すべてのおすすめ
ちょっと時間がかかりますよ と言われて
会社の休みの日を 指定した歯医者
歯を抜くなんて 何年ぶりだろう
朝から麻酔注射の痛みを思い出した

テレビでは オリンピックの火が来るため
商店街 ....
窓際 春のはじめの陽に
鉢植えの花が咲いてゆく
緑の葉が孔雀のようだ
朝と昼と夜が流れている

その少し離れた台所の隅に
チューリップの造花がある
流し台のガスコンロの近く
ひそりと赤 ....
ひなごおり の よ
しずむつち はしゃいだ
わたりふね にがして

そろりと りょうて
あたたかく ないた

つめにかけた おまもり
しろいくも の ひも
稲刈りをしたら稲についた菌が
米粒を石のようにころころにしたのが
意外と多く
出荷前に手作業でつまみだす
ついでにゴミも

ゴミ
と言っても うっと手が止まる
米の中 菌のころころと一 ....
やっぱり残業してから見舞いに行くと
二十歳の彼が仕事を続ける
おじいさんの入院で家族も忙しいのだろうが
今 自分が抜けたら仕事も大変だと見極めた
この二年近くで働き 大人になったなと思う

 ....
真っ直ぐな棒は
水面に
真っ直ぐに写らない

水は集められた檻の中でも
ゆらいでいて
少しの風にも
ついて行く

熱さがよれば熱くなり
冷たさが触れれば冷たくなり

真っ直ぐだ ....
食べるのならあげるけど
おそるおそる声をかけられた
手に持っていたのは 漬物のようなお菓子

中国の方から戴いたものだという
仕事がらみのおみやげで
自腹でせっかく持ってきてくれたものだけ ....
かぶとの木と呼ばれていた
通学路沿いの
道から少し滑り降りて入る草薮の中の
真ん中がくり抜いたようなくぼみのある木

樹液が蜜のようで 夏にもなると
かぶと虫や  ....
目覚めろと夫が言う
育てた花から種をとり
今年蒔いたものが発芽した
花はいい
はやく お前も目覚めろ
水と陽射しを気にしながら
隣りでいう

と それは
パソコンに向かってる私が
 ....
寝苦しい夜 はみだした足が
そろりと風を止まらせた

畳の上を這う 小さな羽虫の陰

名札をはずしたつもりになっても
はずれたくない場所がある

どこからもひ ....
介添えの眠るお天気雨
ふくらませたかかと
眼を覚ませば

占いのためにだけ
花を摘めない人がいる

なくした言葉を入れる
風の器は すぐに壊れ
花の行方に問いたかったのに

ここ ....
枕の高さの分だけ
浮いてる孤独

しわのように
なみが 追いかけてくる

向きを変えたいけど
やっと こもってきた熱だから

隙間に入り込む外の風を
力なく拒む

しろくにごる ....
折れた枯れ枝に添ったまま
消えていく水時計を持つ土色の葉

陽射しを後にした地の床への風くぐり
通りの方から聴こえる小声

渓谷は乾き こぼれた石
切れた羽に 埋め込まれ

飛ぶ ....
いえでします
と書き付けて机に置いた

小学校に とりあえず向かう

誰に叱られてだったか
何故か知っていた 家出というものを
はじめて決行した 小学一年生の時

きょろきょろみた  ....
花の咲いた間だけ
とげに触れぬように

見張るように透明なコップに
移し変えたのは

空の下で枯れるすべての事から
逃げるためですか
守るためですか

とげよりもおそろしい指で
 ....
サンタになる
と 義父が言ったのは 六十歳になったあたり
子供の頃からの夢だと言い
衣装をそろえ 駄菓子を買い込み
白い布など用意したので

義母は 義父用に衣装をつめたり
白い袋にした ....
黄色から赤信号に 変わった
コンビニエンスストアの 前の交差点

朝 うっすらと雪で凍っていた路上も
お昼を過ぎる頃 スリップする心配もわずかに緩み

直進の列に いつものように 並び
 ....
硝子細工の
幾つかの重なりは
小さな風の溜まり場をくるくるとかき混ぜて扉を揺らし
丘に続く小道を夢見るのです

夏が降り
気まぐれな模様を織りなして
あのひとの指に留まった雨粒が私の
 ....
江ノ島の砂浜で、
少年だったわたしは、
父とカイトを、飛ばした。
父の、大きな背の、
後ろで空を見上げる。
埋まる足元と、手につく砂。
潮風に乗って、
黒い三角形のカイトは、
糸をはり ....
乾 加津也さんの自由詩おすすめリスト(4819)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 砂木自由詩7*08-4-27
花人形と陽- 砂木自由詩15*08-3-23
そうそらに- 砂木自由詩5*07-10-13
でも_まだ_だ- 砂木自由詩5*07-10-1
空を描こうと思って- 砂木自由詩9+*07-9-23
水面の棒- 砂木自由詩9*07-9-5
困る- 砂木自由詩11*07-7-23
ノスタルジア・メロウ- 砂木自由詩13*07-7-20
花と- 砂木自由詩13*07-7-7
刻塔に渡る- 砂木自由詩16*07-7-5
誰も知らないけれど- 砂木自由詩13*07-5-20
古蝶石舞- 砂木自由詩13*07-4-5
古蝶石葉- 砂木自由詩16*07-3-26
読まれない書き置き- 砂木自由詩22*07-2-18
きっと_いつまでも- 砂木自由詩20*07-2-4
トナカイの夢- 砂木自由詩22*06-12-24
暮れの路上- 砂木自由詩14*06-12-19
或る夏の理由_「風の通り道」- 藤丘 香 ...自由詩33*05-5-21
点のカイト- 光冨郁也自由詩905-2-20

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