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両手で首を絞め
殺してやりたいと泣きそうな顔で言う男を
創ったのは私
殴るように仕向けたのも
壁を扉を破壊させたのも
汚れた暴言を吐かせたのも
私
身から出た錆
ボクは君を
幸せにしないでしょう
それと
逢いたい気持ちとは
別
小さなパラソルに
寄り添って歩く
少しだけ
雨が降って
それ を知っているから それ を許せる
それ を知らなければ それ を許せないままもっと子供の様に無邪気に残酷に
{引用=ほら 見て
波の向こう
青い火が燃えてる
あれは きっと
妖精の燃えかす
薄い羽を残した空蝉のような}
ダーリンはそう言って
私の肩を抱きました。
抱かれたその手は節く ....
煙草を吸って待っていたのに
人間観察をして待っていたのに
スタバのコーヒー片手に待っていたのに
既に全ての行動に飽きても待っていたのに
テメェアホ面で遅刻すんじゃねェ
とか
ゴ ....
髪の乱れを気になさるな。
血濡れた衣も気になさるな。
そなたは美しゅうござります。
この身はすでに腐り果て
ところどころに穴ひらき
覗く腐肉に蛆が這い。
しかあれど
まなこはかっと見 ....
兄はケッコンしてつまらなくなった
と
私は思う
別段
破天荒な人生などではなく
公務員の次くらいにお堅いお仕事
今ドキの中学生に現代文やバスケットなどを
教えているらし ....
年寄りは
生きてきた時間が長い分だけ
淫らだ
人間は
そういうものだから
しかたがないのだが
そんなことを
老夫婦相手に
説いている人がいた
しかたないね 婆さんや
し ....
僕は世界の広さに悩み
君は夏の陽射しに笑った
アスファルトの熱と 急な坂道
駆けていったのは 子供の頃の僕たちで
坂の上では君が待っている
麦わら帽子はいつだって風に飛ばされて
....
明けて、色彩が始まり
かつて刻んだ果実の朝の瞬間に
黄緑色の芳香と共にかつてたちこめた笑い声が
初々しい果実として、生まれ変わっているのを感じるから
わたしは齧る
あ
ずっ ....
お爺さんは時速300kmで突っ走る直径10kmの鋼鉄製の球体に玉乗りしながら
火星から来た蜘蛛の群れを狩りに、
お婆さんは最新型の火炎放射器でストラトキャスターを燃やしながら
ステージ上で邪神の ....
ちっこい奴がいます
ちっこい奴は大きくなろうと頑張っています
けれど・・・
ちっこい奴はどんなに頑張ってもしょせんちっこい奴なんです
だけど・・・
ちっこい奴は大きな夢が ....
両脇に雑草が敷き詰めてあって
はじの白い線も消える途中の
でこぼこで、ひびの入った
道を行く
真夜中前の、見落としがちな気配を頼りに
妙に軽いステップよろしく
ふうわり
ふうわり
....
失う
あなたの
笑顔を
あなたの
優しさを
あなたが
僕にしてくれた
その全てを
失う
あふれ出す
涙にもう
意味などなくて
ただ
空しく
流れるだけ
買い物袋から
オレンジが転がったのは単なる偶然で
私の爪の端っこに
香りが甘くなついたのも単なる偶然で
果実が転がり出さぬよう
そろりと立ち上がった頭上に
飛行機雲を見つけ ....
ある朝
会社までの道を急いでいると
見慣れた制服姿
サルサ銀行のお兄ちゃんだわね
あ、そ、と思って通りすぎようとしたら
突然制服は
深々とお辞儀をして
申し訳ありません、と
わたしに向 ....
いつかぼくがとおくはなれて
きみのほほをながれるそのしずくを
このてでぬぐふことができなくなつても
いつかぼくがとおくはなれて
さむさにふるへるきみのてあしに
くちづけて ....
ピーターパン・シンドローム
なんていったって
知っているでしょう、
わたしとっくのむかしに
飛べなくなっていた
いまになっておもうの
わたしはこどもである、とか
わたしはおとなかもし ....
どーむろとるみねろ
道案内というわけではないですが
うろうろと歩くあなた方に
ひとことよけいなことを伝えましょう。
この町には
いくつかの「ろ」が
あります
少なくとも
水 ....
知っている曲が 途切れて
知らない歌が とぎれとぎれに
髪の先 さわり ふれる
冷蔵庫にジュース
飲みたい けど
動きたくない
どうやってたんだっけ
時間て
なんて
数えるん ....
な をよぶ
とき が隔てた
かぜ の かいろう
打ち
うまれた のろい
すくう ゆめ
わ 火焔
走 破
白き 鼓動
水 と 灯る
2003 4 20
朝 目覚めたら
とっておきの 笑顔で
おはよう
クヨクヨでメソメソのきのうも
ギシギシでこころ塞ぐあしたも
ヘトヘトで疲れきってるいまも
ちょっと おやすみ
戦 ....
とてもきれいなかけら
落ちていた
わたしは拾って
手のひらに乗せた
良く見るとそれは
パズルのピース
きらきら輝くそれはたぶん曼荼羅
曼荼羅のピース
「さあ!これから他のピース ....
ちゃんと誰かと向き合うことをやめた先週末
それた台風を恨めしそうにたどってみる指が
金曜の雨を思いださせる
死んだ言葉を弔うための言葉があるから
人はののしりあう言葉に困らない
....
深夜二人で食べるさくらんぼ
みずみずしく甘い木の実は情熱の赤
とろりとした思いを胸に
黙ったまま次々口へ運ぶ
一箱分のさくらんぼ全部
積み上げられた種と茎は 明日庭へ埋める
膝 ....
ああ、旅をしているんだな。
揺れるクレマチスの青い花。
ああ、ひとりでいるんだな。
夏が、終るとするにおいが、
今日はしているのだけれど、
どうしてなんだろう。はて、
どこへ行こうとしてい ....
柔らかく黒く夏で濡れている子供達の髪の毛の
美しい経緯を追い過ぎた眼の私は
くら、くら、
平衡感覚がたわみ
色彩感覚があればいいと思った
色彩感覚があればいいと思った
身体の、 ....
台風が近づいてくるという
天気予報通りに降りだした雨に
慌てて部屋の窓を閉めました
(淋しさというものは
そんなささいなところに隠れていて)
窓の外から聞こえてくる雨音を
半歩遠 ....
あのころ
まちの高台からみえる風景が
わたしの世界のすべてだった
背がすこしのびて
世界はどんどんひろくなり
わたしはどんどんちいさくなった
くるしいことも知った
かなし ....
いくら温めても孵らない夕暮れに
灯りはじめた明りが視線にぶら下がっている
帰り道を間違えた私は
街角を覆う木の下で傾くようにして
蝉は鳴かない
明日への蓄えを手のひらに溜めるようにして
燃 ....
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