すべてのおすすめ
幾多の苦難を
一つ一つ思い出に変えながら
今日も夜空には過去が浮かび
月影は淋しさをなぞるように
きれいな円を描いている
たとえば
「さよなら」の四文字を
どの星にあてはめれ ....
塾の講師になって二年
はじめから
教えられることなど
何一つなかったのかもしれない
今日も一人の生徒が
僕のもとを去ってゆく
「高校へ行ったら、此処へは戻ってくるな ....
半分の月を見ていた
半分の月を見ながら
僕は半分だけ眠りにおちて
残りの半分は現実にとどまった
半分の夢の中では
浜辺に立った自分が
遠くの景色を見つめていた
半分の月を ....
弱酸性のあなたは
ちょうど中学で習った化学の実験みたいに
たとえば夏の終わりの夕暮れが
ほんのり赤く色づくのを
美しく感じたりする
弱酸性のあなたは
ときどき褒めてあ ....
「とうもろこし」って言えなかった
小さい頃
どうしても
「とうもころし」になってしまって
ゆっくり言ってごらんよと言われても
やっぱり
「と う も こ ろ し」って言ってしまう
....
昨日ひろったきれいな小石
たとえば人は
磨かれる前の宝石の原石のようだということ
未完成なままの美しさを知っているから
そっとしておいてください
そんな 淋しさ
....
夜のネオンきらびやかな街の一画
あまりはやってなさそうなその店の
客引のにいちゃんに騙されたふりをした
「うちは見せるだけじゃないからさ」って
一番前に座って待った
クリスタルライト ....
白にはどんな色も似合ってしまうから
僕は白が羨ましい
ガードレール
どうってことのないカーブだった
緩やかな曲線が空に続いているなんて
今でも信じていない
あいつは
小学 ....
泣けるくらいの悲しみならば
それは言葉にならなくていい
シャウト!
吹き溜まりの街角で、自転車に乗ったおじさんが
何を言ってるのかわからないでいる
イカレテル
そん ....
書かれた言葉と
書かれなかった言葉を挟んで
あの日記は閉じました
喜びが込み上げてくる日には
書かれた言葉が読めるのですが
悲しみが込み上げてくる日には
書かれなかった言葉が読 ....
塾の講師なんて仕事をしていると
子供の心に触れてしまうことがある
前に受け持っていた女子生徒が
授業中に突然飛び出して
二階のベランダから飛び降りようとした
「死んでやるー!」と何度 ....
英語の先生が教えてくれた
一番長い単語は
「smiles」
最初の「s」から
最後の「s」まで
1マイル
たとえば僕が笑顔のままで
1マイル
歩きとおせたとしたら
もっと ....
世界はつながっているというのに
僕はまだその本当の姿を知らない
どこかで争いがおこっているというのに
僕はただ祈ることしかできない
それなのに僕は
まるで赤ん坊のように
泣 ....
アライグマに石鹸をわたしたら
小さな手をちょこちょこ動かして
とても楽しそうにしていた
まるまるとした石鹸は
みるみるうちに小さくなり
無数の泡だけを残して
アライグマの視 ....
待ち合い室の窓辺には
枯れそうな観葉植物がいて
誰もそれに気付かないまま
誰もがうつむいている
ただ水をあげればいい
枯れそうな観葉植物は
まだ枯れてはいないのだし
渇きをいやせれば
また青々とし ....
神様が生まれた日に
僕は自分の始まりについて考える
蝋燭の炎がゆらゆらと時を刻み
その身体を縮めるようにして
わずなかな明かりを灯している
神様が生まれた日に
自分の存在以外に ....
今日も遠い北のはずれでは
北風がつくられている
私は妹の手をとって歩きながら
「ごらん、あれが北風だよ」と
すり切れそうな雲の端を指さして言う
すると雲は
少しずつ形を変えなが ....
花の名前を知らない僕は
きれいな花を見つけても
誰にも教えてあげられない
植物図鑑を一冊買って
花の名前を覚えよう
いつ芽が出て
いつ花が咲くのか覚えよう
小さな庭に種をまい ....
ある現実に落とされた
一粒の出来事は
どんなに大きな波紋を描こうとも
より大きな現実に吸収されてゆく
私たちはそれを
受け止めたり
跳ね除けたりしながら
けれど
その波紋の消えゆく ....
