すべてのおすすめ
九月に
花咲くものもあるのだ
愚直な風と雲と
肌さわる空気
苦しみのさなかにもある
はたとした気づきの殴打
群青の宙の下
張りつめる呼気
言ってしまうと
軽々しく浮いていく
....
遠く鳥の飛ぶ音
離さない
僕の耳は手のように
つかむ動きをやめないのだ
地球中の血を力にして
叫ぶ
喉からは出る手のように
何かを欲してやまないのだ
続く
つづらおりの道
....
覚醒の寒流
眠けのぬめり
両端をめぐるもの
みずのようにそこに落ちる
自虐的な痛覚
人からの柔らかな傷み
痛くて痛くて
いたみは体を経て力へと
つながらない傷
繋がれている軽 ....
時空が虚構であることを
何故
僕たちが知らなければならなかったか
知らぬことが
一つの特権でもあったのに
夢の跡をたどり
確かめられるものの
すべてを消し去るために確かめる
片々のひと ....
窓の縦線だけが
くっきりと濃く
あわあわと振れる内部の宙
遠くて近い
雑踏のざわめきは
緊迫する耳の内圧につれ
次第に弛緩し浮遊する
易しい無理を
口びるにのせて
縦線だけが ....