インナーチャイルド
どうしたの?
こんな淋しい岸壁でひとりきりで
しかもそんな薄いスモック一枚きりで
あのね おかあさんかえるのまってるの
おかあさんおしごとしてるから
い .... 
枝々絡ませ絡み合う
裸木の群れ無数無数
暗闇に映え出ては
白銀の異様、
照り輝く
視界に川の水流れ
流麗に透きとほり
ターコイズブルー
その深み溜まりへ
異様の形為す溜まりへ .... 
1584年の天正遣欧使節の後、
反カトリック勢力である
ネーデルラント北部7州の独立後、
オランダ東インド会社の設立と
アムステルダム銀行の設立を見たうえで
伊達政宗は支倉常長に命じて
ス .... 
小さな庭の忘れ柚子
採ってみれば中がブカブカしています
ちょっと前まであんなに固かったのにどうしたことでしょう
果汁を絞ってみたところで焼き魚の足しにはならないでしょうね
この数ヵ月ですっかり .... 
 殊更に云うほどの事でもないが
 冷めたフライドポテトは
 不味い
 二人用テーブルで
 アイス珈琲になってしまった
 ホットドリンクカップを口へ運びながら
 今ここの この 
 い .... 
シン・ジャガのシンは新です。
収穫されたばかりの新しいジャガイモです。
シン・タマは新しいタマネギです。
新しいたまさんではありません。
残念ながら、ぼくはもう再生不可能です。
では、
 .... 
茫洋と祈っている
あなたの声の
哀しげ透きとほる異様、
覆い包み込む
水の辺 
水の辺に
憩う恋人達の
時に時の溶解し、
熱情溢れ流れ
嬉しさ異様な迄
ノイジーにロ .... 
パッと在り
ポッと浮かぶ
瞑目すれば
意識の視界に
貴女の顔、
記憶のなかの
誰かに
似ている様で
誰でもない、
初めて出逢う
顔、顔、顔、
貴女は誰?
貴女たちは誰?
 .... 
少しばかりの軽い眩暈は、暗闇とうっすらとした雪明かりのせいなのか
それとも、未明に降り出した重い湿雪が足にまとわりつくためなのか
たぶん、それは眩暈とかではなくて
朝のうちに歩いておこうとする、 .... 
ちいさな灯りを枕元に遺しておこう
キミが真っ暗闇でも
夢を掘り起こせるように
閉じられたまぶたの下で
かすかに動く気配みせる眼球
昼間の世界とは別に
もうひとつの世界があると知った .... 
光る風光る
風に乗る雲へ
さようならと
手をふる
風の子
・
冬
鈍色の空の
雲間から
光がさしこんで来て
いのちに灯る 
もう居れなくてもいい
もう離れててもいい
それでもいいから
それでも好きでいさせて 
幼いとき
旧電車通り と大人たちが呼ぶ
ながい一本道を渡り
手習いを教わった
空も海もしらない
蛍光灯の平板な光がまぶしい
美しくも醜くもない
手本を右に
半紙をよごしてばかり .... 
 あれは五年前、ぼくがまだ大学院の二年生のときのことでした。実験室で、クロレート電解のサンプリングをしていたときのことでした。共同実験者と二人で、三十時間の追跡実験をしておりました。途中一度でも .... 
自分の為に人の為
努め営むそのチカラ、
『鉄の忍耐、石の辛抱』
ゲーテの格言、幸い抱き耐え忍ぶ
オノレ、日々時々この瞬間に歓び愛し! 
ノイジーに色付き
子供たち帰って来る
小さな校舎に向かい
一人、二人、三人
石畳みを踏み歩み進み
女の子 男の子 女の子
黒いタイツ半ズボン黄色い帽子
足取り確かに形姿くっきりと
皆ん .... 
 ツクツク 
 ツクツク
 ピーヨ ピーヨ
 それが貴女の
 独り言 だったのかもしれない
 と、今になれば思うのです
 病院から外泊すると
 東の窓際で
 黙って 鳥かご .... 
陽の光がまたたくせわしない時
誰もがどこかに向かって急いでいるが
なぜ急いでいるのか
その本質の答にたどりつく者はなく
ただそうであるからという
日常のために急いでいる
気の重くなるような .... 
赤紫の巨きな花弁に
水滴、留まり
艶やかに
膨らむ、煌めきの
球体 二つ、三つ、
繋がりゆきて
浮き立ち映える
真青の天に
やがて
冷やり吹く風に
揺られ震え
ふるふる
巨 .... 
 畔のみちを濡れながら
 駈けて行く少年が
 不意に 透明になってしまった
 もう同じ姿では帰ってくるまい
 寂しさが静かに
 胸を浸してゆく時がある
 貴方と再び相逢う日のない事 .... 
風、そして風の鼓動
空の欠片を集めると
それはいつも爪に似ていた
窓だけが知っているわたしの形
初雪が観測された朝
静かに紙で指を切って
独り言のように
痛いと思った
 .... 
○「バースデー登山」
昨日は僕の誕生日だったので
友人と山に登った
よくこの年まで無事に生きてきたな
と感謝しながら
素晴らしい眺めと池田湖の菜の花に元気をもらった
○「老害」
年を .... 
 
 もううすうす気づいてる
 人生って
 生きてりゃ勝ちって言われても
 楽しいことばかりじゃないんだな
 イヤなこと
 苦しいこと
 つらいこと
 悲し .... 
人として生きた
新しく美しく
朝が訪れた
微かな香りが寺だった
苦しい呼吸
明日がずっと続く
新しく新しく新しく
新しく
笑顔と献身
暗がりに安息があれば
もっとカーテンを閉める意 .... 
永遠と続くような
耳鳴りの海と
目に入るのを遺棄する光線
何も見えない私が
愛になる訳がなく
一時、一時、一年
夢とする
どこを彷徨っているのかしら
暗雲であるということ
誇れないそ .... 
 デパートで 
 初めて父に買って貰った
 Paul Smithの長財布
 嬉しくて愛用し早、十年以上になる
 人前で出すのも恥じる
 レザーの色褪せ
 子供の頃 離婚した父と .... 
光点、
漆黒の海原の最奥に在り
黄金の輝き、
最奥から伸び拡がり在り
死と生のあはひの感触
異様な奇妙な生々しさ
ゆっくりと凍り付き
浮かぶ古月の深緑
錆び付き苔むし
光輝き .... 
絶対届かない詩がある
死者への詩だ
私はまだ生きている
そんなにじろじろ見ないでくれ
独り言は遠い 
柳がゆれていた
小さな氷の粒が
各々太陽を抱いて踊っていた
卵をひとつ割るように
今日という日は生まれた
宇宙がそうだったように
ヒヨドリの声で問う
己とは
欠片ばかりで像を結 .... 
白い波頭が押し寄せ
次から次に押し寄せ
崩れ去ってゆく
跡形もなく
私は 私たちは
何処からか来て
何処かへと還る
再びまた再び、
白い波頭が押し寄せ
次から次に押し寄せ .... 
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