うずくまっていた
   卯の花月がながされて
  田の草月にめざめるとき
  老残は猫背を反りかえし
      両手をかざして
  なかぞらに満ちあふれる
かぜとひかりと星をま ....
冷たい灌木の素足を芝草が覆う
うぶ毛のようなスギナの森
露に閉じ込められて朝の光が震えていた

「友よ お飲みなさい
こっちは先に頂いています もうすっかり
辺り一面へ溶けだして ほら太陽 ....
通りすぎた時
触れ合った手に
金色の光が見えることがある

それが縁というもので

その光がはっきり見えるようになるのは
手が触れたずっと後の話である

縁があった人の思い出は

 ....
菩提樹の下をすぎる風
樹から樹が
葉から葉が生えつづけ
花のように鳥を囲む


火に息を吹きかけて
朝までつづく夜を描く
指と同じ大きさの火
曇の奥の月をひら ....
心は無防備な壁のように
何も言わずに建っているけれど
音も立てぬまま剥がれてゆくのは
真っ直ぐだった僕の懐かしい声

ずっと一人で戦って来たんだ
ずっと一人で隠して来たんだ
 ....
割れ目が口を開く
唸りを上げて滴り
蕩けるキャンディー
眉間に皺寄せ叫び悶え
微細な重層亀裂ノイズ
脳髄に充満し滑走し始める
破滅に向かう忘却のグルーヴ 
発情する爆発する幻想のケダモノ ....
有機的な汚れを拭い去られ
白い月はやはり月なのだな

手の届かないほどよい宙空に
ふんわりきりりと存在している

ちょっとした手順の間違いを
指摘されそうなでもやさしく
流してくれそう ....
猫のうたをたくさん描いた日日
束の間のしあわせと平和をしる
それをしるすよろこびが 実は
のちに癒せない痛みとなっても

そのことである
そのことである
そのことである
猫はもういない ....
いつまで経っても終わらないから
終わらないなら始めないよと
うそぶいて急かします
冷たいシャトルに腰をかけたわたしたちは
地球を発射して
酸素がなくなるまで旅をしたい
まあるい命は重力を綱 ....
誰も彼も理想の世界を描くだけ描いて何もしない
誰もがどっかで絶対望んでいる景色はまだ誰も見たことがない

幸せになりたいと神にすがるように皆みんな口を揃えて唱えて祈っているくせに
産まれてから ....
思いきり行きたいって思いきり思った
思いきり泣きたいって思いきり思った
ただ思いきり笑いたいって思いきり思った
思いきり生きたいって思いきり思った

「昔々あるところに…」なーんて言えるほど ....
「何度も言うけど可哀想にねぇ…」
「まだ小学生だったものねぇ…」
「親御さんのことを思うとなおさらねぇ…」

遅番の勤務について早々に
食事を終えても話し込んでいる
喪服を着た婦人客に水の ....
人は自らの魂の体験を深めれば深めるほど
独りになっていく独り戦慄し痙攣する

繋がりは必要だ繋がりが自らの独りを浮き彫りにする
浮き彫りになった旋律の泡立ち振動こそ個体魂の律動

したら、 ....
地面にめりこむようにして死んでいた
獣は獣として死んでいた
そして
殺したのは私たちなのだろう
忘れてはならないと思う

私もいつか
死ぬだろう
忘れてはならないと思う
死ぬというこ ....
「内緒で10万円貸してくれないか
彼女に子どもが出来ちゃって
堕ろさないとマズいんだ。」

そんな電話がきた

マサアキとは
学生時代からの親友だった
悪戯も悪ふざけも一緒にした

 ....
蔦屋のなかのタリーズで
本を読む君に恋する
このあたりには哲学書や詩集を読む
女子なんぞめったにいやしない

でもちっともキャッチーではない眼鏡っこの君に惚れたのは
僕が非効率な耽美主義者 ....
私はあなたの隣りに居るのに
飾り物みたいに息を潜めて
顔色ばかり気にしているけれど

続きが見たくなるドラマのように
あなたのひと言に心踊らせ
時には突き落とされそうになる
 ....
   風と光が蘇えってきた
早苗月は 青天井の昼下がり
    小公園の原っぱから
      ただよってくる

      それは それは
  卒寿のおひとりさまには
       真 ....
猫の死を看取って
父の死を看取らなかった
看取れなかった
間に合わなかった
タクシーがいけない
わけじゃないたまたま
道路が

父さんの死は私の最初の死、で
その後に仰天の連続たとえ ....
大統領が来るので
私たちの街は
なんとなくそわそわしている

当日は
大渋滞になるだろう
車で来るの やめよっかな
広電ならいいっしょー
みんな人ごとで
どこか
案じて

すで ....
 「条痕」


ぼくは、〈沈黙〉のまわりで遊んでいたことがある。
なんの裏付けも無いことばよりもそれが信じられたのだ。

大人たちの居間で飛び交う〈ことば〉の
ひどく空ろな虚構より

 ....
   さえずりは無制限に落下して
 漲る心臓
内側からほどけ展開する
うすべに浮遊都市
生贄のメリーゴーランド
空を蕩かす視線を
 火の羽衣に包み
牡丹 
  ゆるりと爆ぜ
     ....
初夏の夕暮れ
やわらかい風に吹かれながら
玄関先にしゃがんで
ビオラの花柄を探しては
摘みとる
こんもりと咲き茂る寄せ植えが
あたらしく
生きかえるのが好き

いつからだろう
 ....
1.昔日


白いちじく
くるみ
黒ごま
凍ったラズベリ
松の実
メープルシロップ

海原のような対岸に向かい合って座って
きみが指をしゃぶりながら笑う

もつれる後悔
今 ....
骨折をした年の暮れ
左手で 年賀状を 書きました
蚯蚓ノタウチ回るような 面持ちで
心持ちだけは 穏やかに
ただ お餅だけは
何故か 食べる気が しませんでした

そろそろと流れる  ....
自分とは違い過ぎるものの考え方や
受けとめ方や立ち振舞い

自分には思いもよらない
大胆不敵や厚顔無恥

ああはなりたくない、だとか
あんな世代と一緒にはされたくない、だとか
 ....
消防車のサイレンが街にこだまする真夜中
自発的な夢遊病のゲバラのシャツを着たガキどもが溢れ出て
革命とは程遠い犯行を繰り返す、おお
体制にとって彼らの存在は引っ掻き傷にもならない
 ....
他人の日記を盗み見る生活に慣れて
部屋の桔梗を枯らしてしまった
あんなに美しく思っていたのに

いつの間にか時間が軽くなった
ことで時に重みがあることを知る
あのはつなつのグラウンドの
 ....
乗り込んだとたんに、
眠りが手を伸ばす列車。
眠りの手を掴んで、
ともに溺れようとする頭のなかで、
死んでしまいそうになるのを恐れて、
目を覚ましても、
窓の外は平行線だ。
その平行線の ....
          160520

生まれつきの相違だね
遺伝子の力の凄さには
呆れるね近衛兵の父は
眼瞑っても皇居内は
迷わずに歩けると威張ってた
それが証拠に
戦地に行っても迷子に ....
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