すべてのおすすめ
また明日会えるひとへ
あなたに 手を振る
こころに灯る確信は
また明日も会える
なのに
さよなら、が言えない
じゃあね
またね、
そんな言葉で
ぽん と背中を押して
さらさ ....
サンディの煙草は誰にも止められない
と、誰もが思っていることを
サンディはなんとなく知っている
黒く長い髪
茶色のひとみ
その他の身体的特徴
にもかかわらず
サンディといえば
....
明日は
焼肉を食べに行こう
彼女の
生まれた日だから
なぜか
戦争に負けた日
諸説あるけどね
いくぢなく
からみつかれて
からみあって
生きている
普通じゃないくらい
生き ....
七夕の夜 道草くって 銀河の線路を辿る
その星空は 君をなくした日の空に似ていた
体育座り 作りかけの溜息 飲み込んで消化して
切っても切れない関係を 繰り返しては生き繋いできた
何か ....
君は変わったね
同じことを
君が言い出す前に
キスをしよう
全てが始まったあの日を眺めながら
全ての終わりを語る唇を
塞いでしまおう
傾く船にはもはや
救いの手立 ....
いのりました
けんめいに
はをくいしばりました
はっぽう
てをつくしました
こつこつ
どりょくしました
のぞみが
かなうといいね
かがみにむかって
いいました
よけいなおせわ ....
くちびる
ギュッと噛んで
血の味を
たしかめるように
ギュッと噛んで
そして
また
歩き始める
あてのない旅路
空を知らない
籠の中の青い鳥
それを幸福という
風が見えない病の鳥
安寧を知らず
酸性雨に侵される白い鳩
厚い雲に溶けていく
不条理に射抜かれる
もう二度とない、と
....
灯りをともすと
貴方の顔は見えるけれど
貴方の心は見えなくなるね
灯りをともすと
貴方の腕は逞しいけれど
貴方の声はか細くなるね
灯りをともすと
灯りをともすと
貴方の ....
ことりと落ちた
ひこうき雲
ふれた
こわれた
ないた
横たわったままの、朝にて
薄明かりと薄暗がりを識別して遊ぶ
思慮深い音を立てるのは
鳩に柔らかく蓄積した灰だ
嗚呼、わたしの小さな頭痛
に添えるわたしの手のひらが
....
久しぶりの帰省すると
父も母もさらに
小さい
そのくせ
私の好物に
ことのほか敏感
いなり寿司とか
フルーツとか
裏手にある斜面の先に
小さな墓地があり
花を ....
九月になれば
誰かが語る
わたしは頷いてみる
そこに誰かはいない
誰かが語る
語り尽くせないほどたくさんの物語を
空には大きなノートが広がっている
鳥はそこに詩を描く
誰かが語る
....
明けない夜はないんだよ、と
良く人は言うけれど。
私は歩く。歩き続ける。
私は朝の光ばかりを歩いてきた。
強がりの顔で。戦いの腕で。
光の先へと。輝きの果てへと。
....
その角を曲がると
いつだって彼女は立っている
そこに、体に付いたしずくを払って
その度に小さくなっていくようだ
しずくが地面に消える分だけ
ビルはその背丈を伸ばして
猫たちの逃げ込む隙間を ....
末端の夜で
日常にある
輪郭のない
さびしさを
手繰り寄せる
その顔は
か細くゆがみ
青白い灯火に
照らされて{ルビ寝=い}
さまざまな角度で欠けている
ほおいほおい
呼 ....
タクシーで溺れた
昔はあんなにうまく泳げたのに
手足をばたばたさせても
座席の底のほうに沈んでいくばかりだ
ナイター中継を聴きながら
運転手さんが舌打ちをしている
水の中では舌打ちすらでき ....
海が見える草っぱらで
どーんとひっくり返って
雲に手を伸ばす
生きているんだなって、思うんだけど
その正体がわからない
漫然と心臓を動かしたり、理念を唱えたり
そんなことじゃないみたい ....
てをつないで
じっとしていると
とても
しずかな
ねむりがおとずれた
きっと
だいじょうぶ
ささやくこえがした
そうね
きっと
だいじょうぶ
くらやみのなか
ぽたぽた
な ....
あなたがひとを殺しても罪になりません
ドクターは宣告した
石ころだらけの世界
まして
モラトリアムの真ん中で
ひとのこころくらい
かんたんに壊れてしまうでしょうに
....
忙しいと言いながら
忙しそうにしている人がいた
忙しい毎日が嫌だとぼやきながら
忙しいのは何故かしらと呟きながら
忙しさから解放されそうになると
忙しく何かを探しはじめる
忙し ....
生まれおちた
ひがしの太陽が
とろけるような
雨と出会った
別にあなたなんかいなくたって寂しくないけど
だからってどっか行けっていう意味じゃないのになあ
あたしが素直じゃないからじゃないのよ
あの人が早とちりなだけでさ
どうにもこうにもうまくいかな ....
おれは、かすかだ。もうすぐ、なくなる。それでもいだきつづける、おと。か、すか、だ。あのねThis is POPなのPPPP底には何があるの。セミがあおむけマンションの廊下に落ちてたよ。夕日!だった。貴 ....
アルバイト帰りの夜
いつもこのホームで
手を振って分かれた
僕は石切まで準急で
君は高安行きの各駅に乗り換えて
左右に分かれてカーブへ向かう
君の各駅停車が傾きながら夜景に溶けて
....
とろりとした夜に
とろりとしそこなったセックスをしながら
ふたりは
2は、どうしたら1になるのかを
しゃべりあった
1を、
....
何かを守るための理由なんて
きっと邪魔にしかならないって
握りしめた手を離したのです
その手に
どんな理由があったの
その手は
何を守ろうとしたの
風が通りすぎて
あの ....
大事にしてたコップ割ったの
牛乳おいしかった
おおきくて
だから音楽大音量
かなしみ
でかい音
だだだだだ
過ぎるの待ってる
息づかい
S、S、S、
....
わたしの中に森が生まれたとき
その枝は音もなく広げられた
指先から胸へと続く水脈に
細く流れてゆく愛と
時おり流れを乱す悲しみ
わたしを立ち止まら ....
うだるような暑さ
浮かぶ汗は彼の人を飾るオパール
薄いガーゼのシャツ
肢体を包んでいる
あまい匂い
バニラアイスみたいな
舐めたくなるような
誰にでもこんなことするの
と
わたし ....
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