夜中に目が覚めた
真っ暗な部屋に夜がひとり
しんと静まり返った夜が
ぽつんと立って、
なにも言わずにずっといる
朝まで立ちつづけたら
きっと疲れるだろ
よかったら、
ボクのそば ....
まあるい串団子をほおばって、
まあるくなる、
きみの顔もまた、
まあるいお団子、
凍結した滝流れの透明な巨大、
ふと定位する白い部屋にひとり居て
清らかな陽射しに瞬きしながら息し
亀裂走り行く大地のゆるやかに確実に
ぶっとい虹の根元侵食する悪なる力動
純白 ....
神様とキスをして
悪魔と踊る
あの人を
天使はみかねて連れてった
そんなおとぎ話を
想う
酔ってるの
ごめんなさい
魔と魔を均衡させる聖性にて
柔らかく硬く冷たく熱く生き
びっくらこともんどり打って
霜柱立ち、
踏み締めながら
我 自らを意識し、
魂の深みに白く暗まる淵在り
渦巻く純白の ....
お互いさま
と
あるお方が
言ってくれて
救われました
・
からださん
いつもいつも
ありがとう
こころさんも
ありがとう
笑いながら
泣いている私と
すべてのヒトが
いなくなっても
星は光っている
ちょっと気鬱な
月曜日
交差点に
今朝は飛んで来てくれた
白い息吐く
羽黒蜻蛉
その引き締まった脚線は
二対の翅、
着膨れする ときわ木の
林を抜けて
見 ....
人生は言葉さがしの旅であるという人がいる
僕が救われた言葉は
仏教の「四苦」という言葉だ
「生老病死」の四つの苦しみは
誰でも避けられない苦しみであるということだ
僕はこの「誰でも」というと ....
夏を置き去りにして
熱は大気に溶け
甘やかな冷涼
時に運ばれ来る秋に
真紅に染まった貴女
輝き出て私を眩ませ
両手差し出した瞬間
突然到来した冷気に
置き去りにした夏の
呪詛響き渡り ....
2拍と4拍で飛び込んだ
シロップみたいな信号機が霞む夜
アクリルの透明なマンホールの蓋を開けて
雪化粧の過去を見てた
そこにあなたはいない、いないように、いた
境界の塀を歩く旅人
もう ....
人、真に求めれば
それ、すぐそこにある
それ、直ぐ其処に在れば
人、真にソレ求めてたと
証される現
在るもの外から入って来る
感覚される次元の現、
在るもの内から現れ ....
(内臓はからっぽ)死んだ馬の胸の中に、
{ルビ紙縒=こより}で拵えた聖家族が暮らしている。
1:12 a.m. 雨が降りはじめた。
聖家族の家は茸のように雨に濡れる。
小鳥は頭蓋骨に雨を入 ....
手のぬくもりで
小さな氷河期をあたためている
白くもやいだ氷は
たやすくは溶けない
魚は見えないけれど
まだ生まれていないだけ
詩をあたためている
詩に熱を奪われている
あぶくになった ....
いつも真面目な話ばかりじゃ
死にたくなる
時には嘘や冗談もなければ
いつも現状的な話ばかりじゃ
死にたくなる
時には嘘や冗談もなければ
昭和の時代は夢や希望がいっぱいあった
嘘や冗談 ....
○「美しい心」
白一色ではなく
千の色を混ぜて創ります
○「盛りつけ」
ワイフが一個のリンゴを
16等分してきれいに大皿に盛りつけたら
豪華な一品にかわった
○「センサーから」
....
フライパンのうえの未成熟な太陽系に、うっかりと落としてしまった、
君のしろい星のかけらが、
ぼくの宇宙(コスモ)を未だに巡る、ひとつの彗星となっている、
ゆるやかに
意識ほどかれ
やわらかに
見慣れた景色
ふと浮き立ち在り
波打つ岩の割れ目
ゆるりひらいて
見慣れぬ初めての
景色ひろがる光景
ゆるやかに
ほどかれた意識
今ひと ....
現の底から
浮かび上がる
思い出の予感に
陶然と
現の過去の遠さが
俄に近く狭まって
古代の太鼓の打刻音
木霊となり鳴り響き
底の底に横たわる
わたし独りのたましい
融通無碍に踊り ....
関西風のだしがおいしかったうどんの店は
コロナが始まってすぐのころ店を閉じた
よくお世話になってたのになあ
売り上げが落ちてかどうかは知らないよ
四月にはなくなってたから
それで、ちょっとし ....
凍ったフロントガラス
朝日が少しづつ彼らを懐柔すれば
やがてそこは完璧な薔薇園になる
回旋塔のはがれかかった塗装から
こぼれ落ちるドライフラワー
校舎の壁にはヒビの花が
鉄屑には錆の花が
....
――外気温2℃。
深夜の阪和自動車道を
オートクルーズで突っ走る
後部座席には竿がある
目的は、磯釣りだ
前回の屈辱を晴らすべく
ウキをハリス側にセットした
これで仕掛けは撒き餌と同 ....
ドラッグストアのレジのところで
「お疲れではありませんか」
と聞かれるときがある
僕はそのたびに
「いいや ちっとも」
と返す
すると店員が
何か困ったような期待はずれのような顔をする
....
天がすることも
私に都合のいい
ことばかりではない
それでも
これも運命 天の自由だ
・
空を
見ている
私を
見ている
空を
・
宙の闇に
冷えた星が
ひ ....
ゆるせないことを
ゆるすことにより
前へ進めるので
私は振り返り
黙礼をする
年を取ると
悲しむ力さえなくなる
わんわん涙を流しながら泣いたのは
いつだろう?
知人や友人の葬式に行っても
焼香して故人の顔を見て
「お疲れ様でした ありがとうございました」
などと言 ....
異様さの
呪いの深み入り
夜闇に沈む天井の
一角だけ真白い光の帯
凝視し次第顕われ確か在り
終わりから逆算される残余の日々、
生き生きと生き天真爛漫さ失わずに
戻り水を飲みな ....
天使の翼に乗って
羽ばたく花の
聴き入る
北極星の蒼い声、
〈君は何処から来たの?
そんなに冷え切って〉
深い闇の奥から
引き裂く声のヒビキ渦中
深い闇の奥に潜むヒカリ掴 ....
カーテン開ける
東の窓辺は柔らかな
柳の芽吹き おもわす光
三度目に
鳴っていた携帯のアラーム消して
私を 執拗に抱きしめるコットン毛布から
這い出してきた脳みそが
....
ぬれた星を見上げ
渇きをいやす
眼球は
キリギリスを歌う
風見の舌と睦みながら
吐血の祈り
内視鏡では
さかしまに蜷局を巻く
死は累々と
あどけなく惨めに
染みはそのまま
母の着 ....
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