涸れた水差し
白雨

 
 光に飢えて
 死んだ薔薇。

 僕のは唖になった。
 食卓に赤い染点しみ
 ところどころに、
 あの 暗い日の 思い出が
 甦る。

 ああ、与えてよこせ、
 窓硝子
 満ち足りぬ茎に水―
 僕の瞳に、
 よき涙。

 ところで
 何について語ろうか、
 君、
 詩人は唖になったのだ。


自由詩 涸れた水差し Copyright 白雨 2006-09-25 01:20:54
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