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透明な絵本を
じっと見ている子供がいて
クレヨンを持って
かがやいた笑顔をみせる
(これは何色なの?
としきりに尋ねてくるので
答えに困って
好きな色で塗ってごらんと
うなず ....
カツオに
「こらっ!カツオ!」
って言えるのは
フネだけ
(そんなことないと思うけどねー、波平だって言えるよ)
明日になって
また、あなたのイガグリ頭に
触れたらきっと
チクチクしてし ....
ぼくは誰からも
愛されていると感じたことが無い
付き合っていた人は何人かいる
好かれていたことはある
求められていたことはある
何人目かの君は 愛していると言ったけど
その意味 ....
普段は感じることもないのに
きみが
はいつくばりながら
痛みに耐えて
立ち上がろうと
人々の冷酷さを映し出す
透き通った青空に向かって
手を伸ばした時
ぼくの心に潜む
奥底で ....
叔父がつくってくれた
平べったい玉子焼きをたべてから
小学校にでかける前に
ぼくは儀式をはじめる
父と母がまだ寝ている四畳半の寝室をすこしあけて
二人の寝姿を視野におさめる
それから目 ....
笹を切り ( 橋を渡る
)春過ぎて)風は方舟 )木漏れ日に(うねる瀑布の堰
それは、幾度か荒波を乗り越えてきた稜線
回顧する遠来の砂」
光、深く、奥へ、
奥へと足跡を辿れば
....
政府に文句などない
最悪の事態なんて
タイムリーに通達されるわけない
四五時間後がいいとこだろう
それでも速いぐらいだろう
いま小田原の弟のところにいる
小田原から ....
2日目を迎え
被災地の避難所では毛布の取り合いが始まりつつあると
世話役の青年が疲れ切った顔で
とりあえず粉ミルク、紙おむつが全く無いのだと話す
別の避難所ではミルクを溶かす湯も沸かせないと
....
梅の花の香りを嗅ごうと
背伸びする私を視ずに
君は宙を眺めてる
白いワイシャツ姿の
君の周りだけ
特別に星が飛んでる
君の傍で季節を感じたかったし
まだ知らない景色を
穏やかな気持 ....
{引用=
鳥がなぜ飛べるか知らないように
花がなぜ咲けるか知らないように
人はなぜ生きるか知らないから歩いていける
手を繋いで不完全を積み上げ
明日へしかいけないいのちの行進
あやめる ....
小さなものたちが
それぞれに
自らの場所で躓いている
その中に僕も君もいて
むすうの僕と君が
それぞれに
自らの小さく見える
けれどもほんとうはもっと大きい場所で
同じように躓いている ....
膿んだ傷のある腕を
長袖の服で隠して
調子の外れたハミングは
いつでも古いシャンソンをたどって
彼女はマリーと呼ばれていた
マリアンヌみたいなコートを
いつも着ているせ ....
おやすみなさい
お手上げ 手に負えないよ あなたのせい
おやすみなさい まあお聞きなさい
赤子が泣いている
泣いてる事を伝えたいのだ
泣きすぎて泣き声しか聞こうとしない
顔をぺ ....
間抜け面した偽善者たちへ告ぐ
正義という仮面を被ったお前らを担ぐ
明日になればどうせ全部忘れる
そんな状況をすぐに正すべく
僕が言える事は
偽善者は死ね!
テレビで繰り返される地震速報 ....
近くのラーメン屋は
大繁盛
つけ麺が売り
雑誌に載っている。
行きつけのスナックは
今日もヒーバー
ジャンジャンバラバラ
出血大サービス
喫茶店はいつも
社交場
色々な人に ....
道ですれちがった猫が
めすかもしれない
ということを
たしかめるために
あとをつけて
さわろうとしても
みをかがめて
さけられたから
世間から
拒絶されていると
いうことが
わか ....
鉄鉱石の中にある海を
小魚が泳いでいく
夜の明けない方に向かって
今日は海が重すぎるから
いつまでたっても
カモメは空を飛べない
そしてわたしは
シャボン玉の作り方を
....
整えられた部屋のなかで
足をそろえて座っている
でもつま先が冷えるのは
仕方のないこと
海や山や空をゆめみて
窓の近くに立っている
ほそい雨が降り出して
つま先が冷える
た ....
昼休みのことだった
窓を過る影と鈍い音
次の瞬間に聞こえる悲鳴と溜息
今日、同僚が飛んだよ
別に珍しいことじゃなかった
俺はイヤホンをつけていて
隣の席の同僚は耳栓をつけていた
取り ....
それはもうどこまでもはてなく
雪の原なのか それとも 雲海なのか
もう わたしの目には、区別がなくて
光をもとめれば
中空にむかうほどに 罪をとう青天は
くるしいほどに ....
暗
闇
の
中
を
降
り
て
く
る
糸のような雨は天国から地上に降ろされた蜘蛛の糸
かもしれない。白く刷毛ですりおろしたような雨た
ちは地面を捉えようとするのか、地の底の底 ....
君からの手紙
鉛筆書きの文字
少し踊っているけど
温か味がある
手書きっていいね
何回も消した跡
少し力の入った筆圧
便箋を太陽と重ね合い
君の面影が映しだされる
eメ ....
いのちの綱を両手で握り、彼は崖を登る。
時に静かな装いで彼は足場に佇む。ふいに
見下ろす下界の村はもう、{ルビ生=なま}の地図になっ
ていた(少年の日「夢」という文字を刻ん
だ丸石が背後の ....
世界は落ちると 勘違いしている人がいる
日を吹く電気の中を砂利に映る食べ物へと
浮かぶめも ひっぱるくころの子も ここを
血の汗のある眺めに
愛のある無に
なみかぜ え そう
外れうく ....
犬はもう誰にも
愛されないの
自由を求める
詩人には猫好きが多いから
ところが私は
一見すると
セントバーナードに
そっくりな
典型的な犬顔だから
今はもう誰にも
愛されないの
....
カーボン紙に
まるめた銀色を
叩きつけたような
激しい空の下で
ぼくたちは
15回めの
約束のしかたを確認した
あれは
冬の日だった
たしか
冬の
寒い夜おそくだった ....
もう少し
視野を広く持ちたくて
川の土手で写生していた
目の前を一頭の牛が通り過ぎて行く
あれを描けばよかったのに
川の土手で都会の高層ビルを描いていた
そこで暮らす自分の姿を ....
はたちのころすっていた
くうきをおもいだした
そらやきのにおいがした
きみのにおいも
おいかけるために
ひつようだったのだ
すんだくうきを
おいこして
まってい ....
ピキは犬ではないのかもしれない
犬だと思ってドッグフードまであげていたのに
買ってきた犬図鑑に載っているどの犬とも
その形状は一致しない
図鑑の犬はすべて四本足なのに
ピキは六本 ....
あの、あの部長がボケている
アクション付きでボケている
目の当たりにした若い子は困っている
意味が解らなくて困っている
部長も困っている
意味不明なポーズのまま困って ....
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