最果て
tondemon

どろどろになった夜が
行き詰まる

収束された光が逃げ場を探しながら
飲み込まれていく

限りなく肥大した闇が舌を延ばして
ひとつ
ずつ
街灯を吹き消していく




誰もいない列車に揺られながら
行き先もわからない大きな箱に揺られながら
ただ

ガタゴトと響く
確かな音だけが
私をこの世界に繋ぎ止める
唯一の鎖である気がして

しっかりと
鍵を閉める




くらがりの世界は
海の底のように
たくさんの死と生で
行き詰まる

寝ているのか
死んでいるのか
誰にもわからない




ようやく駅が見えてきた
限りない罪が
今日もまた
許された

膨らみすぎた夜が破裂して
もう動かないものたち

舞い降りて
積み重ねた光の


暗く澄んだ空を
少しずつ
かつ
確かに染めて

世界はこんなに明らかで
どこにももう秘密は無くて




列車は止まる
この旅は

改札を過ぎるまでの夢


ここは終点
あるいは最果て















自由詩 最果て Copyright tondemon 2005-10-13 01:44:12
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