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太陽が帆をあげて
シャツの内側の漁港を照らした

さえぎる言葉のない純粋な心臓を
切り裂くように 糸を縫うように 流れる光
家々の屋根が風に吹き飛ばされ
海辺のように 透き通る空に 舞 ....
丸々眠る母の腹から
黒々丸い烏賊の目が
こちらを見ていた。
ここに
この収まり方はどうだと言わんばかりに
長々
見ていた。

 ありがとう
 お前も帰ったの?
 お母さんも帰りだか ....
 
 
犬が僕の名前を呼ぶ
僕が返事をする

また犬が僕の名前を呼ぶ
また僕が返事をする

そんなやり取りが愉快で
何度も繰り返す
そうしているうちに
犬も僕もすっかり年を取った ....
君の
長い
黒髪

櫛で
すき

風に
靡く
黒髪

影を
生み

肌に
つく
黒髪

指で
触れ

床に
散る
黒髪

汗に
湿り

椿が
 ....
悲しみは空っぽな鳥かごの中
小鳥は遠く離れて野原の地面の下
ひとりぼっちで目を閉じ埋まっている
柔らかな羽毛に包まれた小さな体は
土が含んだ夜露に濡れて

悲しみは流れ星の掠めた夜空にいつ ....
ことばは
言の葉で良かったなぁと思っている

言の歯だったりしたら
虫歯になったり
何かに齧りついてしまったり
いろいろと痛そうだ


という文字は
漢字は
他にも沢山あるけれ ....
いま「時」は体を{ルビ傾=かし}げて、私にふれる 
あの不思議な金属音に 
私の感覚はふるえる、そして感じる 
私にはできると―― 

(それは遠いスクリーンに 
 映し出されている、まこ ....
月はひとつで

星たくさん

孤高に見える星だけど

星にはたくさん仲間がいます

でも月も

青に寄り添う

せつない愛です

それがなんだと言われても

そう思う
 ....
わたしの天使は飛び降りる
高い塔からまっさかさまに
天使は翼を広げたまま
わたしへ向かってほほえむだろう


雪が降るように真っ白に
翼は光る冬のはじめの陽射し


   わたしの ....
水の音に、
さらわれてしまった、
まるで、体は、
どこにもないかのように、
流されて、
くだけた、

服にまとわりついた
みずの、おとだけが、
私をぬらして、
ずっとずぶ濡れだった ....
 
 
頭からキノコが生えている
抜いて良いものかどうか
水や肥料をやるべきかどうか
などと迷っているうちに
毎日少しずつ
キノコは大きくなっていく
キノコ生えてるよ
と心配していた ....
白い砂浜をあるいていると
神さまがいらしてね
あたしのあたまんなかに
鳥をおいてった。
その鳥がいうには
夜のむこうがわには
せかいのおわりがあってね
あいする
ひとともの ....
イラついて
鬱血した脳髄をガリガリ齧りたくて、どうしてもそうしたくて
釘抜きで顎を削っていたら鈍臭い音がして
俺の口腔には脳漿の雨だ
舌の上に降るたびに目映い光が…
 ....
本当の欲望の姿は尖った鉛筆の芯で軽く打った点の様なもので
ともすればまぶたが落ちそうなこんな夜こそ
俺はそいつの姿を見なければならない
死んでいけばいくほど
生きようと ....
(みっつのおはなし)



エニシダは、立派な低木樹です。
あたしの背よりも少しだけ高い
ちょうどいい面もちをしています。
毎年、雲雀たちが
無数にからだを駆け抜ける季節には
 ....
だれかが天上から
そっとオールをさしいれてくる。
凪いだ水面のようにしていた雲はしずかにわれ
そこから幾本にも分かたれた
まばゆいばかりの光の束がおりてくる。
はじまりは右のオー ....
あたしたちを支えあってる重力は
ぶらんこみたいに
そっと息を詰めて
あたしはむせかえるようなひかりに
あたたかな胸を浸して
果てなんてないような
ひどく澄んだひだまりと
おも ....
流れる弦は海に着かず
草を結び 澱みを巡る
去勢された犬は人家へ帰り
牙を抜かれた犬は土に還る


見えない凧を追い
海辺を馳せる
見えないものは 光り光らず
浪と岩 ....
並列運転でのろのろと自転車をこぐ
パーマのとれかかったあなたの髪を
ふやけた空が切り取ってる
あなたは時々私の二の腕をつまみ
ニヤリと笑ってみせた

