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一.

戦争を俺は知らないんだと はじめて思い知ったのは
キプロス島に ある朝突然逃げ帰った妻が いつか話した
占領の話 地下室の話 息を殺して
あいつが真似た マシンガンの ....
時々鮮やかな夢を見る
誰かが微笑む夢を見る

白いテーブルの向こう側に
時がさらさらと流れてく
それは風のように足元を流れ
微笑む人へと続いている

時々せつない夢を見る
誰かを愛す ....
空を行く
風ほどに軽く満ちていたい
鳥の翼を
ささえ得るほどに

空に吹く
風ほどに軽く満ちていたい
様々な音を
伝え得るほどに

何かあるように見えなくて
それでいい
雲はた ....
教えてほしい 
あの空の青みの 
ほんの隙間の翳りの中に 
何を見いだし詠うというのか 

たおやかに流れる川の
水底に沈む
ひとかけらの悪意を
掬って頬張った 
その後の嗚 ....
黄昏が
哀しみの手をひいて
波打ち際へと運ぶ

きらきらと
波間に揺れるものを
幾度つかまえようと
泡と消えていくそれは
知るはずのない「永遠」

時計の針を止めても
季節は巡り ....
私 帰るから

駐車場で 車に荷物を入れている 夫に
私は 口走っていた

何か言ったか とふり返った時
もう 走りだしていた

このまま 新居になんか行きたくない
結婚なんてしなけ ....
曇り空に
夏が少し薄れて
鮮やかを誰かに譲った向日葵が
枯れた葉を恥じらうように俯いている

風に混じって遠い蜩の声が
髪を擦り抜けると
秋、と囁かれたようで
逝く夏に何か
何か ....
ねえ、コーマ
ひた走る夏がまたやってきたよ
クルクルと
額を通り過ぎる光の群れ
君は開け放した口で
笑うね
(笑う 笑う 笑った)

君は箱庭が沢山ぶら下がった
奇妙な棒をかついで
 ....
少年の庭に咲かれた一輪の花
匂われて
光られて
やがて散られてゆく
そんな花の花
の花の内側を醒ましてゆく
夏の繊毛
角膜
破瓜
少年は不安によって
空間を把握する
不安の立面に ....
一.

 俺の知らない赤で
 雲が光の中で
 死んでゆくんだ
 今も

 おまえの知らない青で
 波が砂の上で
 壊れてゆくよ
 ほら

 見ろよ
 カモメの親子が今
 俺 ....
キリンという名の
魚がいる
もちろん
首が長いのが特徴なのだけれど
サバンナの夕日を思い出すと
時々自分の鳴き声が
わからなくなって
溺れてしまう
本が泣いてわたしになる
わたしになってわたしは
栞を探している
手を伸ばすとその向こうで
むかし弟をしていた人が
雑草を抜いている

外には他にも生きものがいて
窓という窓は
 ....
ゆらり金魚
ふわふわ踊る朱色の帯
髪結い上げた女の子の
すくい網から
グルリと
あわてて
飛び出していく

金魚
しなやかに
泳いで
見えないゴールを
いくつも越えて

金 ....
水が割れるのです

いま
指先の銀の引き潮に
水が
割れるのです


うなじを笑い去るものには
薄氷の影の匂い
たちこめてゆきます
たちこめてゆくの
です


紫色の ....
窓を開けると庭でねこじゃらしが揺れて
通り過ぎてきた時間を優しく撫でていく風
いつの間に同じ高さから空を見れなくなったか
なんて もう思い出せないほど遠くに流されて

昨日思い出に留まってい ....
ばっさり斬り落とした短い髪に
唖然とたたずむ
 (なんか、めんどくさくって
照れたように君が笑う
右の頬を隠して

僕の知らない君の夏
正しい折れ曲がり方なんて
よく分からないけどさ
 ....
探しものは
なんですか?
もしかしたら
「あの時追っていた夢」
ですか?

あ〜〜〜
残念っ
それならばもう
消費期限が過ぎて
腐ってるみたいです

もし・・
あきらめる事が ....
パンに トマト ぬるぜ

カタルーニャ式 だぜ これ

オリーブオイル かける よ

バージン エクストラ です よ

たまご も 焼いちゃう 

べーこん イベリコ豚 だよ 
 ....
五山の文字の
ゆえんなど知りません
それでも私は
わずかに香る炎が尽き
夜が少し涼しくなるのを
ただ待っているのです

まだきっとどこかで生きているだろう
あなたを見送っているのです
 ....
白く湧き出る夜霧が彩色の光度を埋める、
途切れた余白だけが、
寂しく横たわり、わたしを乗せている。
染め急ぐ硬いみちが流れるなかで、
滑るように乳白の色をやわらかく溶かして、
わたしは、あた ....
自転車の私と
白い軽自動車の先生が会ったのは
広い水田の中の十字路

