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 暗闇のなかを片輪の百足虫が走る。
 背中は凍りつくように冷めたい。
 十時が一番うつくしい、君、
 髪はながいほうがよい、
 鏡は嘘しかつきようがない、
 だって彼には腹というものがな ....
 さて君の心のうちは傷になるほどよくわかったが、
 それでも君は奪えまい
 その匂いと
 ふたつの瞳
 君のこしらえた憶い出は
 思い出すほど麗しい
 そして君にはおぞましい
 晩年 ....
 
 光に飢えて
 死んだ薔薇。

 僕の{ルビ瞳=め}は唖になった。
 食卓に赤い{ルビ染点=しみ}
 ところどころに、
 あの 暗い日の 思い出が
 甦る。

 ああ、与えてよ ....
 詩が何処へ誘うというのか、
 行きつく処といえば、せいぜい
 薔薇の砂か 酒瓶の底だろう

 私達はいま この安宿で
 たしかに褥のうえに居る
 そうして眠る、嘘つきながら
 
 夜 ....
灰色の空を{ルビ背景=うしろ}に
 黒い背広を着た男、
 街燈の、直立不動の寂しさに、
 北風に、灯は揺れる・・・・・・・その昔、
この道を{ルビ通=かよ}った男が
 そこに見た嘘の女を
 ....
 雨よりも痛い針がある。
 夜よりも鋭い刃物がある。
 憂鬱が、
 僕の胸を刺す。
 時計が十時の鐘を打つ。
   今日、僕は眠った。
   やさしい人は、
  誰も、どこにもいない。
 私は赤い太陽をみた
 それは
 戦場か
 酩酊か
 醒めたくも
 醒めやらぬ憂鬱の眠りのなかだった。
 それは
 文字どおり赤く巷を照らしていた。
 神々しい輝き、
 それゆえに街 ....
 今日もまた日は西より出で東へ沈み
 私の憶い出は汚れた鉄格子の窓を進む。
 雲を破る白い太陽の光は
 さびしく僕の感傷をあぶり出す。
 この部屋に居る僕の心を
 広場の噴水に残された少女の ....
 道すがら、死体に出会う。
 何か不思議なことがありそうだ。

 虫どもの蝟集して、離散する
 万華鏡。

 夏の大気は、夕暮れの香水。
 その{ルビ路傍=ミチバタ}のあかい華。
 ....
 
 雨が私らを嘆かせる。
 つまらぬ遊びにあけ暮れて、
 消えた灯たちは私らの思い出に
 幾重にも滲んで映る、
 明日も
 明後日もない、
 今日こそは優雅に雨は
 私らの心に引火す ....
 夢のような 心軽さで
 私は窓辺にたっていた
 黄色い{ルビ灯=あかり}が漏れていた

 やみがたい 私の心のすき間から

 疲れた{ルビ貴女=あなた}のしぐさのひとつひとつが、
 ....
キクチさんの白雨さんおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
埋葬の前夜に- 白雨自由詩706-11-30
がらくた箱- 白雨自由詩5*06-10-1
涸れた水差し- 白雨自由詩306-9-25
愛と夜の私達- 白雨自由詩406-9-20
氷った街角- 白雨自由詩6*06-9-19
_- 白雨自由詩206-9-18
赤い太陽- 白雨自由詩4*06-9-2
追憶と天使- 白雨自由詩306-8-31
- 白雨自由詩3*06-8-29
きめこまやかな目の裏側- 白雨自由詩206-8-27
葉蔭より- 白雨自由詩506-8-25

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