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針はやがて
真っ直ぐに
体に 落ちて
朝は はじまるんだろう
道に ふさわしい風が
崩れた後を 戸締りする
大切なものは 隠され
破けないものは 消した
時刻は
....
あなたからの手紙、
「。」が全部ミジンコで
「、」が全部ゾウリムシ
だったよ
どうでもいいから
早く会いたい
ジガバチの奇怪な姿は
奇妙な収入を約束するが
キカイダーの端正な顔は
個性の平均化と罵倒されて
大いなる
リストラを保証される
初夏のよく晴れた日に
フニクリフニクラと
ゆらゆ ....
あの日
僕はふらっと出かけたそうだ
何処にも行けない身体で
何処に行けるはずもないのに
何処かへ出かけてしまったそうだ
(言葉を忘れるということは
そんな遠い旅に出ることに似てい ....
陽に焼けて
薄い力を
なくした紙
ぺタリと セロハンテープでとめてたけど
格子から はがれてしまい
なにもないより 荒れてるような
みじめな部屋に 苦しくなり
重い腰を上げて 張り替 ....
とどがいます
打ち上げられました
寝ています
どこにも行けません
助けて
なんて頼まない
とどだから
なんだか疲れたので
しばらくここで休みます
ひとりです
ダイヤモンドダスト
....
東京の水面は光りに紛れる
湾岸の運河は白っぽい夜空の下
ビルたちと同じように街灯りを抱いている
街中を少し外れると水面は暗い
平らかな夜景に微かに縁取られながら
水があることや河であるこ ....
子供らには教えられない
そんな
秘密を隠して生きているのか
オトナたちは
たとえば
抱き合うことの意味とか
赤ちゃんは
どこからやってくるとか
暴力はR指定だ
それはわか ....
いつか聞いたはずの歌声
有刺鉄線が横切る飛行機雲
陽だまりの滑走路
髪を掻き乱す風の音色
思い出せないあの日
覚えてさえいない夕暮れ
微かに漂う暖かい幻
沈みゆく朱の行方
地平 ....
片付けた くつ箱の
外に 放り出された
ビルの舗道
駅の時計
ごふん
先を 急いでいます
あらいばは こんでいて
海辺は 遠くて
あっちへ 行こう
埋められた ....
錦糸町では世界が
落下を始めていた
世界は徐々に
錦糸町に収束し
凝縮し
一点の穴から
落下している
俺は子供の頃
家のものに連れられ
錦糸町駅で降りた
公園ではルンペンが ....
それは不思議な行列でした
新月の夜でしたのに
ぼんやりと照っていたのです
そこかしこからケタケタと笑い声が聞こえましたのに
誰も笑っていないのです
一行は静々と厳かに歩みます
この世の者で ....
眠りの中心にたたずむ
黒いしずかな球
その球を無垢な白い身体で抱きしめて
いつまでも眠っているのは誰だろう
あなたの白いスカートが
ひととき夏色に見えたのは
うすぐもりの雲の切れ間から
気まぐれに顔を出した
あの眩しい日差しのせいではなく
あれはそう
道をさえぎるようにもたれかかる紫陽花に
語 ....
携帯電話に手を伸ばして
そわそわ そわそわ
折りたたんでみたり開いてみたり
ぶるるっと震えたのを見て
深呼吸をして 開いてみる
ふぅ
っと溜息
繋がっている
離れている
....
いじわるな 雨
知らずに傘を 忘れて
舗道を 行く
少し 寒いのも
寄り添う 薄い 雲に
心 写して
宿る 屋根
捜しながらも
走らない
身体の熱が
冷たい粒の ....
今日もイイにおいがするなぁ〜。
僕の日課は、臭いをかぐごと。
今日は、カレーだ。
今日は、焼肉だ。
今日は、お好み焼だ。
今日は、ステーキだ。
今日は、焼き魚だ。
今日は、エビフライだ。 ....
曖昧にしたまま置き去りにするうちに
多くは忘れられてしまうから
忘れられたものと結びつく他のことまで
曖昧になってしまうんだ
あいまいみーまいん
私は私の私を私のものとすることができない ....
ら
うたが
ら
らら ら
うたが聞こえる
ら
静寂のみが記された
らら ら
白紙のページに埋もれた夜に
....
コンクリートの丸いもようは、踏んじゃだめよ
って、
しあわせになれないから
って、
きみが言ったとき
さっき
二度ほど踏んでしまったぼくは
ちょっと泣きそうになって、あわてて
声をだし ....
〜夜明け〜
森の呼吸
白く霞む朝
誰かの声
遠く響く
満たされる
満たされる
静かに濡れた空気
新しい命
〜静かな午後〜
緩く開いた手のひらを上に向けて
目を ....
瞬き一つで
百の竜巻と
千の地震が起きるくらい
長いあなたのまつげ
震わせて
百万の津波と
いちおくの洪水
引き起こす涙で
「心配になるくらい好きだった、たまに
それしか出来なく ....
ひさしぶりに親父に会った
釣ったばかりの岩魚をぶらさげて
反りかえって山道を下りてくる
いつかの河童に似ていた
秋になると
川からあがって山へ帰ってゆくという
そんな河童を村人はセ ....
たぶん
狐がついてるんだよ
って
教えてあげたいけど
あまりにも
幸せそうだから
何も言わずに
遠く離れた場所で
ただ
静かに観察している
六月の
曖昧な空の下
白くたたずむ部屋
横たわる私の身体から
刻一刻と
鼓動がこぼれ落ちる
けだるい指で
クロニクルのページを繰る
季節は私には
いつも晩くやってくる
忘却 ....
知らない足音がわたしたちを追い越し
立ち止まっていることに気づく
群れるものたちのすべてが
居場所を持っているように見えて
小さな声でいることに
少しだけ疲れて
彩られた樹木たち ....
ぴよぴよ ぴよぴよ 赤白黄色
ぴよぴよ ぴよぴよ ぴよぴよ
ぴよぴよ ぴよぴよ 小鳥のように
ぴよぴよ ぴよぴよ ぴよぴよ
ぴよぴよ ぴよぴよ 聞かせてぴょ
ぴよぴよ ぴよぴよ 詩人 ....
目の前を何回か通り過ぎたと思ったら
いつのまにか腕の中にいた
陽だまりのなか
生まれた熱をくるむようにして
うっとりと瞳を閉じたのは僕の方だった
残していったものが
背中でまだ疼いている
一日の始まり
蝶のような揺らめきで飛び立っていったのは
形にならない荷物を抱えた人
遠くへと呼びかけた
朝の挨拶をすり抜けて
ここで何か ....
か
ん い
だ だ きしきしき
い ん し
か か
ん い ....
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