偶然にもかごには
できてきたばかりの詩集
それはコピー誌で手作りで
でも 作品を集めてお金をだしあって
イラストを ....
もしも詩が書けなくなったら
家族にも友人にも行き先を告げずに
ひとりで旅にでも出よう

もしも詩が書けなくなったら
滴り落ちるような真っ青な空を眺めて
言葉に置き換えずにそれを受け容れてみ ....
私はあなたから生まれたというのに
もうそんなことを忘れてしまって
自分だけの死を抱きしめていた
まるで沈むために港を離れた
あのポンコツな捕鯨船
たった一つの獲物を射るための{ルビ銛=もり} ....
「おばあちゃん元気にしていた?」
わたしの大好きなおばあちゃん
共稼ぎの両親はいつも家にいなくて
学校から走って家に帰ると
おばあちゃんが出迎えてくれて
手作りのおやつがとても美味しかった
 ....
あなたを作り出したものは
全ての泥の中に潜んでいたのでしょう
紫色の鉛筆を
その指が滑らせるたびにあたしは
真っ暗な底を目の裏に浮かべて
まっすぐまっすぐ泣くのです

パンドラの箱は ....
おれたちは
美しいとさえ言えるほどの偶然の果てに出会って
互いが失ってきたものを取り戻そうとしている
時には痛みをおぼえるほどの激しさで


おれたちは震えていた
互いの眼を覗きこみなが ....
ビンが 薄いレモン色に 枯れていく

花というものを 残せない
屈折の返る 生真面目な黙殺は

水辺リに 傾けられて寄り添った
青雲への 憧れに空域をなくす

満たされぬ受け口の 外に ....
また夏がめぐり来て
空も緑も色深まり
光と影が幻のようにあざやかに世界を象っています

夏の花々も色が強く
私には似合わないのです
降りそそぐ{ルビ眩=まばゆ}さと熱にも
ただただ圧倒さ ....
お帰りですか、と
聞くとその{ルビ女=ひと}は
ええ、と
小さく頷いて
穏やかな微笑をうかべた

鬱蒼と茂る緑葉の下で
木洩れ日が描くまだら模様が
白い肌をよけいに引き立たせ
蝉しぐ ....
尽きそうで
尽きそうで
時に思い出したように
夜を縫う
置き去りの夏に迷う
この心のように

かくも小さく
かくも短き生命の振動が
この手に伝わります
見失う日々を
辿れ ....
PULL.さんの自由詩おすすめリスト(2662)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
白樺とキャラバンと夏の予定と- 水在らあ ...自由詩44*06-8-28
夢を見る- 未有花自由詩14*06-8-28
こばと、言葉のアナグラム- 小池房枝自由詩1806-8-27
九月- 落合朱美自由詩2506-8-27
潮騒- LEO自由詩15*06-8-27
九死に一生いなり寿司- 砂木自由詩11*06-8-27
ゆく夏- 銀猫自由詩18*06-8-27
コーマ- ふるる自由詩10*06-8-26
- 葉leaf自由詩1606-8-26
血の匂い- 水在らあ ...自由詩34*06-8-26
鳴き声- たもつ自由詩1406-8-25
ぶっく- たもつ自由詩906-8-25
金魚すくい- さくらほ自由詩15*06-8-24
十六夜- 千波 一 ...自由詩19*06-8-24
同じ高さで反転する昼下がり- 夕凪ここ ...自由詩10*06-8-24
檸檬色の夏- 佐野権太自由詩39*06-8-24
探偵_S_の今日の日記- さくらほ自由詩11*06-8-23
イベリコ豚- 水在らあ ...自由詩39+*06-8-22
送り火- Rin K自由詩27*06-8-18
影の世界より__デッサン- 前田ふむ ...自由詩14*06-8-15
なつかしいひとへ- 砂木自由詩18*06-8-14
もしも詩が書けなくなったら- 大覚アキ ...自由詩1106-8-8
生まれたことも忘れて- たりぽん ...自由詩15*06-8-8
幸せと出会う丘で- 恋月 ぴ ...自由詩33*06-8-8
不器用な地底人- 田島オス ...自由詩306-8-7
my_beautiful- 安部行人自由詩706-8-7
冷たい_カーテンコールの下- 砂木自由詩12*06-8-6
夏に還る- 塔野夏子自由詩14*06-8-5
盂蘭盆- 落合朱美自由詩3006-8-5
線香花火- Rin.自由詩23*06-8-5

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