すべてのおすすめ
昔の女などとゲスなことをいう僕
君の唇は
刺身を受け入れるため開かれて
刺身を咀嚼する際の唇の動きに
見とれている僕は
一個の変質者
一〇年ぶりにあった君は
食事の手 ....
手話言語を基本としたノンバーバルコミュニケーションの講義を
福祉医療系の専門学校でほぼ十五年間ほど続けていた。
その間に出会った生徒一人一人を
鮮明に覚えているかというと覚えきらない現実があ ....
騒がしすぎる街角の雑踏を
見渡せる場所にあるベンチから
晴れやかな薄曇りの下を
右に左に行き交う人を見てる
たくさんの方向から浴びせられる会話
待ち合わせの時刻を気にして先を急ぐクラ ....
目が覚めるとわたしは突然
車掌さんになっていて
最後尾の車掌室にいる
夢の続きだろうか、と思い
頬っぺたをつねろうとするのに
指が見つからない
車掌さんなんてしたことなどないく ....
胎児
鰓で呼吸していました
母が引越しのための交渉している
子宮の中が狭苦しくなったので
ぼくはからだを硬くしました
誕生
はじめて空気が
喉をとおったとき
胸が裂ける痛み ....
朝靄ののぞく
窓の水滴に触れたら
一滴が硝子を撫でた
一筋の道筋を作って
いくつかの水滴を巻き込んで
流れていって下のほう
ぺちゃんと爪先が濡れた
じわりと広がる水滴が
ひんや ....
闇に明かりを灯すには
わたしは酷く弱いけれど
今日と明日をわたる頃
わたしは静かに燃え上がり
そして朝日が昇る頃
わたしの明日は確かになってゆく
弱いいのちはけれども強く
意志あ ....
寒いから
マフラーを巻いて
手袋を着けて
ホカロンを貼って
それで、
何しよう?
外は雪が降っているよ
散歩はきっと大変。
うん、
コーヒーでも飲もう。
世界中には
愛が ....
水仙は冬の空を貫く
凛と、静かに、美しく
瞳に白い花弁を溶かし
鼻孔を黄色く染めた
それは幾分の幸せを香らせる
桃色のスニーカーには
柔軟な葉と真っ直ぐな茎が映る
それは気分を優 ....
ここ数日来の寒波で凍てついた地下鉄の連絡通路に
場違いとも言えそうな親子連れの姿
乳母車を押し歩くお母さんの脇には小さなおんなの子
お母さんの手助けと押すのを手伝っているようにみえるけど
....
雪の降らないこの街に
しんしんと積もっている
たくさんの出会いの中に
大きな別れが雪と共にやってくる
生き別れに死に別れ
また 雪が積もった
....
{引用=
人間ではないアイロンは
居心地が悪かった
風景の中に
うまくなじむことができず
いつも悩んでいた
口がないので
硬く言葉を閉ざして
じぶんのくるしみを
表現することが
で ....
三年は居ると思ったのに一年で帰ってきて
高校を卒業して都会で寮生活をしながら働いて
帰りたくて故郷に帰ったけど 親は怒った
だからお前には無理だから行くなと言ったのに
どこまでも行くと ....
110116
誤解を恐れず
界を恐れず
カンマの威力と
中点の躊躇
きれいな顔に
泥を塗る為体
(テイタラクと読む)
記号辞典を開き
記号の読 ....
いろんな言葉を
吸収して咲く花になる
その花は
黄緑色の呼吸をするの
太陽をいっぱい浴びて
かえすため
蟻の憩いの場になればいいな
小さな安らぎになりたいな
公園そばに停めた
白いワンボックスカー
携帯に夢中で歩く君を
強引に連れ込んだよ
ズコッとしてゾクッとして
ドピュッと出しちゃうだけだから
グタッとしてピクッともしない
君はどうしちゃた ....
猛りて
食らい
奮わす
肉声
絡めて
噛んで
騙して
舌先
「美味しそうに食するね」
絶えて
食され
朽ちて
眠り
埋もれ
重なり
積もる
歳月
「骨でも ....
言葉は骨のようだ
格好は大変しっかりしているが
肉付きはぼやけている
というよりも、空虚だ
言葉を尽くせば何かを
伝えられると限らない
あたかも鳥の骨をいくら
寄せ集めても、鳥は
....
逆さまなだけでただ長い言葉が
ずっと居座って渋滞をつくる。
僕は何もできないので、何もしないでいた。
となりの席で寝ている花瓶は
今までに貯めこんだ愛を吐き出し、やがて枯れる ....
首すじに張りつくものが本音さ
俺はいつでもそのことを知ってるさ
首すじに張りつくものが本音さ
うわべでどんな言葉をもっともらしく並べていたって
絶望の塊のような ....
高校の頃おかしくなった俺にお袋は向き合ってくれたよ仕事休んで
何をそんなに急いでるんだ何でそこまで生き詰まるん ....
こころの病と言われ続けて
去年の入院
レントゲンとったら
脳の血流が半分滞っていた
こころとは脳にあるのか
と思った
しかしこの頃思う
私のこころは正常だと
昨 ....
しぶく
しわくちゃなので静かな紙面に舟を浮かべると
宙の上で均衡がとれるように
その点において
静置する
対になるその
たゆたう舟の影も
水底でしわをつくって静置する ....
魚(とと)屋の裏の
軒先伝い
いつもの三毛が
銀渋屋根から
三軒向かいの
土蔵の屋根まで
尻尾引きずり
のそりのそり
土蔵の屋根は
少し高くて
いつもはそこ ....
真っ暗な空の日
堪だけを頼りに歩く
とんとつきあたりにあるマンションの
あかりは空へ 突き刺さるように生えている
仕方がないので上へ
上へ歩きました
戻ることなどしたくなくて
空 ....
咲いては花 咲かずとも花
ツボミのまま 枯れても
きっと 美しいだろう
高価な種は 始めから持っていない
穏やかさなども知らずに
ただ ひっそりとあればいい ....
渋めのジーンズ一張羅
安物のタバコすっぱすっぱ吸っちまって
自分の臭さを消している
アタシはもうやり直しも効かない
アタマを無くしちまったんだ
五体満足なんだが
脳みそだけ ....
波に揺られて
太陽の陽を浴びて
みかん箱
お魚の観察
プリズムの世界
音は聞こえない
日焼けした素足
元気をいただく
ゆらゆらゆらり
砂の音
さらさらさらり
灯台の閃光
....
山間から 金属的な反響音が聞こえる
ブランコのきしみのような音だが大きすぎる音だ
山に反響し どこから 背後から聞こえる気もするし
前方から聞こえる気もする
川岸に下りると クレーンが ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161