月になった君へ
蒼穹

七夕の夜 道草くって 銀河の線路を辿る
その星空は 君をなくした日の空に似ていた

体育座り 作りかけの溜息 飲み込んで消化して
切っても切れない関係を 繰り返しては生き繋いできた

何かが足りないって 満たされることに怯えている
誰が知るわけでもないのに また頼りっぱなしだね

月になった君 見上げる僕
残ったのは夢と 思い出と 現実という距離
ふと 重なった流れ星が君の涙に見えたんだ

貸切の夜 君の物語は色褪せることを知らず
輝きを増していく 僕には少し強すぎたみたいだ

寝転んで 出そうで出ないくしゃみ 無理やり出して
君が噂してるのかななんて 甘い物語を書き足していく

言葉が足りないって わかっていても怯えている
君が知るわけでもないのに また頼りっぱなしだね

月になった君 太陽は僕
誓ったのは僕自身の幸せと 君の笑顔
ふと 重なった流れ星が君の涙に見えたから

僕は小さな太陽であり続けるから

君がくれた優しさを光に変えて

月になった君へ 月になった君へ


自由詩 月になった君へ Copyright 蒼穹 2005-08-14 15:38:49
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