自称キンタマ詩人の
キンタマ王子は
てにをはがおかしいので
しばしば
「お前、それでも自称キンタマ詩人のつもりか!」
と批判されるが
「てにをはがおかしいことを
逆に訳に分からなくなって ....
鏡のなかの、
少女のままの彼女に
メールをする。
液晶の水面は、
音もたてずに目を閉じる。
鏡のなかの少女は私だ。 ....
手のひらに、
とぎれとぎれの物語がまじわるように、
とぎれとぎれの時間のなかを旅している。
風は、
私にまとわりつく
薄い襞を食んでいく。
一衣も纏わぬ身体になった私の心は、 ....
元気くれる向日葵畑は眩しくて短い夏を思い切り生きる
国道を少し進めば田舎町田舎はゆっくり時が流れる
どんな時もその瞬間を楽しもう生きていること実感出来る
黄昏のオレンジ色に浸る街深い ....
いつか説明できる自分になりたいとおもったが
いつも途中でひきかえしてばかり
丘の上の教会の牧師さまを質問ぜめにし
彼の額の皺がひとつ増えたのをみとどけて
それでもつぎなる質問をかんがえつづ ....
家に帰ってきて
ノートパソコンを開いて
ブラウザを起動したら
Googleのロゴが映るはずの画面に
-閉店-
誠に勝手ながら
インターネットは本日を以て
閉店させていただきま ....
木曽路より伊那に
湖の大津市を出て今日一日景色を眺めかく歌にせむ
クリスチャン五十年瞬く間過ぎ神信じても人は儚し
車乗る四人はみんな信仰にいそしむ人にありにけるかも
話し合う ....
冬はなりたての死刑執行人
このぎこちない朝に
辺り一面に自らの恐怖をこぼしてしまう
例えばそれはつめたい雨のしみとして路上に
例えばそれは朝日の顫動として線路の途上に
世界が沈黙 ....
あなたの表情が澄み渡るような青天から
薄暮れの黄色へと変遷する様を
手の平から零れ落ちる砂を見るような非力さで見届け
伏せた瞼に抱き留めていた
もし心臓の代わりに
胸の内に地球が瞬いてい ....
きみが奏でるインプロビゼーション
太陽がさししめすデスティネーション
私はずいぶん整理されたのかもしれない
まるで骨格のように洗われるだけになりたいと
素朴な島人でありたいと心底おもっ ....
きみは
とてもきれいだから
それが理由で
いつか死ぬんだよ
うらやましいな、
冬の檸檬を
ひとつ
ポケットに入れている
きみの感性を
いつだってぼくは
軽蔑してます。
川の中に鳥が三羽
岸に一羽
川の中の鳥は
水にもぐったり泳いだり
一生懸命にみえる
三羽は家族にみえる
話しあっているようにみえる
岸の一羽
みなに背をむけている
別の方 ....
月曜日の朝が
憂鬱なのは分かっていた
いつか誰かが行動すると
期待した
しかし、待てど暮らせど
誰も何もしなかった
許せなかった
自分でやるしかないと思った
盗んだ散弾銃を手にして
....
笑わせてくれる首相を選べれば
{引用=
グアテマラ
}
維新から威信なくなりもう異心
悲しみの透明なあり方よりも楽しみの存在の軽さに
たちまちにうっかりうかれ浮遊するさみしさをのむホットチョコレート
そこからはおはようさまにこんにちはさよならにさよならする憎しみ ....
今日はこのフレームを手に入れたので
このフレームの中で展開を期待しようと思う
秋惜しむ
ホルモンの悪戯に付き合って月が仲裁入ってくる
認知症を恐れて食べたものを思い出す訓練をし ....
夕日のみえる高台で
ぼくはきみには背を向けない
だれかの家路を
見下ろすぼくには秘密が多い
赤面してもわからないから
夕日にそまる高台は
告白するのに都合がいいけれど
ぼ ....
鉄は不可思議の組み合わせ
ひとつにひとつ
燃えさかる蛇
器の海を呑み干すけだもの
灰の駅 灰の汽車
川底を浚い
放る羽
光を終えた光に群がる
凍えた青空 ....
離れてることを忘れ夢中になるそれぞれの布団のなかでのスマホ
ヤジ飛ばす安酒の唾ふりかかりファウルボールで逆襲したい
運命をしょぼい偶然と言い換える趣味の出会いの私の流儀
....
流れ星に祈る願いは自由だよね
好きなこと頼んでもいいんだよね
この内緒の涙を止めてください
この悲しさを嬉しさと取り替えてください
この現実を悪い夢だったことにしてください
流れ星に祈る願い ....
銀杏の葉が落ちる
一葉 また一葉
かすかな気配がする(するはずだ)
木との繋がりを絶たれる
そっと地に触れ横たわる
――オト
わたしには聞き分ける耳もなく
世界は喧噪に満ちていた
....
すきなひとに気軽に
すきと言えないように
きらいなひとにきらいと
言えるはずもない
一緒の鍋をつついても
心にふれないよう気をくばる
湯気があたりをぼやかして
ほんとのことが ....
キンタマ王子は無職だった
42歳で無職なのは体裁が悪かったので
とりあえず何か仕事をしようと思ったが
働くのが嫌だったし能力もなかった
そこでキンタマ王子は
2週間考えた末に
詩人になるこ ....
耳を澄まさなくても
聞こえてくる世の中の音
生活の音が
あちらこちらから聞こえる
「幸せの音」と言い替えてもいい
数限りない音楽がある
聞く人の心に溶け込む潤い
音のある世界 ....
さびしいおもいをしよう
うそのお皿にふたりですわって
わかりあう
を たべよう
べたべたにして
たべおわったら
ちがうドアから かえるのさ
あなたが いるなら
波だって
とまる
たやすく
つめたい 朝日のなかに立ってる
わたしたちは
よわいよね
あなたがいるなら
なみだって
とまる
たやすく
でもまた す ....
ねえ
何で僕が君から一歩遠ざかるのか、知っている?
僕はね
近くにあるものを見失ってしまう人間だ
もしくは無くしてしまう
壊してしまう
何故、毎日お話しなきゃいけない? ....
山椒はけなげな樹だ
人に若芽を摘まれ
実を横取りされても
再び芽を出し花をつける
山椒は優しい樹だ
青葉に隠して
揚羽の幼虫を育て
幼虫に臭いをすり込ませ
ああこの臭い
幼虫はこ ....
心臓の検査で二時間待たされた
結果説明をするのは
驚くほど穏やかな話し方の医師だ
この穏やかさは
草食動物がまどろんでいるかのようなぼんやり
草食動物が説明しはじめた
非常に穏やかにしかし ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135