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僕は奈良公園で鹿の角をにぎっていた
同じころ
父は帰りの電車のつり革をにぎり
母はスーパーで安売りの大根をにぎり
妹はベッドの上で携帯電話をにぎっていた
隣の部屋の夫 ....
防衛する力を備えていないわたしは、
ダメなんだわ。
泣いたって、残されているのは鳩のフンの始末だけ。
「女の子はお姫様でいたいのよ。
ピンクのドレスを着て、
微笑んで王子様を待ってい ....
あなたのいない 空 白 を、日々うめる努力をしています。
もう、慣れました。 空が 白く 雪で染まってから随分たったので。
昨日は眠 ....
ねぇ、知らないうちに
ねぇ、正確なリズム
ねぇ、心臓も
ねぇ、わたしのからだ
海みたい
潮の満ち引き
お月様と一緒
28日周期で
満月のわたしは血だらけ
新月のわたしは眠 ....
今日が終わる
その少し手前で
ひとつ足りないことに気づく
いつものように
君を送りとどけた駅で
「またね」でもなく
「さよなら」でもなく
「ありがとう」でもない
ひとつ ....
貴金属コーナーに群がる高校生は
鼻で笑えたけど
たくさんの買い物袋を両手にさげて信号を待っている中年夫婦を
バスの中から見た時
手袋をはいていない手も
雪の上での足踏みも
会話からもれ ....
そろそろ 恋でもしようかな
まざりあっていく
せかいのなかで
しかいは
しだいにせんめいに
なり
ぼくらは
ひとりひとりになって
あるいてゆく
ことばを
ひからせながら
やまのあいだを
ぬけていくくるま ....
奴は
山に登るのだ
そう言っては、ニコン党のくせに
私のオリンパスを借りに来る
高山植物を撮るのだという
いつも汚い日焼け顔をしわくちゃにして
稜線を越えていくホシカラスの夫婦
....
透明な夜空は
脳がものをみることを
なまけてしまった人が見ると
満点の星空なんて映し出す
本当は何もない
ただ地球は孤独なんだということを嘲笑う
真っ黒がそこにあるだけだ
そ ....
山並みを巡って
一本の道が続いていく
夕暮れ時に
耳元でふと寂しい曲が流れるものだから
あの道がどこへ続くのかを
未だに誰にも言えないでいる
「 ....
いつもいつも
私の傍らにあったもの。
いつもいつも
私を見守ってくれたもの。
でもね
この日だけは違うんだ。
見えなくたって
そこにあるのだよ。
見えないだけで ....
「目には目を 歯には歯を」
あなたの目は まっすぐすぎて
あなたの歯は 白く輝いて
わたしなんかの目や歯やなんかを返しても
きっといや絶対足りないだろうな、と
クーラ ....
ざぶーん
ざぶーん
ちゃかぽこ
ざぶーん
涙のプールを泳ぎます
ざぶーん
ざぶーん
ちゃかぷぐ
ざぶーん
少し塩素を飲みました
ざぶーん
ざぶーん
ちゃかぼこ
....
街路樹の緑葉
千切ってばら撒き
踏み歩く
秋の予行練習
さくさく しない
アサガオ望む縁側
置き忘れたカキ氷
蒸発してしまい
さくさく しない
鳴き疲れたアブラゼミ
ヒグラ ....
夏物の花柄が薫ったのは
パタパタと羽ばたくような助走の後
遊具を飛び越える、わたしの脚の発熱を
自由のきく緩さで包んで縛って守っていたから。
少女が、少女であれば少女あるほ ....
花を差し出されたら
黙って口に含む
蜜を吸う
疑うという言葉は
知らないふりをしなくてはいけないルール
ねえ
毒って、甘いんだってね
*
追いかけられるの ....
ほんとうに欲しいと思ったんだ
あの夜
だから
ここにいるだけで
しあわせ
夏が終っても
君が胸を泳ぐから
クロール
息つぎをせずに
どこ ....
君は覚えているだろう
君がはじめて掴んだ自由は
真新しい買ったばかりの自転車に乗って
得意げに街中を走りまわる事。
そして今
世間との関わりを君は海に投げ捨て
白い灯台すれすれを斜 ....
NIRVANAは
それほどニルヴァーナでもなく
仮想現実は
それほど現実でもない
ぼくが抱いてあげたいのは
もしくはあなたの曲線
アフリカとユーラシア大陸をつなぐ
もしくは
北アメリカ ....
フラットに広がった街の上で
今日の足跡決めよう
お気に入りの青いペン
まっすぐ立てて手を離す
ケータイのメモリに入っている人達と
電車でたまたま隣に座った人達との
これといった違いが見 ....
「真似をしてはいけない」と誰かから教わりなさい!
−罪は重いのです。
ここに居てはいけないの?
ここに居てはいけないの?
わたし…。
赤のボールペンより青のボールペンで書いて欲し ....
昔の知り合いから電話があって
ちょっと帰ってこないかって
ナンデって聞いたら
亀ちゃんが死んだよって
久しぶりに海に下りた
なんにでもなれるような気がして
なんにもなれないジレンマ感じ ....
その布の上にはきらきらしたかたまりが
透けながらならんでいて
あたしはときどき つまんで くちにいれます
がっこうからかえると また
本のあいだからピアノがはいだし ....
愛しさを 枕に
抱きしめて キスをして
あぁ・・・
その枕になりたい
って 思った
イジワル・・・
ラクダと探偵が恋に落ちた
ふたりは愛情を育んだが
所詮は偶蹄目と霊長目の許されぬ仲
お別れの日探偵は
沈むことのない夕日をプレゼントした
ラクダは泣き疲れ
二つのこぶをなくし
変 ....
深刻になるのはよくない
いつだってファニーなのが
美点と言えば美点なのだから
腐らず行こう
のびのびと
風通しのいいところを
歌いながら歩くような気分で
胸をはって
帰り道は
昼の天気予報どおりに
激しい雨
ふと視界に咲いた銀色の傘を求めた
縁取り、白
フレームは銀
それを広げて歩くのが
今日の雨にはふさわしく思えて
....
痛くてつらくて泣いた涙と
悲しくてつらくて泣いた涙は
どんな色であるのでしょう
嬉しくて感動して泣いた涙と
安心して感動して泣いた涙は
どんな味であるのでしょう
....
僕は飲んだくれて
恵比寿の裏通りで、げろはいてた
何もかも上手くいってないのに
何もかも上手くいってるように
取り繕って
でも、今夜は酒を飲みすぎて
げろはいている僕
そんな僕をじっと見 ....
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