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わたし、という曲線を
無謀な指が
掌が
少しの優しさも無くなぞる
書院窓の向うでは
秋の長夜の鈴虫が
交尾の羽音で月の影絵を滲ませて
こっちにきて
こっちにきて、と ....
夕暮れの 微笑 忘恩の 波
私生活の 凶器が 私の
夕暮れの 真似をした
道化の やはり
洪水の 模倣にも似た
祈りの 最中で
音が 鳴る
墓石に 虫が たかるように
音が ....
ぽくぽくと砂埃の道を
踵の低い靴で歩く
道端にときおり現れる
柿の木の下で
風に吹かれて和みながら
寂れた雑貨店は
小さなオアシスのように見えた
冷蔵ケースのコーラの瓶の
くび ....
眼差しの先にあるもの
他の人にはわからない
私にだけわかる
いいことも悪いことも 全部
でも、悪いことはいらない
わかるのはそれだけ
それだけが頼り
....
クリープ現象で
夜をすべる
アクセルを踏みそこなった右足で
有明ランプをまたぐと
すこし遅れて
あした が きょう になる
うしろへと流れる景色を手がかりに
恋人だったはずの
....
夢を見た
声を聞いた
{引用=流れ星に願いを。。。}
夢の中で
共に願ったその言葉を
私は一生忘れないだろう。。。
運命と欲望を
波打つ海に捧げた
それはま ....
手は何処かで繋がってしまっている
情報のやり取りに余念が無い
高速で伝う何か暖かいものを
人が温もりと呼ぶのなら
目に映るのはサーモグラフィー
あなたが暖かいか
そうでないかだけ
私 ....
雨の夜は大介を思い出す
悲しくて悔しくて
泣いてしまった夜は
ずっと側にいてくれた
大介はわたしを
甘やかさず
突き放しもしないで
絶妙なバランスで
一緒の布団に寝てくれた
そして
....
高校生だった僕は
泣いて
泣いて
チンピラに憧れて
チンピラになりたくて
夜の街を歩いていたのです
高校生だった僕は
お金も無くて
遠くに行けずに
ただ地元の真っ暗な商店街を
....
男がケンタの二人掛けテーブルに座り
何やら絵を書いている
風体には似つかわしくない童話の挿し絵
雰囲気には似つかわしくない
どこまでも明るく優しい印象の絵
そんな男の斜め後ろで
僕 ....
一夜の戯れ 夢や現つや
うす桃色の 紅のゆくへや
君の御手の うなじに触れなば
わびし心に 月の灯らむ
荒れ野の果ての 草木を分けて
あえかなる身に ....
いつでも死は視線をはずれた場所に降りる
私がみんなとロゼを開けるとき
ベッドの上で寝返りをうつ夜
いつもあなたは死ぬ
緩慢な終わりは透明
私の中で量れない重さ 軽さ
私は 私が 私の 私に ....
戒められた過去
犬が鎖をつながれて
インドの山奥で僧が吼える
今を捕まえることの
いまいましさ
いらだたしさ
いじらしさ
いいさ
厭わずに
生きていくこと
居住まいのつつましさ
....
まあすぐ に
あるいてゆくと すぐ 緑 に かこまれる
けど そこ で止まらないで
井戸 をみるために苔の 上 を ふんずふんずと進む
くたびれた井戸水 は むせるような 葉 ....
シャボン シャドー シャトー
エプロンで 涙 拭いて
背中を そっと 撫でる
チョコレート アーモンド アイズ
瞳の中に 写る 私の瞳
リボンを 結び 直して
マイ リトル ....
寂しがりやの人格は
寂しさを乗り越えるためのもの
生まれてきた日
愛に溢れていたことを
ただ思い出すだけ
臆病な人格は
おそれに立ち向かうためのもの
小さな手足をして ....
窓の
繊細な網目を透過し
すらすらと寝室の私の乳房へ浸透するのは
透明すぎるから、透明すぎるからです
空気中の夜
に含まれる鈴の
リ…
その中には、鈴、それは
リリ…
....
人間の体のつくりを真似て話しながら
どこにもいない人間になれたらいいのに
ぼくらは作られたもの
あと一秒で生まれ変われると日常的に信じて
浮遊するゼリー
いつでも ....
はろー
はろー
今日は何度かなー
はろー
はろー
OK
平熱だね
はろはろー
あしたもいっしょだといいね
はろーっ
はろーっ
はろーーーーっ
....
こうそうまんしょんの
さいじょうかいにすむおんなのこは
よるになると まどから
かならずつきをみます。
つきをずっとみていると
からだごとすいこまれそうになります。
....
やはらかな ひかりの かけら
あつめて はなつ かほり
かぜの おびを ほどき
めざめよ
とほき ゆめの かなたより
はなは あさに ひらき
とりは ひ ....
決まって煙草はラッキーストライクで
チバユウスケと一緒だからと嬉しそうに話した
アゴに髭を生やしてだるそうに歩いて
そのせいでいつも猫背だよ
口臭を気にしてるのかガムはいつもジーンズのポケット ....
至近距離で選ぶ 想像の快楽とロマンチシズム
目線のやり場を 一体どこに持って行けばいいのかと
目視の限界点で 目をしばたたかせる男と女
何をそんなに見つめていたのかは、人それぞれである
まった ....
雨は降っていなかったけれど
カラカラ
空き缶を蹴った音はした。
爪先が乾いた咳をしたようだったけれど
本当は内臓みたいに湿っていた。
缶の暗い口から
暗い液体がアスファルトに垂 ....
青ちゃんのおまじない。
−真っ黒に塗りつぶす。
例えばね、クレープをふたつたいらげる。
だって、壊されちゃったんだもん!
たくさんの空を。
だから、作るしかないの。
そうして、見つ ....
とにかくさびしいと
思っても良いですか
誰かに必要とされたいと
叫んでも良いですか
何もない僕だけど
誰かを必要としてもいいですか
誰かに寄り添って
生きてみては駄目ですか
くられ ねんね の
いと しゃみ あんや
ふるぎ おもや に
かえ とぐ そぞろ
にちにち からかむ
てづな の とんぼ
まくり まわし て
けんけん ぽん ちょき
....
雨の夜
宙に惑うのは
報われなかった
言の葉の亡霊たち
人を傷つける為に生まれました
見下す為に生まれました
罵倒する為に
揶揄する為に
己に言い訳する為に生まれました ....
せっかく外に出たのだから
妻と娘に土産を買って帰りたかった
二人が泣いて喜ぶようなものではなく
小さな包みのもので構わない
ほんの少し甘いお菓子で
お土産買ってきたよ
あら、ありがとう ....
とどけもの
ぶどうがとどき
さんまもとどく
雨もときおりふっている
風もつよい
あんぜんな部屋の中で
恋だと愛だのにうつつをぬかす
これから柿をおく ....
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