふり返った時
もう 走りだしていた

このまま 新居になんか行きたくない
結婚なんてしなけ ....
そうしていつも、一つの愛は
踏み{ルビ潰=つぶ}された駄菓子のように
粉々に砕けゆくのであった 

そうしていつも、一人の{ルビ女=ひと}は 
林道を吹き過ぎる風のように
{ルビ昨日=かこ ....
曇り空に
夏が少し薄れて
鮮やかを誰かに譲った向日葵が
枯れた葉を恥じらうように俯いている

風に混じって遠い蜩の声が
髪を擦り抜けると
秋、と囁かれたようで
逝く夏に何か
何か ....
ルナクさんのおすすめリスト(4684)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「_漬けられた夜。_」- PULL.自由詩11*06-9-1
- 服部 剛自由詩24*06-8-31
小指- とうどう ...自由詩10*06-8-31
風船のあふれる部屋- 千波 一 ...自由詩15*06-8-31
夢魔の細くながい舌__〜非公式編〜- Lucy.M.千 ...自由詩6*06-8-31
きみといた夏- LEO自由詩13*06-8-30
青い旗- ふるる自由詩12*06-8-30
「_彼。_」- PULL.自由詩13*06-8-30
ノクターンには逆らえない- 千波 一 ...自由詩19*06-8-30
Like_a_rolling_stone…Go!_Go!- まほし短歌14*06-8-29
「閉じられた本の中」_- 服部 剛自由詩11*06-8-29
逸れた夜_- 服部 剛未詩・独白8*06-8-29
月夜の野良犬- 服部 剛自由詩6*06-8-29
夢魔の細く_ながい舌___〜公式編〜- Lucy.M.千 ...自由詩8*06-8-29
夜のセミ- umineko自由詩14*06-8-28
埋み火- とうどう ...自由詩8*06-8-28
一つ一つは小さいけれど- ぽえむ君自由詩14*06-8-28
「_夏希。_」- PULL.自由詩3*06-8-28
こばと、言葉のアナグラム- 小池房枝自由詩1806-8-27
透明な箱- ふるる未詩・独白8*06-8-27
九月- 落合朱美自由詩2506-8-27
潮騒- LEO自由詩15*06-8-27
歩く花- 服部 剛自由詩15*06-8-27
風の流砂- 服部 剛自由詩7*06-8-27
揺れる背中- プル式自由詩9*06-8-27
北極星は北に見える- プル式自由詩7*06-8-27
少年- さち自由詩19*06-8-27
九死に一生いなり寿司- 砂木自由詩11*06-8-27
晩夏_〜蝉の臨終〜_- 服部 剛自由詩12*06-8-27
ゆく夏- 銀猫自由詩18*06-8-27

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