すべてのおすすめ
あれはもう 海などではありません
すべてを喪失させる
漆黒の 巨きな悪魔の使い
瓦礫のやまの影に
行き場をうしない
銀鱗をわずかにみせる潮溜まり
確かにあのとき あたしは泳いでい ....
地面が腫れるから
迷子になって
肝心な時に尻込みするから
奇妙な洋服を着ていても
目立てない
いつもの と片手を挙げる
少しだけ非日常の感覚も
見慣れた頃には ....
水に流れない塵が
水のなかから夜を見ている
水と 水ではないものの影
常の渦 常の渦
遅れる光
手になじみ
音の背の丘
曇と息は見つめあう
痛みの矢 ....
ハイネケン飲みながらストライクとばす。
ストライク、ストライク、ストライク、ガーター、ターキー、ターキー、ストライク。
祖母の七回忌の知らせを知って、
自分が引きこもり始めて七年経つ事を ....
どうして涙がでるのだろう
水に戻ると書くように
海から生まれた僕たちの
からだの中の塩分が
外へゆこうとするからなのか
どうして涙がでるのだろう
広い世界のかたすみで
こんな ....
合浦の浜に藤を見に行くのが好きだって
ばあちゃん 僕にお菓子を買ってくれて
二人してバスに揺られて 行ったよね
桜も沢山な公園だけれど
その頃は いつも人が ごったがえしで
僕は ....
合浦の浜さ 藤ば見さ行ぐの好ぎだって
ばっちゃ わーさおがしば買ってけで
二人すてバスさ揺られで 行ったっきゃね
さぐらもてっぺな公園だっばって
そったどぎだば いづも人っこ ごだごだ ....
関東大震災時のデマゴーグから何を学んだか
今はお墨付き精度の数値で風評被害が拡散する
マイクロシーベルト、ベクレルとゆー単位の定義ではなく
習い初めた言葉の音響に不安を投射し踊る羊群
情報化社 ....
その店はあった。
丘の上にポツリと立ち、遠く工場の白い煙がもくもくたなびいている。小さな木製の看板に無造作に書かれた、種屋、の文字、周りはトタン板で覆われ、回りには見たこともない草が生えている。 ....
しずかな場所へきた
きりんがいたので声をかけると
一瞥し
首を振り 遠くを見つめ返事はかえってこなかった
遠くに子豚がいたので
声をかけてみると
子豚ではなくきりんが返事をした ....
人の怒り
兎の悲しみ
牛の痛み
マンモスの憂い
ゾウリムシの儚み
蠍の板ばさみ
イソギンチャクの絶望
カワウソの焦燥
蝮の煩悩
ウォンバッ ....
生きる事、それが日々を告白する事ならば
僕は日々を生きている
そう考えていいのですか、先生
あなたの言葉が思い出せないのです
あなたの言葉がわからないのです
先生
あなたは裏切 ....
あの娘は日傘をさして
ビタミン剤が頼りで
シミが増えたなんて
いつもひとりで騒いでいます。
おまじないが大好き
神様は友達で
毒林檎を握りしめて
そっ ....
娘が誕生日にプレゼントをくれた
そういえば
最近娘とは会話もしていなかった
細長い化粧箱
包装紙をやぶいて中を見ると
ドライバーが一本入っていた
私がそれを手にするのを確認する ....
うなぎを食べた
隣のひともうなぎを食べていて
少し泥臭いと呟いていた
このひととうなぎは 少し泥臭い関係なのだと思った
今日はうなぎを食べたし
ま ....
ゴリラーマンに似た男が言ってたけど
桜がなんであんなに ....
六本木一丁目の駅から、
スペイン坂をのぼり、
それから、
桜坂へ向かう歩道橋で、
夜桜のまっただなかに。
ぼくは、
何度目かの、
デートとなる、その37歳の女の人と、
オープンテラ ....
言葉
声に出されることはなく
音として空気を震わせることもない
そんな言葉が積み重なって行く
届けたい誰かが
息をしているのはどこか
いくら探しても見当もつかない
空の下でくるくると踊る ....
自由をとんでいた翼が
はねをすぼめ
きゅうに
従順をはばたこうとするころ
鬼は
だれもいない
うす桃色の桜のかげで
ほねを囓っている
食い散らかされた青空のかなた
はらはらと ....
遠くへ出かける
としたら
薄いピンクの
窓一枚に
はさまれた陽による
それとも
奥へ奥へとこもるの
かしら
ガラガラあけた
かなたは透明
いきをひそめている
かしら
陽はそこを ....
まだおさない はるが
ちいさくわらうたびに つぼみがひらく
そうやって くりかえされてきた おなじことが
まったくおなじでないことに きづく
それは まだおさない はるの
そんな おさなさの ....
おでこをたたくとボーンと
骨の鳴る参観日
はまちとブリの間を通る路地を抜けるボンジュール
せせこましくもリレーをするのに
わたしの町ではバトンの替わりに
....
如何に儚き
如何に虚しいのか
生命は
如何に傲り高き
如何に気まぐれか
大地は
靄の立ち昇りては
また消え失するが如く
我らの生命も斯くて在りなん
とくと見よかし
ざわ ....
さくらのつぼみが
ぽつぽつ
ほころびるころ
わたしは いつも
ひとつだけ
かみさまに
ねがいごとをします
、
たいせつな たいせつなおねがいをするのに
よこになったまんまで
ごめん ....
潜み、また
ここで、
断絶した線路の、先
なかった、ここでまた、いいえ、
いいえ、水が
漏れていたの、ここで、
潜み、また、
尖っているもの、行け、
見て、しろ、
できな ....
眠っていると、起きたくなる
起きていると、死にたくなる
死にたくなると、活動したくなる
音楽をきいていると、旅に出たくなる
旅に出ると、家を持ちたくなる
家を持ちたくなると、乞食になりた ....
あなたの弱さもズルさも汚さも情けなさもだらしなさもズボラさも
全部抱きしめてあげる。
道に倒れて
吐かれながら
からまれたことが
ありますか
みんな知ってるとは思うけど
酔っ払いは
やさしい人好しじゃありません
オエッ!とするたび
足を止めて
路地裏の方に連れ ....
三十五人のオーボエ奏者が
空へ空へ落ちながら
午後に銀を描き足してゆく
夜と雨
夜にうずくまり
入口の光を聴く
側道に 崖に
蜘蛛の巣に
書かれ ....
あのね
あっけらかんとした空を見上げてる。
夜空の真空ににんげんの息がしゅうっと吸い込まれていく。
またたく星たちも息づく夜の海は
僕を誘惑して誘拐するんだろうって
こころの中で沈ませて ....
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