善いと思うことが
全て善いとは限らない
と言っているこれは
悪である
と言う私は善だろうか
・
宇宙や
自然にしてみれば
悪や善も無いが
人間にはそのルールが必要だ
しかし ....
石が焼ける臭いがした
八月
原爆ドームや資料館
鼓動が早くなる
平和の鐘を鳴らすと
ずっと胸に響く
夕暮れドームの見える河原で
言葉にならない気持ちを
何度も何度も巡らせていた
薄暗 ....
失った何かを
思い出せない
魂は
宇宙の前からあったもので
宇宙の果てを超えるよ
・
魂って何?
いのちですよ
いのちって何?
あなたです
この世に一つのいのち
・
....
可愛いそにさんの分子時計は
停止する日時を予め設定されている
そにさんの胸にぽっかりひらいたやわらかい窓は
重力に晒されなかった不定形の唇
ヒトの内部で心だけカンブリア紀を生きのびた証
....
愛している
世界が
変わっても
変わらない
愛を
氷を入れた
麦茶を
一口 二口
その人を思い
信じながら味わう
・
世界と
他人と
自分とに
向き合ってきたから
今の自分がある
・
生物のなかで
ヒトが一番 ....
壱
観察し続ける人々は、思いのままに生きていない面、人々から変わっていると言われてしまう。
じっと観察し続けていれば、この世に変わっていないものはなに一つないと気づかされるであろう。
....
気に喰わない人がいたら距離を取る
それがまともな大人とあった
距離を取れなかったら?
気に喰わない人が
親だったら、教師だったら、上司だったら
それがまともな大人です
まともじ ....
魑魅魍魎の叫びのように鳴る
アラーム画面をタップ
眠りたい自分から
夢を孕んだ自分が剥がれ落ちた
脳がスヌーズを頼ることを確認し
束の間の静寂に身を委ねた
いつの間にか夢に包まれて ....
からだだけが覚えている水田の記憶は
ずっと底のほうに沈んでしまっていて
どうしてわたしはこの庭に棲んでいるのか
どのようにして生まれ 辿りついたのか
わからない おしえてくれる親兄弟もいない
....
藪の中の蜘蛛の巣に撒かれた水玉の数珠が
懐中電灯に煌めきを返す
片言な星座のものではない美しい生の声で
今にあなたもこうなってしまうよと
鯨の血管は軽トラックならゆっくりくぐり抜けられたと ....
毎週振り絞って
長距離マラソン
ゴールの週末
約束も忘れて
眠りを貪る
目覚めても疲労感
スマホは通知だらけ
防災無線からのメロディ
今日の終わりを告げる
日曜日
街を行く人々は 疲れた顔もあるけれど
晴れた日の隅田川 交わる航跡が爽やかで
素晴らしい朝だから 足取りも軽やかに歩こう
自分を一つ好きになれるかな
愛って、皮を剥いた馬鈴薯だぜ
だから俺の故郷に愛なんかなかった
紳士録にも載ってねえ名前は
この街では沢山の愛の中のひとつだ
優しさは仕舞っておけ、
乱暴な拳もポケットに隠しておけ
奴 ....
あまりに広いお空だと
願いが消えてしまうから
あなたで少し隠れた空が
私にとってはちょうどいい
こんなに星のきれいな夜だから
蜩の歌声
何万年昔のそれと
何万年後のそれは
変わらない歌声だろうか
愛の歌の
※ 蜩=ひぐらし。別名、かなかな。
・
濃い影を
つくる光は光か
光とは
導く存在では ....
歪んだ燭台の中の左手の小指の先端の骨はすでに黄色く、そこでどれだけの時間が流れたのか見当もつかなかった、一匹の大きめの蟻が意味ありげにそのそばに留まり、しきりに触角を揺らしていた、石で作られた建物 ....
衣装ケースの底に今も蔵って有る
レトログリーンに白ドット柄の
スカート付き水着
もう 着れる歳でなくなってからも
ずっと処分せずにいた
これが一枚の写真の様だから
眩 ....
ぎゃん泣きのうれし涙を一度だけ
嬉しくて一度だけでも泣きたいな
斜めからめていつも生きてた
いなかつたこんな人は今までも
いつまでも続く感動の痺れ
まぐれでも出逢えた奇跡
....
結局は、自分のことしか好きじゃないし、結局は、自分にしか興味がない。
結局は、他人のことなんか、どうでもいいし、結局はなにもかも虫が好かん。
結局は、誰に対しても腹の虫が治らないし、結局は誰も彼も ....
残酷な絵だからと
もう誰も教えてくれない
焼け爛れた日の記憶
キノコ雲に被われた
町にいた人々のことを
スクールバスはどこへ行く
地球は机上で分断され
核の傘という見事な絵空事
地 ....
雨を乞う父が安らかに過ごせるよう
夢のなか眠りのなかまで空梅雨
青嵐三十日も遅れて来
雲もなく夕暮れてなお蝉しぐれ
明ける朝にわかにとまどい大暑かな
アイスティーマディソ ....
今は今だ
私という今今という私
私が死んだら私の
今は今ではなくなり
過去の亡霊になる
・
今は 回り回って
すべての今とつながっている
五行歌を書いている今
宇宙の今
あ ....
ながい休みを終えて 心にのこる青
とても気持ちよく泳げた日
眠りにゆく藻や蟹の子どもたちに からだを洗わせ
子どもみたいに 沖でじゃれあって
冷たい層をくぐり抜けられたら
そこにも きみ ....
ちいさなちいさな火花を散らす、とても弱々しくなった、ちいさな晩夏の太陽が、ポトリ、と水色のバケツに落っこちて、やがて秋の陽がのぼる。
太陽色した巫女たちが
羽の弾丸飛ばし舞う
歓声の裏側で
誰かが暗殺された
防弾パネルが必要な
世間の景気を占う
さりげないニュース
スマホに気を取られ聞き逃す
IT授業の机には ....
遠くから夜明けの咆哮トケイソウ
溶けゆくはアイスクリーム木陰の椅子
氷菓子まだまだだめよ母の言い
引き続く夏の星なら三角形
空梅雨のゆくえもどこか淋しげで
さらさやと青葉 ....
宇品港から三高港へ
フェリーで向かう
三十分ぐらいで着くだろう
似島の側を通り
反対側の広島市内を見ながら
昔は船酔いしていた
大人になってからはしない
景色を楽しめる
小 ....
遠い空を
ゆく
つばめの子の
魂は
次の宿に移る
・
今回の生(せい)では
出会ってくれてありがとう
つばめの子だった
その魂
次の生でこんにちは
・
体は有限 ....
港に オレンジ
オーシャン そまる
地下の 喫茶に
ジャズ 流れ
みなとのみえる 丘へゆく
ただ白い道 杖をつきゆく
冷えた グラスが
鳴く ほどの
しめった ....
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