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1962年の足をかじったらイブ・クラインの青
生まれたてだから味なんか臆えてないのに蘇る人体測定
「生きていてよかった」
わたしのかげはぐれてしまったのに
その食堂はうらぶれた路地裏にあったが、薄暗い路地にその食堂の入り口だけ煌々と灯りが点っていた。いつでも結婚式が行われている。食堂の食材は何処で調達したか、随分と脂分の多い肉と水ッ気のない葉野菜と萎びた ....
お肉
こんばんわナスです
トマトの坂をこっぺり帰る
キュウリギリスは寒さで凍える
お肉は肉でも何肉かわからないが焼けばイケるゾ
ナス祭り
トマトの ....
空白は皿の上に在る
私はパンを籠から取り
ナイフで割る
そして
硬く焼きあがった皮を千切り
ワインを飲む
空白はやはり空白のままで
給仕が皿を下げ
新しい皿を私の前に据えた
....
無防備な網膜を焼き尽くすように
太陽が全力で燃え盛るなら
私は夏の夜になろう
草いきれの温もりと一番星の子守歌
小さな背中をくすぐる風で
零れた涙を何度でも拭こう
私の祈りは雲にな ....
本の索引をめくる
たくさんの指紋がついている
たどって行くと
エスカレーターがある
エスカレーターに乗って
植物の茎を昇っていく
やがて一枚の葉が終点となる
葉の先端には小さ ....
猫の死体につづく道は下水道
たいせつな宝物たちはぜんぶ捨てて歩いていくことにした
わたしとても自由だわ
愛するあの人も今じゃもう思い出せない星屑
人のいない水族館みたい
うろこの冷たさや動物 ....
古ぼけた
駅の路線図にある
黄 赤 青 緑のライン
一番先っぽのほうは
背伸びをしても
よく見えないが
「とりまる」
と書いてあるように思えたから
「とりまる」「とりまる ....
人生の
のこり二十年くらいのところに
臍がある
むかし
へその緒と
つながっていた
臍
かつて
命を
食べていた
臍
いま
生を
食べている
臍
私には
....
食卓の{ルビ笊=ざる}の上に置かれた
柔らかい柿達は
それぞれに傾きながら
ひそひそと、会話をしている
( 厨房では蛇口から
ぽとん、ぽとん、と水が鳴る )
初老の ....
あったかもしれない
かこけいとしての
あしたのひるのさんじ
海底では土ぼこりがまった
まっている
まったほこり
ふかんすると
キラキラしたりもした
海流がみつかるだろう
バザーだ ....
鳥のはばたきに
まばたきを
する
そのときの
渇きを
おとそうと
その丘に
細い針を
刺す
みな水
ならば
乳首にも
臍にも
飲んでもらえばいい
消えうせる
突起も
穴 ....
主人とモールに行きました
EUインポートの店でいろいろ買って
はやりの膝上ブーツと
冬用のスキンケアを一揃え
お腹が空いたのでステーキを食べようと
お店の前にいったら混んでいて
人が並んで ....
廊下に立っていなさいと怒鳴られ
私と隣りの席のこんちゃんは
はっと青ざめ しーんとした教室を出た
社会の授業で地図張をひく練習中
いろんな場所を見ていた私達は
すっかり楽しくなって
あ ....
「木星のしま模様が今年は一本なくなりました」
ちのないガスかたまりみたいなうえ
たつこともできず
なにしてるのかとおもえば
くらいくらくら
くらがりになれたせいか耳でみることができるように ....
君の涙は
石を穿ち
やがて
川の流れとなり
滝の瀑布となる
僕はその涙に乗って
君の失った宝を
探しに行こう
流れの先に
きっとある
遠い昔に埋もれた
君の本当の
ある ....
惨事のあなた♪
惨事のあなた♪
あなたの惨事〜♪
今、銃を手にした警官隊が
シャッターの隙間から店内に
一斉に突入いたしました!
今、警官隊が突入いたしました!
店内か ....
きみらをやさしく見下したくなる
そんな 神様日和には
エアコンのきしみすら雨の音に似てしまう
恋について話し
家について話し
仕事やお金や殺し合いについて話し
噂も嘘もチョ ....
砂と瓦礫の上、子供たちが石のような目をしてそれを投げ合うとき
わたしはぼんやりと胃凭れ気味な朝を迎えます。
やわらかくなめらかな肌にすりつぶして、塩コショウとマヨネーズをかけてそれを食します ....
何か新人の営業マンのような態度をしている自分自身や
この遍質的な 会社側の 遠い過去からであろう
塊の疲弊した その死んだ 体質よ
一度きりだが
多分とても適当なのだと私はこの状態に理 ....
墓へ続く小道を
厳かな気持ちで進めば
先にいったひとたちの
足跡が静まる
あいだあいだに咲いてる
花は美しすぎて
手折ることはできない
みなの胸に刻まれる
永遠を夢みる
大木 ....
君へ
10歳のお誕生日おめでとう
君と歩んだこの10年
いろんな出来ごとがありました
いつも保育園の行事では
私は一人君を見るために参観し
余裕のない私に
満面の笑みで私を見る君 ....
101020
キュウロクと言ったら
9600型蒸気機関車
大正の初期に純国産機として生まれ
長い昭和時代を日本全国を駆け回り ....
本当に、本当に大切なことって
口に出さなくても、わかる。
言葉は要らない、と言うとキザですが
言葉が出てこない、と言うとオシイ気がする。
あなたは、どちら派?
私は、いつもオシイ方です。 ....
影の中に風景を見つめて
私は 何となくそこで 目を閉じる
夢のイメージは そこには無いのだと
そこにある日だまりに座り込み
そこにある体の疲れで
目の中のそこで 眠る
目は眠る ....
創世記
毛の生えたチーズ
毛の生えた石けん
毛の生えたキャンディー
毛の無い性器
手っ取り早く金持ちになる方法
花束を買って帰る
(鉢植、観葉植物は不可)
摂 ....
プルプル
携帯電話がプルプル
マナーモードでプルプル
プルプルのゼリー
ゼリーの中に子ども
子どもは内側から食べる
だからますます
ゼリーは大きくなり
携帯電話は擦り切れ
....
君の機嫌が良いとき
靴下を買ってきたとき
仕事帰り
今日も駅の中の靴下屋で、カラフルな靴下を、一万円分買ってきた
押入れの中には、君の靴下がいっぱい詰まった箱が2箱ある
「わたし ....
あなたはわたしに「ななし」と名付けた
それ以来わたしは薄い皮膜を漂っている小さな虫。
光らない星、開かない窓、結ばれない紐、濡れない傘、
ない。ない。ない。ということでしか ....
不可視の波動を遠くへ飛ばす
(波動は見えると彼は云ふ)
石に触れると暖かい
(無機物にこそ宿ると云ふ)
電車は今日も軋んでいる
(ヒトには向かぬと彼は云ふ)
頭上を無尽に飛び交 ....
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