夕陽が相変わらず色をかえている
美しいとはこのことくらいだ
夜が暗くなるのも目に優しい
当たり障りのない蓋なんて必要か
ナチスが
ハンバーガーにはコーラが合う
....
白い声の頬杖つき
浮遊する無数の魂を
青い宙天で愛でている
[冬ノ雷鳴ハ未だカ 、 冬ノ雷鳴ハ ]
白く輝く乳房の波打ち
巨大な眼球回転する天に
聳える石垣の隙間の住家で
夏の青 ....
あなたは夏をみる人だ
うつむいたレースのカーテン越しに
あなたは白い夏をみるひとだ
窓辺にもたれながら、口をすこし閉じて
花模様のレースの ....
161103
そこに
あったはずのものが
見あたらない
そんなことが続いて
数十年
子どもから大人に
そして老境を迎え
あの世に戻るのだと
人はいう
横町を挟ん ....
ハトが二羽歩いている
なにもない場所で
なにか啄みながら
啄まずにはいられない
生きるために
地べたを歩きまわらずにいられない
うまく歩きまわるには
首をふり続けずにはいられない ....
操り人形のように生きてきて
大人から子供になったような人生で、君を傷付けるなんて思ってもみなかった
姿が見えない
心が見えない
自分の心は丸裸なのに
泣いていることにも気が付かない
....
「その炎は陰影でしかない」
そう言って私の指先を吹き消した
あなたこそが、明かりを灯したというのに
たおやかさは無機の温もりを織り上げて
巻糸は摩擦熱を怯えて逃げ惑う
潮流の回遊に永劫の ....
大人になると嘘つきになると
思っていた
正直に生きようとして
棘だらけのつる薔薇みたいに
剥き出しの自我を絡めあい
傷つけあった
あなたとわたしは同類
どうしようもなく我儘で ....
物々交換していた頃ひとは相手がなにを望んでいるかを考え、自らが欲しているものを手にいれていた
相手が望むもの、自らが望むもの
それをジョイントさせていた
貨幣が発明されるとそれは分断 ....
声 、層成シ聳える時 、
暗闇流れる水音の絶えず
[コレハ ナンダ?]
夢底ノ割れ白く問っても
無言ノ響き、只、、木霊重ね
[アナタハシンデ スベテミタ]
[スベテミタ アナタハシンデ]
....
浮いている
{ルビ圧=の}しかかる重力
月は平衡する
走る遠景を
雨の滴で回避して
狂っている
歩行する緑の
あらがう能役者が噂する
平成の{ルビ螺子=ネジ}
とまらな ....
薄い薄い薄い薄い
透明な、点滴のパックを
銀色に遡っていくもの、の
私は(あなた
手放して、
空気の中へ、
あなたは視界の果てで
輝きを受ける、
あなたはあなたの星空の中
一 ....
秋の蛇口をひねると
空虚がぽとりと落ちてくる
管は水平に都市の闇を這い
水源地は{ルビ紅葉=こうよう}で充たされている
空虚で顔を洗うと
頬がすこし紅くなる
正直な肉の反応に
つ ....
誰かを探す
竹林の静謐に
池袋の喧騒に
アラワレナイ
現れはしない
のか、
もう二度と
洗われたいんだ
その見守る微笑みに
ホッと ホッとして
冷気に目醒て息しながら
な ....
夜の帳おり
扉が開いていく
次々と開いていく
が、
何もない
真っ白な虚、真っ白な虚
みっしり充満するばかりだ
俺は恐怖に襲われ
恐慌の際の際で
時の矢となり
疾駆疾走しながら
....
溢れる海の{ルビ思想=おもい}を
透いた生命の鼓動にのせて
ぼくはきみに語りたい
{ルビ灼=あつ}い 熱い視線の息吹に恋い焦がれ
ひとり 沈んでいった人たちのことを
ふるえる ....
車の中のあなたは雨 避けがたくとりとめもなく
一つの今と一つの場所が移動する 相づちは質量を残さない
「モノローグ」そう題された つめたい彫像として心臓まで
こと切れたままのラジオ ....
大切な人が死んだとき
勿論、ぼくは生 ....
立てかけたエレクトリックベースの
三絃のペグが反射して
眼球の面をにわかにすべりながら
谷底に微かな光を届けている
祈る女の言葉に
二つに引き裂かれたのだ
気が付けばカエルやコウモリばかり ....
万年筆の血液が乾いてしまったようだ
無理もない
数年うっかりと放っておいたのだから
いちにち、はとても長いくせに
すうねん、は
あっという間に感じるのはなぜだろう
風、が通り過ぎていく
....
草葉に風の足音
夏の光の深い底で焼かれる虫たち
夜に置き忘れられた
艶やかな目に乾いた夢が映り込む
生と死の歯車が柔らかく噛み合って
素早く回転する
濃厚で豊満な匂 ....
眠りたいのに
眠りたくない
眠りに堕ちるのが
怖くはない
あまりに眠すぎて
眠りたいという
感覚がもう
分からなくなった
眠りについたら
二度と目が覚めない
なんてこと ....
見えなかった
どうしてだろう
愚痴をこぼし
不平不満ばかり並べていた日々
さえぎられていた視界に
何を見ていたのだろう
誰と比べていたのだろう
私は祝福の中を ....
キャベツ千切りサクサクサクサク鳴りませら
したら意識、
奥まってゆく、 だんだんと
深まってゆく、 ゆっくりと
開いてゆく闇、 漆黒の
隙間隙間に優しい顔顔顔光り輝く
から
いっそも一度 ....
詩人の魂は宙を漂う
世界の響きを繊細に読み取り
心の琴線の僅かな震えを感じ取る
言の葉の海に身も心も投じ
狂おしく悶え苦しむ
時に歓喜の旋律を奏で
時に絶望の闇の淵 ....
太陽の匂いが漂うんです
懐かしいあの土手沿いの道の一画に
両手から
はみだしてしまう大きさの
おおきな亀裂のあるトマト
とうさんが ....
こどもをつくるためになんども
なんども裸で抱きあっているあいだ
ケーキをまえに三人で写真をとり
それを実家や友達にメールしているあいだ
ぼくはずっと
防衛省でコストダウン ....
軽く立ち歩く音 、迫り来る
響く裏廊下廻り 、ペタペタと
君が現れるいつもの時間、
濃密な沈黙にいつの間にか
白壁の前で膝を抱え
白いスリムのジーンズ
相変わらず
君は24歳のまま
....
音の滴、斑点となって飛び跳ね
郷愁、遠く奥から到来する
堪らない憧れ、未知から打刻され
遡行する時間、源頭の水流を浴びる
振動する大地 、脈打つ心臓
終わることのない命
....
今朝、サボテンを
ちょんと切って食べてみた
泣き腫らした目の下の
やわらかい、にくのあじがした
乳白色の空を
アラーム音が貫いた
悪魔が穏やかな寝息を立てている
レースの影が頬を泳い ....
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