季節は無情にも過ぎていくというが
そ ....
深い深い場所にいる
誰にも言わないで
眼を逸らさないから
言葉に縛られたまま
堕ちるまで見ていよう
すべて失ったときに
縋るしかないと
そのときまでは
深い場所を泳ぐ
いらつきは雨のよう
ホームに駆け下りたら
行ってしまった電車
半分だけ見て出た映画
飲みかけのアイスティー
しおりをなくした小説

時がたっても
大人になっても
ぜったいにゆるす ....
あおぞらにふれることのなかった雲に
おやすみと声をかける
届いているように見えたのは
錯覚だから
あなたは泣かなくてもいいんだよ


秋は
なにかがたりない
地上の彼処に ....
夕日が
熟した柿の実の中へと
沈んでいく
静寂が生まれる瞬間だ
紅葉は色を落として
深い眠りについた
幾つかの音を拾って
風が遠くからやってきた
心音に重なる
騒がしさが消えて
耳 ....
朝起きて 大地を読み
今日吹く風は西か東か
空気は何色?
お日様は見えるのかと
空に聞いてみた

決まりなどない
どこ吹く風
今決めるのさ 今求めるのさ

風の匂いは  ....
六月に運ばれてきたその娘を
誰からともなく
Juneジュネ、と呼んでいた
体育の授業中に倒れたそうで
ブルーのジャージの上から
医者の武骨な手が
ポンプのように胸を押す
イチ、ニィ、サン ....
パウルス・ポッター

四百年の向こうから牛がしばらく自分を見つめていた
牧草が広がり、緑色から水色に薄い空気が融けていく低い彼方の地平線に建物の塔が棘のように刺さっている
遠く平地から此処まで ....
予め
蕾は刈り取られていた

頭上を
越えていった
鳥の名前を知らない、
車輪のあとに立ち尽くす
わたしの肩を抱いて
そっと
目を伏せたあなたの

手と、
手を
重ねると
 ....
  6つ全ての面に
  60と書いてある
  拳大の立方体
  それにそっと手を触れると
  彼は吸い込まれてゆく
  ゆっくり
  60分かけて



  彼がすっかり吸 ....
遠くの向こうから眺めていたら
誰かと思って近寄ったら
案山子だった

今にも動きそうな気配を漂わせているのは

こがねいろした稲穂が風で波打っているからだろうか
生命に溢れた大地に自分だ ....
突然降り出した、
ガラス色の雨。
失恋の涙にも似た、
ガラス色の雨。

梅雨の終わりに降り出した、
ガラス細工の雨。
雲というガラスが砕けた、
ガラス細工の雨。

傘を差している背 ....
乾 加津也さんの自由詩おすすめリスト(4804)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
風の生まれる- 古代 透自由詩5*11-11-12
烏賊の目- オイタル自由詩3*11-11-12
埠頭- たもつ自由詩211-11-12
椿- りり自由詩1*11-11-12
悲しみ- salco自由詩8*11-11-11
言の葉- 小池房枝自由詩311-11-11
天のポスト_- 服部 剛自由詩611-11-11
せつない愛- 吉岡ペペ ...自由詩711-11-10
わたしの天使は- 石瀬琳々自由詩11*11-11-10
水音- ballad自由詩711-11-9
見守るキノコ- たもつ自由詩711-11-9
貝殻のような夜- Lily Philia自由詩511-11-9
脳男・マストダイ- ホロウ・ ...自由詩5*11-11-8
そうしてこの部屋は留守になる、すべてが—すべてが。- ホロウ・ ...自由詩2*11-11-7
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オイフォリ- Lily Philia自由詩311-11-7
スイングバイ- Lily Philia自由詩411-11-7
夜とけだもの- 木立 悟自由詩211-11-7
秋空に慕情- モリー自由詩11*11-11-7
誘魚- 自由詩311-11-7
いらつき- はだいろ自由詩511-11-6
秋は雲のようにやさしい- とろり自由詩1111-11-6
秋景- 花キリン自由詩411-11-5
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ジュネのため息- 御笠川マ ...自由詩311-11-4
パウルス・ポッター- m.qyi自由詩211-11-4
旅路- yuko自由詩911-11-4
キューブ60- 草野春心自由詩611-11-4
案山子になりたくて- 灰泥軽茶自由詩4*11-11-4
particle_glass_rain.- 雅寛自由詩111-11-4

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