すべてのおすすめ
ずっとずっと遠くまで
届かないものを追いかける
そういうひとを見上げながら
足元の土を均してきょうもあるく
届かないことを知らない彼らは
知っているわたしよりすこし滑稽で
そのくせとて ....
越前海月 VS 越前蟹
そもそも彼らに戦う気など、ないだろう。
…でも、仮に、もし仮に、戦ったとしたら、
べしゃ。
じゃきーん。
互角かも。
さらに合体 ....
恋に臆病になり
傷つく事を恐れ
深く話する事を
ためらう…
心の中では、
知って欲しいと
願いながら…
気がつけば
世間話に花が咲く…
傷つくのが怖い…
自分をさらけ出し
....
あなたに雨がふればいい
ブラウスが
やわらかく貼りついて
疎ましく思えばいい
あなたに雨がふればいい
ことばが
あなたを脱げばいい
小さな偶然を
言 ....
プラットフォームで 日陰のベンチに坐り
僕は詩を書いていた
いいや君への手紙だったのかもしれない
白い午後
静かな校庭のこと
いたいけな青空のこと
いいやそんなことじゃない
間奏 ....
シーン1
男の子が「つみき」という名札をつけていた
私が
つみきっていうの?
ときくと
そうだよ、かっこいいだろ、建築って意味
というのだ
へーんな名前
というと
男の子はむ ....
少しの間心を殺して
世界に心を溶かします
何もかもが私になった気分で
私がすべてになった気分で
部屋の中、ぽつりと
不潔な体を書きながら
ため息を漏らす
所詮、それは幻なんだ ....
この大きな水たまりは俺がつくってしまったのか
海を前にして蛇口は茫然と立ち尽くした
もしかしたら俺の栓を大事に開け閉めしてくれた人たちの家も
どこかに沈んでいるのかもしれない
そう ....
傘をみるとどきどきするの。
「それって、前衛的だね」と担当の美容師さんは言う。
小鳥はくちばしでつつくんだ。そして、破れる。
それを見てる猫は小鳥を食べる。
「頭だけ残さないで、最後までし ....
十五夜のお月さまがあんまり綺麗だからと{ルビ託=かこつ}けて
不眠症の私は
窓を開け放して月を眺めていました
この夜は よく澄んだ涼しい夜で
遮るものもなくて
惜しげもなく
私に光を浴びせ ....
毎年几帳面に
庭で鳴く虫たちも
ただ手をつくねているのではなく
住みよいほうへ
住みよいほうへ
移動しながら
運を天にまかせて
鳴いているのだろう
こんな十五夜の晩には
いつまでも
置き忘れられたような
宿題のような生活だ
いつまでも焦っている
逃げるように眠る
鳩が鳴いている
静かにメスを入れられる時間
過去はえぐりだされた
歌います
感情 ....
おまえねェ
おれからみると まだあおいんだよ
わかいときこそ まようんだって
えーっと
だれだっけ そんなこといってたのは
うちはわかいうさぎたち おおぜいいるから
そのき ....
ほがらかに歌う
春
ではないけれど
やわらかい
そのような、
声
やさしい人
やさしい
易しい笑顔 と
きらめく
すこやかな、
絶望
人を花にた ....
今しがた
煎れたばかりの紅茶は
口をつけないまま
冷たくなって
湯気をたてることも
香りが揺れることも
なくなっていたので
カップの上から覗いてみた
ふたつの瞳が私を見ている
ティーポットに
熱い ....
彼女という人は
詩人とかそういう類の人みたいで
ときどき僕を近所のファミレスに呼び出しては
伏目勝ちにちょっと小難しいことをしゃべり
左手に持ったフォークでグリーンサラダにやつあたりし ....
最終バスは一番後ろの席に座るのです
何となくそれが習性になっているのは
そこからは町の様子がよく見渡せるからです
蒼い街灯の下でたたずんでいる
停車場の表示を運転手は調子よく
鼻歌まじり ....
朝の茫洋
手にそぉっといきをふきかける
そのまま中指の先から
手のひらのしわ
手首のつけねの辺りまで
息のゆきばをうねうねさせる
うねうね
うすいてのひら ....
だんだんきらいに なるよね
近くにいないから
だんだんきらいに なるよね
役立たないから
だんだんきらいに なるよね
すべてを教えるから
だんだんきらいに なるよね
じれっ ....
日焼けするほどの
残せる夏のしるしもなくて
白いからだが
裸のままでいるようで
ときどき恥ずかしい
私の血は水のように薄くなって
夏はたくさん虫を殺してしまう
土から生まれて ....
はまに まわした よめいの かりごま
なげる てのなみ くるわす つきやみ
ささぬ あかりに さしつぐ いっこん
らがん ちりうつ こぐだて わるむね
のどに はしゃぐ みめいの
つきの すずか つむぐ かるた
まわる やまの はるか さます
かやの ねむり まどう むごん
みちぬ おもい ゆきて きえる
かえぬ こころ ぬぐう ....
季節は一冊の本にまとめられ
秋の頁をめくりながら
月明かりの下
あなたの言葉を
思い返すのです
秋の頁はとても長く
多くの言葉で
埋め尽くされているはずなのに
めくってもめくっても ....
銀色の刺に、凍える、空気は、
青い空の下で、
白い、息をつき、声がもれる、
頬の骨に、拳が石のようにあたる。
わたしは、
バラ線を後ろに、殴られる。
放り出された、ランドセルの黒い光。 ....
きょうも、あたしは消えました
開きかけノートをほっておいて
飲みかけのコーヒーをかたずけ忘れて
お風呂も洗うのを忘れて
「さよなら」
....
かちちん かちり
かち
かちり ちかり
かちり
かち か ....
目を閉じてもつづく光のかたち
夜を甘く噛むかたち
傷が傷を呼ぶかたち
ふたつの音がすれちがい
ひとつの声になるかたち
蒼にそよぐ蒼のしじま
ざらざらとつづく明るい道 ....
他人を批判して
自己を正当化することは
とても容易い
ところが
詩を描き始め
自分を少し管理できるようになると
正当化どころか憂鬱になる
他人を批判することは
とても難解だ
....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる
アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
人間が
犠牲の上で生きるように
世界は
戦争の上に幸福を創れる
そう独り言じみて呟き
少し
自虐的に笑って見せて
貴方
虚ろな目を伏せたから ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89