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海流を眺める
油絵の具を指で擦った様な道
夜の灯りをギラリと跳ね返し
いくつもの美しいラインが交差する
背泳ぎを見ている
行く先も見えずにただ進む
後に残る軌跡は直ぐに消える
いつか ....
別れ際 凍る言葉に浮かぶ舟 たゆたいもせず 流されもせず
人の波 何に安心しているの 流される事 雑踏の静寂
薄笑い 薄い氷のその下に 黒い魚の影がちらつく
移り往く 山のもみじの日 ....
言葉に溶かした微かな薬
甘く香ってすぐ消えた
だのにどうした訳だろう
僕の胸が痛むのは
ぼうっと空が染まりだす
月明かりに変わり太陽の予兆
石段に腰掛ける年老いた人
賑わいの境内
泣き出す兄弟
少し先には白いテントがある
もうすぐだからね
そう言うとぐずりながらも
うなず ....
遠くに見える軒先の明かりは
線香花火の様に見えました
それは小さく {ルビ朱=あか}く
瞬きをする度に{ルビ滲=にじ}んで
まるで線香花火の様でした
どこかで歌う声は{ルビ囁=ささや}き ....
太陽となりて君に熔ける
太陽となりて君に混ざる
荒がうな
爆ぜるな
太陽となりて君に焼かれる
それはとても熱く
それはとても狂おしい
あぁ今日は雨が匂う
太陽にはなれない
月の影は悪戯に 遊ぶ心をけしさらう
夜気の味なら心まで 味わう思いを流しさる
夜の花というものは 香りで人を貶める
夜風の心地が分かるなら あんこの心もわかりょうか
見えない雨 ....