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蛙孵る
フェニキアのある川のほとりに小さな村がありました
その村の外れの小さな森には小さな池があり
小さな蛙がわんさと棲んでおりました
ある春の日のこと
1個の卵からピンクのおたまじゃく ....
ところで自分は女性と一緒に川沿いの茶店で団子を食べたり
丘の上の風車を見に行って四つ葉のクローバーを探したり
するはずでしたが いつまでも実現しないので
最近はもう誰でもいいような気がしま ....
壊れた時計をいくつか
この部屋に飼っているので
どうやら時空にちょっとした罅が入ってしまったらしい
ふいに宙の思いがけないところから
時ならぬクロッカスの花が咲いたり
誰のものとも知れぬ指た ....
泣こうとしたら雨がふった
つんとした鼻で雨をみていた
灰色の空は私を受け入れているような
拒絶しているような
知らん顔のような
私と並行なままで
このままどこまでも
いけば知らない土 ....
◇
◇
◇
◇ ◇
◇
◇
◇
晴れ渡った空の青が濃いのは季節の分かれ目だから
あたしは出かけなければならなかった
剥離は目撃しなければいけないのに
お父さんは寝転がってゴルフばかり見ているし
9月さいごの日曜日だからと言っ ....
※誰か適当な女性の固有名詞を入れて下さい
俺はお前の道を照らす一丁のランプになりたい
....
静かな窓のまえに立って
汚いことばをいくつも吐く
うす甘い空に雲がたなびいて
鏡のようにつるつるの水の上を
あかるい色の羽を ....
今日の終わりの夕暮れに
街は開店前の呑み屋のようで
ぽっぽっ ぽっぽっと
灯が灯る
昌平橋から見上げる高架
縄のれんのような柳の木
ぽーっと灯る提灯脇に
昭和の夕暮れ 宵の口
....
{引用=
ハナアブのはねを千切って
裏返すと コメツキ虫のように跳ねた
しばらくすると独楽(こま)のようにその場所を回転していたが
捨てた記憶もないのに 朝になると消えた
僕らは身体を突き合 ....
にわにさく
はなをみている
きょうもきれいに
さいていると
おもっている
はなも
わたしをみて
ひとがいきていると
おもっている
きょうもきれいに
いきてい ....
誤解されて
ひとの役に立てなくなるようなとき
この詩を口ずさんで
しずかな気持ちになるのが好きです
脱力して
まるではだかで抱き合うように
お喋りしながら
ま ....
{引用=壱}
部長失踪
「たいせつな家族を探してください
栗色のロングコート・チワワ2歳、名前 部長
狛江市と調布市の境近辺で行方不明になりました」
雨上がりの駅前、電信柱にカラーコ ....
.
正義はきみの中にはない。もちろんぼくの中にも。それは空にかかっているが遠くではないいつも宙を漂っているがすぐ近くにあるのだ。見ようとすればいつでも見えるのだがきみは見ようとしないなぜなら ....
じゃらじゃらと指があそんでる
手のひらをすべる舟でゆく
月のない
だけど明るい砂の上
大切なものがさらさらと
くびれた小瓶に流れこむ
オールを漕いで 砂を ....
存在するならば
奇跡さえ信じられよう
帰りのバスの中で
母と娘と思しき二人が
楽しそうに童謡を歌っている
曲名も忘れてしまったし
所々歌詞も覚えていないけれど
一緒に声を出さずに歌ってみる
他に何もない停留所 ....
この街の
いたるところにかけられた
モザイクを撤去する
工事がはじまっている
モザイクがかかっていた
懐かしい街並は
高層マンションに立て直され
その中の暮らしは
モザ ....
「あのね、
から物語は始まり、
彼女は電話をきったのです。
金木犀の香りの詰まった壜に、あなたの名前を書いてる、
「か・こ」
シャーレに
なつかしい-あなた
あたらしい-わた ....
珍しい駅で降りた。
どこかくたびれた地下道を歩く。
忙しないOLとすれ違う。
看板で地理を確認する。
慣れてない階段を登る。
ネオンや街灯の少ない地上が広がった。
....
マリアナ海溝の深さに目が覚めてしまったので
朝刊を配りに出かける僕の毎日が
あちらこちらから、それは誰の所為でもないけれど
くの字や、みの字になって寝ている家族の
まぶたが開いてそ ....
{引用=
創造妊娠 よもやま野原
病院の二階の窓は三つとも開いていて、そこへ飛び込めばはらいたは治るかもしれなかったし痛い思いをさせるたくさんの穴を塞いでくれるかもしれなかった。息をするた ....
人を脅したり騙したり物を盗んだりして
ゼロハリバートンのアタッシュケースに現ナマを詰め込んで
北に向かう夜行列車に乗るイメージを抱いている
関東を抜けて東北を越えてもっと遠くへ
トンネルを抜け ....
腹実る夕暮れと
秋に焼かれる日は
何枚かに下ろされる日です
それは何でもない日のことらしいです
南下してきた陳列を
剥ぎ取ってしまえば
口口に言う
あの子の脚は
絶妙なのだと
....
いつもの帰り道を
いつものように歩いていると
知らない道を歩いている
どこかから寝息が聞こえるので
誰かの夢の中だとわかる
寝息を頼りに知らない道を歩いていくと
知らない家にた ....
年の瀬も押し詰まった一日の終わり、僕は故郷のあ
る地方都市で、レイトショーのチケットを買った。ビ
ロード張りの椅子の上で二時間余りを過ごした後、映
画館から外へ出てみれば、夜空からみぞれ ....
漁村の上空には
薄墨を流した
空が広がる
風つよく
斜めに傾く
松はつらく
ゆられている
歩調をゆるめ
この白灰色の村
確かにあるはずの
日常を
一歩ずつ
踏み潰してゆく
お ....
伯父は
酒に酔うといつも僕を責めたて
僕も内心で怒りながらそれらを無視し続けた
伯父は僕の生き方が気に食わなかったし
僕が内気で口数の少ないことが更に腹を立てた
あるとき伯父は
....
こことはちがうどこかで
わたしとはちがうだれか
いまとはちがういつかに
わたしのことをおもっていた
そんな想像するたびに
生きているの退屈になる
今日すれちがった友人より
ずっと近く ....
ハレヤカな日は
ハレルヤ
アレルヤ
金も地位も無くし
しょんぼりしていた
マイダーリン
人間性同様
みるみる
ちっちゃくなった
うなだれた彼を
洗濯バサミでつまんで
....
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