「引越しするので手伝ってください」
久しぶりの幼馴染からのメールを見て
行くとあらかた荷物は片付いていたのに
ただ
アルバムや卒業文集が
ダンボールのわきに積み上げられていて
それが手 ....
思い通りに喋れない
言葉が言葉になりきれずに
まるで蛹みたいにうずくまっている
戸惑いや迷いが
細い糸のようにからまって
いつしか自分自身を閉じ込める
繭になる
吐き出さ ....
中学のころ
教科書の中に出てきた
ナンシーに会いたい
タケシの家にホームステイで来ただけなのに
のこのこ学校までついてきて
わざわざ英語を教えてくれたナンシー
ナンシーに会いた ....
白いノートに
木を三つ書いたら
それが森になりました
空を支えるように
枝の真似をして手を広げれば
わたしもまるで木のようでしたが
何かが足りない気がして
淋しくなりました
....
芝生を背にして仰向けになれば
溜息をこぼしても落ちることのない
空がある
青を吸い込んだ瞳を閉じると
そこには海が広がっていた
青空の公園で
僕は一羽のカモメだった
....
諦めることを諦めてしまえば
誰でも抜け殻になれる
枝をはなれた枯葉が
落ちる途中で宙返りをする
もしも諦めることを忘れることができたなら
何度でもその身をひるがえしてみせよう ....
待たなくても夜はきてしまうから
朝はどうしょうもなく待ち遠しい
眠れない
そんなことはもう
考えなくなりました
「アシタカ」というのは亀の名前なんですが
てっきりオ ....
君の身体にあいた小さな穴を
塞ぐこともできないような僕です
風が冷たくなってきました
風邪などひきませんように
そんなセリフは
可愛くもないけれど
せめて吹き抜けないように
....
ある日見た空に
飛行機雲が白くひかれていて
それが矢印のように思えました
きっとそんなところにもきっかけはあって
感じたままを力の向きに
見上げるその
角度にも
だから
....
つんと鼻を刺激する
空気の冷たさに驚いた朝
慌てて出したコートには
お気に入りのマフラーが巻かれていて
それは大袈裟かもしれないと
くるりほどけば
ひらり舞い落ちた
枯葉が一枚
....
泣くために悲しんだことがある
砂浜にかじりつくようにくいこんでいた白い貝は
まるで生きているみたいに艶やかな色をしていたから
指先で撫でたら深くもぐりこんで逃げてしまうような気がした
....
PULL.さんのベンジャミンさんおすすめリスト
(97)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
「月影」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
07-4-13
「ありがとう」と言わせない
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
07-2-6
半分の月を見ていた
-
ベンジャ ...
自由詩
13*
06-11-15
「弱酸性のあなたへ」
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
06-9-3
「とうもろこし」って言えなかった
-
ベンジャ ...
自由詩
13*
06-8-31
もしかしたら嘘かもしれない
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
06-3-11
ストリッパー
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
06-3-5
ガードレール
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
06-2-28
シャウト!_(完全版)
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
06-2-28
栞(しおり)
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
06-2-7
知らないことを知っている
-
ベンジャ ...
自由詩
42*
06-2-6
笑顔までの1マイル
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
06-1-24
それなのに僕は
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-1-20
アライグマと石鹸
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
06-1-14
白い待ち合い室で
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-1-11
神様が生まれた日に
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-12-25
北風の工場
-
ベンジャ ...
自由詩
14*
05-12-16
笑顔の種
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-12-3
波紋
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
05-11-27
この街を去ってゆく君へ
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-11-24
言葉が蝶のように
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
05-11-20
ナンシーに会いたい
-
ベンジャ ...
自由詩
8*
05-11-10
あなたへとつながる道を
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
05-11-9
青空の公園で、僕は一羽のカモメだった
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
05-11-6
枝をはなれた枯葉は宙返りをする
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
05-11-2
この空に星は見えていますか?
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-10-30
ピアス
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
05-10-27
飛行機雲は消えても
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
05-10-26
それが冬のはじまりでした
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-10-25
砂浜で拾った貝殻はどこまでも沈んでいった
-
ベンジャ ...
自由詩
11+*
05-10-24
1
2
3
4
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